名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業は、愛知県名古屋市中村区名駅一丁目に建設される地上29階、地下2階、高さ170mの「南街区」と、地上31階、地下2階、高さ172mの「北街区」から構成される超高層ビルです。立地は、東側を名駅通、西側を名鉄・JRの線路に挟まれ、中間に太閤通りを挟んだ名鉄名古屋本線「名鉄名古屋」駅直上の南北約400mの区域に位置しています。
名古屋駅地区再開発計画は、リニア中央新幹線の開業を大きな転機と捉え、名古屋市が掲げるスーパーターミナル化構想の実現に向けて推進されるプロジェクトです。本計画は、都市の魅力を高めるとともに、名鉄グループの持続的な成長を視野に入れ、名古屋駅周辺エリアの再構築を図るものです。エリアの価値向上や賑わいの創出、交通利便性の向上、スーパーモビリティハブとしての機能確立、そして名鉄ブランドの価値向上が、当該再開発事業の主な目的とされています。
施設構成は、「南街区」の地下部分に駅、駐車場等、低層部分にバスターミナル、商業、駐車場等、1階、11階~12階にホテル「アンダーズ 名古屋」、中層部分にオフィス、25階~29階にホテル「アンダーズ 名古屋」が配置され、「北街区」の地下部分に駅、商業、駐車場等、低層部分に商業、駐車場等、中層~高層部分にオフィスが配置されます。また、名鉄名古屋駅の再整備では、4線化を含む機能強化を図り、空港アクセスホームの設置や新たな改札口設置による名駅南地区へのアクセス強化が行われます。
建築主は南街区が名古屋鉄道株式会社、北街区オフィスが名古屋鉄道株式会社、名鉄都市開発株式会社、日本生命保険相互会社、近畿日本鉄道株式会社、近鉄不動産株式会社、北街区商業が名古屋鉄道株式会社、北街区鉄道駅が名古屋鉄道株式会社、近畿日本鉄道株式会社、設計は株式会社日建設計、デザインアーキテクトは株式会社日建設計、SKIDMORE, OWINGS & MERRILL LLPです。
名鉄レジャックビルなどの建っていた南側街区の既存建築物解体着手が2023年6月1日、計画決定後は、既存建築物解体着手は2026年度、着工は2027年度、竣工は1期本工事が2033年度、2期本工事が2040年代前半となっていました。しかし施工予定者として参加していた事業者が人材不足等により入札を辞退したことにより、工事開始の目途が立たない状況となり、着工・竣工ともに未定となっています。
出典・引用元
・名古屋鉄道株式会社/名鉄都市開発株式会社/日本生命保険相互会社/近畿日本鉄道株式会社/近鉄不動産株式会社 名古屋駅地区再開発計画の事業化決定について
・名古屋鉄道株式会社 名古屋駅地区再開発計画のホテルブランドをハイアットの最高級ライフスタイルブランド「アンダーズ」に決定
・名古屋鉄道株式会社 名鉄名古屋駅再整備計画について
・名古屋鉄道株式会社 名古屋駅地区再開発計画概要について
過去の建設状況
→過去の建設状況
出典:名古屋鉄道株式会社
概要
| 名称 |
名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業 |
| 計画名 |
名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業 |
| 所在地 |
愛知県名古屋市中村区名駅一丁目2番他 |
| 用途 |
商業、オフィス、ホテル、鉄道駅、バスターミナル |
| 階数 |
南街区:地上29階、地下2階 北街区:地上31階、地下2階 |
| 高さ |
南街区:170m 北街区:172m |
| 構造 |
ー |
| 基礎工法 |
ー |
| 客室数 |
約150室 |
| 敷地面積 |
約32,700㎡ |
| 建築面積 |
ー |
| 延床面積 |
約520,000㎡ |
| 着工 |
既存建築物解体着手*名鉄レジャックビル:2023年6月1日 |
| 竣工 |
ー |
| 建築主 |
