東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は、2027年春に新たな夜行特急列車を導入することを発表しました。この列車は、ただの移動手段ではなく「乗ることそのものを楽しむ旅」を実現する新しい取り組みです。車両には、常磐線で活躍してきたE657系特急型車両を大幅に改造して使用。全席を個室のグリーン車とすることで、長時間の移動においても快適性とプライバシーを両立させます。
この新しい夜行特急列車は、非日常的な空間でのくつろぎと特別感を提供することで、地域の観光資源と連携し、沿線エリアの魅力発信や観光需要の創出を目指します。日本国内外からの観光客に向けて、鉄道による新たな旅のスタイルを提案していく構想です。
→東日本旅客鉄道株式会社 新たな夜行特急列車を導入します~運行を通じて地域の皆さまと新たな観光需要を創出します~
JR東日本の新たな夜行特急列車(E657系)の概要
- 導入時期と目的
2027年春にJR東日本が新たな夜行特急列車を導入し、「乗ること自体が旅の目的となる」新しい体験型の旅を提案。 - 車両仕様
常磐線で使われたE657系特急車両を改造し、全席が個室のグリーン車で快適なプライベート空間を提供。 - 運行エリアと柔軟性
主に首都圏から北東北を中心に運行予定で、季節や観光需要に応じて運行エリアを変更する可能性あり。 - デザインコンセプト
「夜行列車の記憶」と「地域の未来への希望」をテーマに、ブルートレインを彷彿とさせる青を基調とした車体デザイン。 - 車内構成と設備
10両編成で、1〜4人用の個室を用意。5号車にはラウンジスペースがあり、交流や休憩ができる空間も設置。 - 快適性へのこだわり
プレミアムグリーン個室はフルフラット対応でホテルのような居心地。バリアフリー対応も充実し、車いす対応個室も用意。 - 地域観光との連携
地域の観光資源と連動したツアーや体験プログラムの開発を目指し、観光振興と交通サービスの融合を推進。

新たな夜行特急列車は、2027年春の運行開始を予定しており、当初は首都圏から北東北エリアを中心に走行する計画です。ただし、運行エリアは季節や観光需要に応じて柔軟に変更される可能性があります。
使用される車両は、10両編成のE657系をベースに改造された特別仕様で、全車両がグリーン車指定席の個室型。これにより、プライベートな空間を確保しつつも、上質で落ち着いた移動体験が可能となります。定員は約120人で、個室タイプは1人~4人まで対応する設計です。
列車名、運行ダイヤ、利用料金などの詳細情報は今後順次発表される見込みであり、旅行商品や観光キャンペーンと連動した運行も想定されています。6号車には車いす対応のグリーン個室(1人用・2人用)も備えられ、バリアフリー対応も充実しています。

車両の外観デザインは、「夜行列車の記憶」と「地域の未来への希望」をテーマに構成されています。1号車側にはかつてのブルートレインを彷彿とさせる明るい青「メモリアルブルー」、10号車側には夜明けを象徴する深い青「ミッドナイトホライズン」を配色。その間をつなぐ白いラインが「ブルーモーメント(夜明け直前の輝き)」を表現し、視覚的にも特別な旅の始まりを感じさせるデザインとなっています。

車両編成には、両端の1号車と10号車に「プレミアムグリーン個室」、中央部に一般的なグリーン個室(1〜4人用)を配置。5号車には開放的なラウンジスペースと販売スペースが設けられ、他の乗客との交流やちょっとした気分転換も可能です。
このデザインは、これまで観光列車「SLばんえつ物語」などの車両を手がけてきたJR東日本建築設計が担当。駅舎やホテルの設計で培った空間デザインのノウハウが活かされています。

インテリアデザインのテーマは「シンプルでありながら上質」。すべての座席が個室仕様となっており、利用者の人数や目的に応じてさまざまなタイプが選べる構成となっています。
最上級の「プレミアムグリーン個室」は1人用・2人用があり、室内にはL字型ソファを採用。座面を組み替えることで、読書や食事、リラックスした姿勢からフルフラットの就寝スタイルまで自在に対応します。空間には素材感のある仕上げが施され、まるでホテルの一室のような居心地を提供します。

通常のグリーン個室も、1人用・2人用・4人用があり、それぞれの利用シーンに応じたデザインと機能性が確保されています。特に4人用個室は最初からフルフラットの広々とした寝台仕様で、家族連れやグループ旅行に最適。小さなお子様連れでも安心してくつろげる設計です。
さらに、5号車に設けられたラウンジはこの列車唯一のオープンスペースで、開放感のある雰囲気の中で他の乗客と交流したり、グループ内で会話を楽しんだりすることができます。列車でのひとときを共有する、非日常的な旅の演出に貢献しています。

この新型夜行列車のベースとなるE657系は、2012年に常磐線の特急「スーパーひたち」「フレッシュひたち」向けに導入された車両で、信頼性の高い交直流特急型車両です。車体はアルミニウム製のダブルスキン構造を採用し、軽量かつ高剛性を実現。車内設備も充実しており、全座席に電源コンセントやWi-Fi環境が整っています。今回の改造では、その性能と快適性を活かしながら、夜行仕様への大規模な転換が行われます。
今回のプロジェクトは、単なる列車の改造にとどまらず、地域の観光振興と交通の融合を目指す取り組みです。沿線の観光地と連携したツアー商品や体験プログラムの開発、各駅での地域物産の販売など、JR東日本エリアの価値創造にもつながる多様な可能性が期待されています。列車名の発表やチケット販売開始時期など、今後の続報に注目が集まりますね。
最終更新日:2025年6月13日