AER (アエル)は、宮城県仙台市青葉区中央1丁目に建つ地上31階、地下3階、高さ145.470mの超高層ビルです。立地は、「仙台」駅北西側、西側を駅前通、北側を元寺小路福室線、東側から南側を名掛丁通りに囲まれた場所に位置しています。
従前の再開発区域は、戦災復興土地区画整理事業の区域から外れていたことから、道路や下水道などの都市基盤整備が遅れ、木造住宅や商店などが密集する地区となっていました。1970年に周辺を含む再開発調査が開始され、オイルショックによる中断を経て1984年に都市計画決定、1988年に事業計画が決定されました。再開発では、JR仙台駅に近接する立地を生かし、商業・業務・情報通信などの都市機能を集積させるとともに、都市計画道路や歩行者空間を整備し、土地の高度利用と都市機能の更新を図ることが目的とされて進められました。
施設構成は、地下3階~地下1階に駐車場、駐輪場、機械室、地上1階~4階に商業施設「Shop & Wonder AER」、1階~2階(5階)にアトリウム、5階~8階に公共施設、5階~6階に仙台市中小企業支援拠点施設「仙台市中小企業活性化センター」、7階に公益財団法人仙台市産業振興事業団、8階に仙台子ども体験プラザ、9階~30階にオフィス、31階に展望テラス、結婚披露宴会場「ザ・オリエンタルスィートヴィラ」となります。
建物は、カーテンウォールで構成された高層棟と、商業・公共施設を配置した低層部、それらをつなぐガラス張りのアトリウムによって構成されています。高層部のオフィスは北側にコアを配置したコの字型の平面とし、16mスパンによる約1,000㎡の無柱空間を確保しています。建設時には、フジタが開発した全天候型ビル自動建設システム「あかつき21」を採用したほか、構造面では強風や地震による揺れを抑制する制振装置「TMD」を導入しています。仙台駅から延びるペデストリアンデッキとアトリウムを接続することで、地上と2階レベルを結ぶ立体的な歩行者ネットワークの形成にも寄与しています。
建築主は仙台市、設計は株式会社関・岡設計、施工はフジタ・松村組・三菱建設共同企業体です。着工は1995年3月、竣工は1998年3月となっています。
概要
| 名称 |
AER (アエル) |
| 計画名 |
仙台駅北部第一南地区第二種市街地再開発事業 |
| 所在地 |
宮城県仙台市青葉区中央1丁目3番1号 |
| 用途 |
事務所、公共施設、店舗、駐車場 |
| 階数 |
地上31階、地下3階、塔屋2階 |
| 高さ |
145.470m (軒高:140.970m) |
| 構造 |
鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造 制振構造(TMD) |
| 基礎工法 |
ー |
| 敷地面積 |
6,591.05㎡ |
| 建築面積 |
5,138.32㎡ |
| 延床面積 |
73,079.23㎡ |
| 着工 |
1995年3月 |
| 竣工 |
1998年3月 |
| 建築主 |
仙台市 |
| 設計 |
株式会社関・岡設計 |
| 施工 |
フジタ・松村組・三菱建設共同企業体 |
| 最寄駅 |
JR、仙台市地下鉄南北線、東西線「仙台」駅 |
| 備考 |
▼施設構成 地下3階~地下1階:駐車場、駐輪場、機械室 地上1階~4階:商業施設「Shop & Wonder AER」 1階~2階(5階):アトリウム 5階~8階:公共施設 ・5階~6階:仙台市中小企業支援拠点施設「仙台市中小企業活性化センター」 ・7階:公益財団法人仙台市産業振興事業団 ・8階:仙台子ども体験プラザ 9階~30階:オフィス 31階:展望テラス、結婚披露宴会場「ザ・オリエンタルスィートヴィラ」 |
位置図
配置図
断面図
イメージパース
北西側から見たAER (アエル)の様子です。AER(アエル)は、仙台市青葉区中央1丁目に建つ地上31階、地下3階、高さ145.470mの超高層複合ビルです。JR仙台駅北側に近接する「仙台駅北部第一南地区第二種市街地再開発事業」により建設され、1995年3月に着工、1998年3月に竣工しました。延床面積は約7.3万㎡に及び、商業施設、公共施設、オフィス、展望テラスなどを一体的に備えています。
建物は仙台駅から伸びるペデストリアンデッキと接続し、駅周辺から北側市街地へ向かう歩行者動線の結節点としても機能しています。仙台駅前の新たなランドマークとして、商業・業務・公共・交流機能を集約した複合施設となっています。
北西側から見たAER (アエル)の低層部分の様子です。
AER (アエル)が建つ仙台駅北部第一南地区は、戦災復興土地区画整理事業の施行区域から外れていたため、仙台駅に近接する立地でありながら道路などの都市基盤整備が遅れ、低層木造住宅や商店などが混在する地区となっていました。仙台市は1970年から再開発調査を開始し、オイルショックによる中断を経て1984年に都市計画を決定、1988年に事業計画を決定しました。
その後、バブル経済とその崩壊などの社会情勢を受けて施設計画を見直し、当初のホテルを主体とした計画から、オフィス・商業施設を中心とする地上31階建ての複合ビルへと変更されました。1995年3月に建設工事へ着手し、景気低迷などによる困難を乗り越えて1998年3月に竣工、「東北の情報発信基地」として開業しました。
西側には、ガラスファサードの5層吹き抜けのアトリウムがあります。
