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後楽二丁目北・北西地区でもまちづくりの検討が進められている「後楽二丁目地区」!!再開発等よる不燃化と個別更新、災害対応の広場を整備する方針!!
つくば市学園の森にイオンの都市型ショッピングセンター「そよら」を2026年秋に出店!!サイエンス大通りに面し、TX研究学園駅から2kmの場所に立地!!
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琉球大学上原キャンパス跡地を大規模開発する「上原キャンパス跡地利用推進計画」!!ウェルネスゾーン、人材育成・研究開発ゾーン、文化と賑わいゾーンの3ゾーンから構成!!
多摩都市モノレールを上北台駅からJR箱根ケ崎駅方面へ延伸する「多摩都市モノレール延伸事業」!!2034年度開業を目指して遂に事業着手へ!!
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大濠公園に隈研吾建築都市設計事務所による新たな福岡県立美術館を整備!!新築工事に係る一般競争入札が進められている「新福岡県立美術館整備事業」!!
本厚木駅北東側の中町第2-2地区で建設が進む複合施設整備事業「あつめき」!!図書館やプラネタリウム、市庁舎などが入り、開業は2027年度を予定!!
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愛知県日進市・名古屋瀬戸道路へ直結した中部圏初の「高速道路IC直結型 次世代基幹物流施設」開発着手へ!!リニモ芸大通駅周辺では(仮称)日進北部土地区画整理事業も進む!!
湘南平塚の龍城ケ丘プール跡地に開業した「HIRATSUKA SEA TERRACE(ひらつかシーテラス)」!!展望テラスや芝生広場、BBQレストラン、マルシェなどから構成される複合施設!!
「(仮称)イオンスタイルつくば学園の森」の出店計画も進む、TX研究学園駅周辺の大規模開発「葛城一体型特定土地区画整理事業」!!2025年開発状況!!

百十四銀行本店 /百十四ビル

百十四銀行本店/百十四ビルは、香川県高松市亀井町5番地に建つ地上16階、地下2階、高さ64mの超高層ビルです。立地は、高松市立中央公園東側、西側を国道11号線に面した場所に位置しています。敷地の4つの街区を統合し、高層棟と低層棟、緑地や駐車場を有機的に配置することで、銀行建築でありながら街にひらかれた場を創出しています。

デザイン面では、中央通りに面して立ち上がる緑青仕上げブロンズ板の外装が深い陰影を生み、経年で味わいを増す象徴的なファサードとなっています。向かいの中央公園の緑と呼応し、高松の都市景観を形づくる存在としても知られます。また、東側に設けられた蔓性植物で覆われた「蔦壁」が四季の表情を映し出し、建物に柔らかな印象を与えています。

1階には柱廊が巡り、歩行者を守る温かな空間を形成。内部にも庵治石やトラバーチン、銅板の丁寧なディテールが用いられ、素材へのこだわりが随所に反映されています。こうした要素により、百十四ビルは都市と人の双方に寄り添う戦後モダニズム建築の代表作となっています。建築主は株式会社百十四ビル、設計は日建設計工務株式会社、施工は株式会社竹中工務店です。着工は1964年12月、竣工は1966年11月15日となっています。


概要

名称 百十四銀行本店/百十四ビル
計画名
所在地 香川県高松市亀井町5番地1
用途 銀行、事務所
階数 本館:地上16階、地下2階、塔屋3階
別館:地上5階、地下1階、塔屋2階
高さ 64m (軒高:54m)
構造 鉄骨鉄筋コンクリート造
基礎工法
敷地面積 3,664㎡
建築面積 2,165㎡
延床面積 21,546㎡
本館:17,485㎡
着工 1964年12月
竣工 1966年11月15日
建築主 株式会社百十四ビル
設計 日建設計工務株式会社
施工 株式会社竹中工務店
最寄駅 高松琴平電気鉄道琴平線、長尾線、志度線「瓦町」駅
備考
 

位置図

北西側から見た百十四ビルの様子です。

 

 

北西側から見た百十四ビルの低層部分の様子です。

 

  

エントランスです。

 

 