南街区:名古屋鉄道株式会社 北街区オフィス:名古屋鉄道株式会社、名鉄都市開発株式会社、日本生命保険相互会社、近畿日本鉄道株式会社、近鉄不動産株式会社 北街区商業:名古屋鉄道株式会社 北街区鉄道駅:名古屋鉄道株式会社、近畿日本鉄道株式会社 |
| 設計 |
株式会社日建設計 デザインアーキテクト:株式会社日建設計、SKIDMORE, OWINGS & MERRILL LLP |
| 施工 |
ー |
| 最寄駅 |
名鉄「名鉄名古屋」駅、近鉄「近鉄名古屋」駅、JR、名古屋市営地下鉄、あおなみ線「名古屋」駅 |
| 備考 |
▼施設構成 🔻南街区 地下部分:駅、駐車場等 低層部分:バスターミナル、商業、駐車場等 1階、11階~12階:ホテル「アンダーズ 名古屋」 中層部分:オフィス 25階~29階:ホテル「アンダーズ 名古屋」
🔻北街区 地下部分:駅、商業、駐車場等 低層部分:商業、駐車場等 中層~高層部分:オフィス
▼アンダーズ名古屋 客室:ー 付帯施設:レストラン、ルーフトップバー、ラウンジ、宴会場、会議室、フィットネス、屋内プール、スパ
▼既存施設営業終了時期 2026年2月28日:名鉄百貨店本店営業終了 2026年3月22日:名鉄グランドホテル営業終了 2026年3月中:名鉄バスセンター営業終了※名古屋駅周辺で代替機能を確保予定
▼当初計画(2017年3月時点) ・地上30階、高さ約160~180m程度、南北約400mの巨大な壁型超高層ビル(2022年度着工、2027年度竣工予定) ▼当初計画(2023年11月時点) ・高さ約180m、3棟構成、延床面積約500,000㎡ (2030年代前半竣工予定) |
位置図
区域図
出典:名古屋鉄道株式会社
断面図
出典:名古屋鉄道株式会社
イメージパース
出典:名古屋鉄道株式会社
▼当初計画(2025年3月時点)
出典:名古屋鉄道株式会社
▼当初計画(2017年3月時点)
出典:名古屋鉄道株式会社
▼当初計画(2023年11月時点)
2026年1月現地進捗状況
※解体完了まで解体などの大きな変化のある建物・区域のみ更新
再開発区域内には、以下の6棟の既存建築物が建ち並んでいます。
【南街区】
・地上8階、地下2階の「名鉄レジャックビル」※解体済み
・地上17階、地下1階、高さ75mの「日本生命笹島ビル」
・「名駅南地域エネルギーセンター(名鉄バスセンター出入口)」
【北街区】
・名鉄百貨店本店本館が入る地上10階、地下2階の「名鉄ビル」
・近鉄パッセが入る地上10階、地下1階の「名古屋近鉄ビル」
・名鉄百貨店本店メンズ館や名鉄グランドホテルが入る地上18階、地下1階、高さ64.1mの「名鉄バスターミナルビル」
・LABI名古屋が入る地上11階、地下1階の「大手町建物名古屋駅前ビル」
名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業は、リニア中央新幹線整備をはじめとする行政主導の都市インフラ事業と連携し、都市全体の機能向上を目指したものとなっています。中でも、中部国際空港へのアクセス強化を目的とした名鉄名古屋駅の4線化を含む大規模な駅拡張により、地域交通の中核拠点としての機能強化が期待されています。さらに、名駅周辺にとどまらず、名駅南、ささしまライブ、栄などの都心主要エリアと連動した面的な開発により、広域的なにぎわい創出と回遊性向上を図るものとされています。
再開発エリアでは「まちに開かれた空間づくり」を理念に、歩行者中心のウォーカブルな都市環境を整備。商業・業務・文化・交流機能を柔軟に組み込み、人の流れと活動を自然に生み出すまちづくりを進めます。名古屋駅を起点とした動線整備により、都心全体の活性化と新たなランドマーク形成を目指す計画です。
名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業の区域・建設地(左側)と名駅の超高層ビル群の様子です。
北西側から見た名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業の建設地の様子です。