南西側から見上げたAER (アエル)の様子です。
南西側から見たAER (アエル)の低層部分の様子です。
南西側から見たAER (アエル)の高層部分の様子です。青みがかったガラスカーテンウォールに、中央部の白いスパンドレルから構成される外観デザインとなっています。
AER (アエル)は鉄骨造を主体とし、一部に鉄骨鉄筋コンクリート造を採用した超高層建築物です。高さ145.470mの超高層ビルとして、建物の揺れを抑制する制振構造を採用しており、TMDが設置されています。TMDは、建物の揺れに対して重り(マス)の慣性力を利用し、地震や強風などによる振動を抑制する制振装置です。電気的な制御を用いず、建物の揺れに応じて錘が作用することで、居住性ならぬ執務環境の快適性向上にも寄与するパッシブ式の構造システムとなっています。
仙台駅と直結しているデッキレベルのエントランスです。
北東側から見たAER (アエル)の様子です。
北西側のアエル広場です。
アエル広場にある「四ッ谷用水古今の記念碑」です。
商業施設
地上1階~4階には、商業施設「ショップ&ワンダー AER」が配置されています。店舗面積は約8,125㎡で、仙台駅前という立地を生かして多様な店舗が集積する商業ゾーンとなっています。
低層部分には回遊性を重視した商業空間が形成され、1階~2階には建物の大きな特徴となるアトリウムを配置。駅前のペデストリアンデッキから直接アクセスできる立地を生かし、買い物だけでなくイベントや待ち合わせなどにも利用される駅前の交流空間となっています。
*現地にて撮影
テナント一覧です。
*現地にて撮影
フロア構成です。
アトリウム
AERのメインエントランスには、1階~2階を中心として5層吹き抜けとなる大規模なアトリウムが設けられています。ガラスに覆われた開放的な大空間により、自然光を取り込みながら明るく開放感のあるエントランス空間を形成しています。
アトリウムは単なる建物内部の吹き抜けではなく、仙台駅から延びるペデストリアンデッキと北側市街地を結ぶ歩行者動線の一部として計画されています。展示会やイベントなどにも活用されるほか、深夜まで開放される公共的な歩行者空間として、AERの施設構成を象徴する空間となっています。
公共施設
地上5階~8階には、仙台市中小企業支援拠点施設「仙台市中小企業活性化センター」をはじめとする公共施設が配置されています。5階~6階には多目的ホールや会議室、セミナールームなどが設けられ、仙台市の情報化・産業振興を支える交流・研修拠点として機能しています。
7階には公益財団法人仙台市産業振興事業団、8階には仙台子ども体験プラザが入居しています。また、28階~29階にも仙台市の男女共同参画施設「エル・ソーラ仙台」が設けられており、超高層オフィスビルの中に公共・市民利用施設を組み込んだ複合的な施設構成となっています。
オフィス
地上9階~30階には、AERの中核機能となる賃貸オフィスが配置されています。基準階面積は約998.88㎡、基準天井高は2,700mm、基準床荷重は400kg/㎡で、OAフロアを採用した機能的なオフィス空間となっています。
オフィス基準階は北側にコアを配置したコの字型の平面構成とし、16mスパンを採用することで約1,000㎡の明るく機能的な無柱空間を実現しています。空調は個別空調、電気容量は45VA/㎡、機械警備・有人警備併用のセキュリティ体制を備え、24時間の貸室使用にも対応しています。
AER (アエル)には複数の用途・階層に対応したエレベーターが設置されており、乗用、車椅子対応、非常用、人荷用、荷物用など計17基が配置されています。高層棟には300m/分の高速エレベーターを採用し、高層階のオフィスへの効率的なアクセスを実現しています。また、エレベーターは高層棟・低層棟・アトリウムなどの各ゾーンに分けて配置され、用途や停止階に応じて運用されています。
地下3階~地下1階には駐車場、駐輪場、機械室を配置し、駐車場は最大311台、駐輪場は約450台を収容するなど、仙台駅前の大規模複合施設として充実した交通・設備機能を備えています。
オフィステナント一覧です。
展望テラス/結婚披露宴会場「ザ・オリエンタルスィートヴィラ」
最上階の31階には、無料で利用できる展望テラスと結婚披露宴会場「ザ・オリエンタルスィートヴィラ」が配置されています。展望テラスは東西2か所に設けられ、仙台市街地を一望できるAER (アエル)の象徴的な場所となっています。
地上約145mの高さを生かした展望機能に加え、最上階に結婚披露宴会場を設けることで、超高層ビルならではの眺望を生かした施設構成となっています。開業当初からAERのランドマーク性を高める最上階の特徴的な機能として計画されています。
天望テラスから見た仙台市中心部・青葉通一番町方面の景色です。
天望テラスから見た仙台市中心部・本町から花京院方面の景色です。
天望テラスから見た仙台大観音(仙台天道白衣大観音)方面の景色です。
天望テラスから見た仙台市中心部・榴岡公園方面の景色です。
天望テラスから見た仙台市中心部・青葉通一番町方面の夜景です。
天望テラスから見た仙台市中心部・本町から花京院方面の夜景です。
北西側から見上げたAER (アエル)と、南側に隣接して建つ仙台マークワンの様子です。
仙台駅前に建つAER (アエル)と仙台マークワンを見上げた様子です。
最終更新日:2026年8月13日