外装は緑青仕上げのブロンズ板が用いられ、年月の経過とともに美しさを増す素材が採用されました。中央通りの楠並木や中央公園の緑と呼応し、高松市の都市景観に深く根付いています。また、駐車場側の「蔦壁」は、彫刻家・流政之氏の提案によるもので、1965年の竣工直前にデザインされました。水を上部から滴らせる仕組みにより、四季の移ろいを感じられる「緑の壁」が成立しています。

内部では、高松産の庵治石やトラバーチンが使用され、質感と耐久性に配慮した仕上げが施されています。床材には「組合わせラバータイル」を採用し、実用性とデザイン性を両立させています。

 

本店建物は、戦後モダニズムの建築思想を反映し、機能性と合理性を重視した構成となっています。東西方向を閉じて空調効率を高め、南北の風が抜ける高松の気候に対応した計画です。高層棟にはコアを集約したオフィス空間が設けられ、別館とは渡り廊下で一体的な業務動線が確保されています。

1階には一般利用を意識した開放的な柱廊が巡り、街ゆく人々を日差しや雨から守る役割を担っており、銀行建築としての公共性を象徴しています。

 

街区を跨ぐように高架通路が接続されています。

 

 

「銀行は庶民に開かれた公共性の高い建築であるべき」という施主の思想を受け、営業部分以外の多くの場所が一般に開放される計画となりました。1階のオープンスペースや柱廊は街の歩行空間に寄与し、建物全体が地域に溶け込む設計が徹底されています。施主・設計者・施工者が緊密に連携し、市民に愛される銀行を実現しようとした姿勢が、建物の随所に表れています。

 

竣工は1966年と、既に完成から半世紀以上が経過していますが、今も戦後のモダニズム建築として生き続けています。

 

 

百十四ビルは、高松港から栗林公園を結ぶ中央通り(幅36m)に位置し、高松の都市構造を象徴する軸線上に建設されました。楠の並木が立ち並ぶ市内随一の大通りに面し、向かい側には中央公園が広がります。

敷地はA・B・C・Dの4街区で構成され、銀行本店機能をA街区の高層棟に、C街区に食堂や厚生施設を備えた低層棟を配置。B街区は緑地兼駐車場とし、地下のA・B街区を共通駐車場として活用しました。D街区は福利施設に充てられ、民間企業による街区の一体的な整備が実現しています。道路側には4mを市に提供し、通行空間の改善に寄与した点も特筆されます。隣地側の高さ10m・長さ50mのコンクリート壁には12種の蔦植物が植えられ、四季の緑が生み出されました。

 

北東側から見た百十四ビルの様子です。

 

 

南東側から見た百十四ビルの様子です。

 

 

百十四ビルは竣工当時、「西日本一の高層ビル」として注目されました。瀬戸内海からも確認できるランドマークとして、高松の存在を広く印象付ける役割を果たしました。

竣工当時、屋上には市民が自由に上がることができる展望スペースが設けられ、高松の街と海・山のパノラマを楽しめる、市民の誇りとなる場所でした。高層棟の垂直性と別館の水平ラインが都市軸を強調し、緑青の外壁が街路の緑と調和して独自の景観を形成しています。

 

竣工から半世紀近くが経過した2009年の改修では、外装ブロンズサッシの外側に約60cmの空気層を設けたダブルスキン(ガラススクリーン)を追加。自然上昇気流を利用して熱を排出する仕組みとし、省エネルギー性能を大幅に向上させました。この改修は市民の愛着と、所有者による丁寧な維持管理の賜物であり、建築ストックの模範として評価されています。

 

南西側から見た百十四ビルの様子です。

 

 

北西側から見た百十四ビルの高層部分の様子です。

 

 

南西側から見た百十四ビルの低層部分の様子です。

 

 

百十四ビルは、建築としての完成度の高さと地域への貢献が広く評価されており、1968年には国内の優れた建築作品として第9回BCS賞を受賞しました。また、DOCOMOMO JAPANによって日本の戦後モダニズム建築を代表する建物の一つとして選定されています。

さらに、1992年には第2回BELCA賞ロングライフ部門、2013年には第22回BELCA賞ベストリフォーム部門を受賞するなど、その建築的価値と長期的な維持管理の取り組みが高く評価されています。施工精度の高さや綿密な維持管理に加え、完成後の改修計画も設計者と緊密に調整されて進められており、建物の品質と価値が確実に守られています。

最終更新日:2025年11月23日

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