東京都は、東京港のコンテナふ頭の中核を担う「大井コンテナふ頭」について、2035年度を見据えた具体的な将来像を公表しました。大井コンテナふ頭は全長2,354m、7バースの大水深岸壁を備える東京港最大のコンテナターミナルで、国内外を結ぶ物流拠点として重要な役割を担っています。
今回の計画では、AIやデジタル技術を活用したDXの推進、コンテナターミナルの一体運営・拡張、大型コンテナ船への対応、荷役機械の電動化などが進められます。ターミナル面積は約1.4倍に拡張し、処理能力を現在の約240万TEUから約330万TEUへ引き上げるとともに、CO₂排出量を2020年度比で9割以上削減する方針です。世界トップクラスの効率性とサステナビリティを備えたコンテナターミナルへと機能を大幅に向上させ、東京港の国際競争力をさらに高めることが期待されます。
大井コンテナふ頭の将来像の概要
1.2035年度を見据えた大井コンテナふ頭の将来像
東京港の中核を担う大井コンテナふ頭を世界トップクラスのコンテナターミナルへ高度化する将来構想
AI・デジタル技術、脱炭素化、施設拡張などを一体的に進める次世代物流拠点への転換
2.最先端技術を活用したDXの推進
ASCなどの最先端荷役機械やAIを導入し、荷役作業の自動化・効率化と安全性を向上
CONPASによる搬出入予約制やCyber Portによる手続きの完全デジタル化を進める物流DX
3.コンテナターミナルの約1.4倍への拡張
隣接する民間所有地などを活用してターミナル面積を約1.4倍に拡張し、処理能力を大幅に向上
コンテナ取扱能力を約240万TEUから約330万TEUへ引き上げる物流基盤の強化
4.大型コンテナ船への対応力強化
岸壁の一部を増深し、水深を-15mから-16mへ改良する大水深バースの整備
世界標準となる150,000DWT級の大型コンテナ船の受け入れに対応する港湾機能の強化
5.ターミナル一体運営と車両動線の改善
外航コンテナ船と内航船などの円滑な接続・積替えを実現するターミナル一体運営
共同ゲートの設置や車両待機場の再配置、トレーラー動線の分離による効率性・安全性の向上
6.CO₂排出量を9割以上削減する脱炭素化
荷役機械の電動化とグリーン電力の活用により、ターミナルからのCO₂排出量を9割以上削減
太陽光発電などの再生可能エネルギーや走行距離削減による環境負荷低減
7.東京港の国際競争力を支える世界トップクラスの拠点
東京港最大のコンテナふ頭として、グローバルサプライチェーンを支える国際物流拠点への発展
効率性・安全性・環境性能を兼ね備えた次世代型コンテナターミナルへの「バージョンアップ」

2035年度の大井コンテナふ頭では、最先端技術を徹底的に活用したDXを進め、コンテナターミナルの運営効率を大幅に高めます。代表的な取り組みとなるのが、ASC(自動荷役クレーン)をはじめとする最先端荷役機械の導入です。荷役作業の自動化・高度化によって作業員の負担を軽減するとともに、安全性を高め、高効率なターミナル配置が実現されます。

また、「CONPAS」を活用したコンテナ搬出入の完全予約制を導入し、トラックの集中による交通混雑を解消する計画です。さらに、港湾物流プラットフォーム「Cyber Port」を活用して各種手続きを完全デジタル化し、AIによってコンテナ配置や荷役作業の手順などが最適化されます。これにより、貨物の搬出入時間を短縮し、よりスムーズな物流環境の構築を目指すものとしています。

コンテナターミナルそのものの機能も抜本的に強化されます。ターミナルの一体運営を実現することで、外航コンテナ船と内航船などの間で貨物を円滑に接続・積み替えできる体制が構築されます。さらに、ふ頭に隣接する民間所有地などを活用してターミナル面積を約1.4倍に拡張し、コンテナの取り扱い能力を大幅に向上させます。
現在の処理能力約240万TEUに対し、将来的には約330万TEUまで引き上げる計画です。物流需要の変化や将来的な貨物量の増加にも対応できる余力を確保し、東京港が国内最大のコンテナ港として国際物流を支え続けるための基盤が整備されます。


船舶の大型化に対応するため、ふ頭の一部岸壁を増深し、水深を現在の-15mから-16mへ改良します。これにより、世界標準となる150,000DWT級の大型コンテナ船を受け入れられる大水深バースを確保します。
大井コンテナふ頭は現在でも10,000TEU級の大型コンテナ船が寄港する国内有数のターミナルですが、さらなる大型化への対応によって国際航路の競争力を高めるものとしています。また、共同ゲートの設置や車両待機場の再配置によってトラックのアクセスを改善。外来トレーラーと構内トレーラーの動線を分離することで、ターミナル内の安全性を確保しながら、物流車両の移動が効率化されます。


脱炭素化も将来像の大きな柱となります。ターミナル内で使用される荷役機械を電動化するとともに、グリーン電力を積極的に活用することで、荷役作業などから排出されるCO₂を大幅に削減します。計画では、コンテナターミナルから排出されるCO₂を2020年度比で9割以上削減し、約26,100トンから約300トンまで減らすことを目指しています。
さらに、車両動線の見直しによってトラックの走行距離を短縮するほか、太陽光発電設備などの再生可能エネルギーも活用します。物流拠点としての高い処理能力を維持しながら環境負荷を抑えることで、カーボンニュートラルに対応した次世代型コンテナターミナルを構築します。

大井コンテナふ頭は、全長2,354m、連続7バースの大水深岸壁を有し、東京港のコンテナ物流を支える中心的な施設です。2003年度には耐震強化岸壁3バースを含む高規格ターミナルとして再整備され、現在は20基のコンテナクレーンを備えています。今後は施設の更新時期を迎えることを契機として、単なる老朽化対策にとどまらず、AI・自動化・デジタル化・脱炭素化を一体的に進めます。
東京都は、2025年3月に策定した「Tokyo Container Vision 2050」に基づき、東京港を将来にわたってグローバルサプライチェーンの中核を担う国際物流拠点として発展させる方針です。今回示された2035年度の将来像は、その実現に向けた具体的な姿となるものであり、世界トップクラスの効率性とサステナビリティを備えた大井コンテナふ頭への「バージョンアップ」が進められることになります。
出典:東京都 大井コンテナふ頭の将来像を公表します
最終更新日:2026年8月13日