太平洋セメントは、東京都中央区晴海二丁目に所有する約1.9万㎡の土地を国内法人へ譲渡することを公表しました。譲渡契約の締結および土地の引き渡しはいずれも2026年8月26日を予定しており、今回の土地売却に伴って約187億円の譲渡益を見込んでいます。譲渡先となる国内法人の名称や譲渡価額、帳簿価額については、守秘義務契約を理由として公表されていません。
今回譲渡される土地は、かつて太平洋セメントグループが生コンクリート工場を運営していた跡地の一部で、その後は「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の販売センター用地などとして利用されてきた場所です。晴海地区では住宅・商業・公共施設などの整備が進む一方、まとまった規模の土地は限られており、約1.9万㎡に及ぶ今回の土地が今後どのように活用されるのか注目されます。
晴海フラッグ販売センター跡地の概要
1.約1.9万㎡の土地を国内法人へ譲渡
太平洋セメントが東京都中央区晴海二丁目の約1.9万㎡の土地を国内法人へ譲渡
契約締結・引き渡しは2026年8月26日、譲渡益は約187億円の見込み
2.晴海フラッグ販売センター跡地として活用
かつて生コンクリート工場が立地し、その後「HARUMI FLAG」の販売センター用地として活用
周辺ではザ・パークハウス晴海タワーズやパークタワー晴海などのタワーマンションが集積
3.準工業地域・容積率400%の開発用地
用途地域は準工業地域、建ぺい率60%、容積率400%、晴海地区地区計画の区域
約1.9万㎡に容積率400%を単純適用した場合、延べ約7.6万㎡となる大規模開発ポテンシャル
4.複合開発を想定
開発される場合は住宅を中心に店舗・保育施設などを組み合わせた複合開発の可能性
周辺の超高層住宅を踏まえると、500~800戸程度、40~50階級のタワーマンションも想定
5.晴海運河沿いの水辺空間との連携
中央区がウォーターフロント・プロムナードによる連続した歩行者空間の形成を計画
水辺の眺望や緑化を生かした歩行者ネットワークとの一体的な開発への期待
6.豊洲と晴海を結ぶ新たな都市軸
北東側では旧晴海鉄道橋を活用した「春海橋公園遊歩道」が2025年9月に供用開始
豊洲・晴海間の回遊性向上により、周辺の住宅・商業・レジャー機能との連携強化
7.晴海二丁目の新たな大規模開発に注目
現時点で具体的な開発計画は未公表ながら、約1.9万㎡のまとまった土地が新所有者へ移転
延べ約8~10万㎡規模も想定される晴海地区の新たな大規模開発用地として今後の動向に注目

今回譲渡されるのは、東京都中央区晴海二丁目100番ほか1筆に位置する土地です。現況は遊休地(一部賃貸用不動産)となっており、太平洋セメントが所有してきた土地を国内法人へ売却することになります。
太平洋セメントは2026年7月21日開催の取締役会で固定資産の譲渡を決議しており、譲渡契約締結日・引渡日ともに2026年8月26日を予定しています。譲渡益は187億3,700万円となる見込みで、同社は経営資源の再配分と持続的な成長に向けた投資資金の確保を譲渡理由として挙げています。

この土地は、現在の晴海のタワーマンション街が形成される以前から存在する土地で、かつては太平洋セメントグループの生コンクリート工場が立地していました。その後、晴海二丁目周辺で大規模な住宅開発が進められる中、マンション販売に関連する施設などとして活用されてきました。2014年には「(仮称)晴海二丁目計画販売センター」として、敷地面積2,548.11㎡、延べ面積2,907.28㎡、地上3階の販売センターが建設されたことがありました。
周辺では「ザ・パークハウス晴海タワーズ」や「パークタワー晴海」などの超高層タワーマンションが相次いで建設され、さらに晴海エリア西側では「HARUMI FLAG」の街区も整備されました。現在では高層マンションが建ち並ぶ晴海二丁目において、約1.9万㎡というまとまった土地が残されている点が大きな特徴となっています。

土地周辺は準工業地域に指定され、指定建ぺい率60%、指定容積率400%となっています。また、防火地域に指定され、「晴海地区地区計画」の区域内に位置しています。中央区の資料でも晴海地区では、住宅展示場などの大規模敷地について準工業地域・容積率400%とされていることが確認できます。

約1.9万㎡の敷地に指定容積率400%を単純に適用すると、計算上の容積対象延べ面積は約7万6,000㎡となります。実際の建築計画では地区計画による制限、道路・公開空地、壁面後退、用途構成などによって利用可能な床面積が変わるため、これはあくまで現段階での単純な概算値です。
実際には各種緩和措置により、延べ約8~10万㎡規模を想定できることから、単独のマンションにとどまらず、住宅・店舗・サービス施設などを組み合わせた大規模複合開発も十分に検討できる規模の土地といえます。

現時点で譲渡先の国内法人から具体的な開発計画は公表されていませんが、仮に約1.9万㎡の敷地を本格的に開発する場合、周辺環境を考えると超高層住宅を中心とした複合開発が一つの有力な選択肢として考えられます。
例えば、容積率400%を前提に延べ約7.6万㎡を確保し、そのうち住宅用途を中心とした場合、1戸当たりの専有面積を70~80㎡程度と仮定すると、おおむね700~900戸前後の住宅供給が視野に入ります。店舗や保育施設、共用施設などを設ければ住宅戸数はさらに少なくなりますが、それでも500~800戸程度の大規模マンションとなる可能性があります。

建物形状についても、敷地面積が約1.9万㎡と広いため、単純な板状高層住宅だけでなく、低層の商業・生活利便施設を配置し、その上部にタワー状の住宅棟を建設する構成も想定できます。高さについては現時点で具体的な上限・計画が確認できないため断定できませんが、周辺に地上40~50階クラスの超高層タワーマンションが存在することから、40階前後~50階程度のタワーマンションも十分考えられる規模感です。


今回の土地は、単に大規模な住宅開発が可能なだけでなく、晴海運河・豊洲方面に近接する立地も大きなポイントです。中央区が示す「晴海まちづくりの考え方」では、豊洲・晴海間水域沿いにウォーターフロント・プロムナードを連続した歩行者空間として整備する方向性が示されており、歩行者ネットワークの形成が進められています。
北東側では、旧東京都港湾局専用線「晴海線」の晴海橋梁を活用した「春海橋公園遊歩道」が2025年9月に供用開始され、晴海と豊洲を結ぶ新たな歩行者動線も誕生しました。こうした水辺の歩行者ネットワークと大規模開発用地が連携すれば、住宅だけではなく、店舗、飲食、保育、交流施設などを組み込んだ新たなウォーターフロント拠点となる可能性があります。

約1.9万㎡というまとまった土地が新たな所有者へ移ることで、晴海二丁目では今後さらに大きな街の変化が起こる可能性があります。現時点では開発用途や建物規模は未定ですが、敷地約1.9万㎡、容積率400%から単純計算で延べ約7.6万㎡規模まで想定できる大規模開発用地であり、周辺の超高層住宅群や豊洲との回遊動線を考えると、今後の土地利用計画に大きな注目が集まりそうです。
出典:太平洋セメント株式会社 固定資産の譲渡に伴う特別利益の計上、ならびに業績予想の修正に関するお知らせ
最終更新日:2026年8月11日