出典:名古屋鉄道株式会社
出典:名古屋鉄道株式会社
名古屋駅前では「スーパーターミナル・ナゴヤ」の実現を掲げ、商業施設、体験型施設、Sクラスオフィス、ラグジュアリーホテルなどを集積。地下1階から地上2階の3層歩行者ネットワークや屋上広場、滞留空間により、歩きやすく回遊性の高い都市空間を形成します。さらに、次世代モビリティやバスターミナル機能の強化により、国内外をつなぐ次世代拠点へと進化します。
建築デザインは「歩いて楽しい名駅通」をテーマに、内外の賑わいが連続する空間を創出。名駅からささしまライブ方面へ続く新たなスカイラインを形成し、空中回廊やプロムナード、テラス空間を通じて、開放感と都市のにぎわいを高めます。
南街区
北東側から見た名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業 南街区の建設地の様子です。2026年1月時点では、レジャックビル跡地に整備された暫定的な広場空間「Meieki Parklet(名駅パークレット)」が2025年8月8日に開業しています。
解体前の地上8階、地下2階の「名鉄レジャックビル」の様子です。
ホテル「アンダーズ 名古屋」
アンダーズ 名古屋は、名古屋鉄道が進める名古屋駅地区再開発計画において、ハイアット ホテルズ コーポレーションの関連会社と運営委託契約を締結し、中部圏初となる最高級ライフスタイルブランド「アンダーズ」として開業するラグジュアリーホテルです。リニア中央新幹線開業と名古屋駅のスーパーターミナル化を契機に、名古屋駅前に唯一無二のランドマークを創出する構想の一環として誕生します。
南街区高層階に位置し、全室50㎡以上・約150室の客室に加え、レストラン、ルーフトップバー、宴会場、スパなど多彩な施設を備える延床約27,000㎡の都市型ホテルです。ホテルは1階、11~12階、25~29階に配置され、開業は2034年度を予定しています。
ハイアットは「その土地ならではの体験」を重視し、名古屋の地域文化を反映した滞在価値の提供を目指すものとしています。名古屋鉄道との初契約となる本計画は、国内外のゲストに向けた発信拠点として、名古屋の新たな魅力と価値創出に貢献することが期待されています。
南東側から見た名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業 南街区の建設地の様子です。
名古屋駅南エリアの再編が進む中、名鉄レジャック跡地で2025年8月8日にオープンした都市型広場「Meieki Parklet(メイエキ・パークレット)」です。名鉄都市開発株式会社が名古屋市住宅都市局と連携して整備する本施設は、将来予定されている「名古屋駅地区再開発計画」が本格化するまでの期間を活用した暫定利用施設でありながら、“歩く・集う・楽しむ”をテーマに、ウォーカブルな都市空間の実証拠点として位置付けられています。
1972年に開業し、約50年にわたり名古屋駅前のにぎわいを支えてきた名鉄レジャックは、2023年に閉館しました。その跡地を有効活用し、街の回遊性や滞留機能を高める目的で誕生したのがMeieki Parkletです。名駅南エリアに新たな滞在拠点を創出することで、再開発期における都市の魅力維持と将来のまちづくりへの橋渡しを担います。
施設は「パークレットスペース」と「イベントスペース」の2つのエリアで構成されています。パークレットスペースにはベンチやテーブルが設置され、最大3台のキッチンカーが出店可能な、気軽に立ち寄れる滞留空間となっています。通行する人々が休憩や軽食、待ち合わせなどに利用でき、街中に自然な交流と賑わいを生み出します。イベントスペースでは、飲食フェスや音楽ライブ、マルシェ、企業PRなど多様な催しに対応し、日常利用から集客イベントまで柔軟に活用できます。
環境配慮と快適性を両立している点も特徴です。日本初の太陽光蓄熱式自動開閉シェード「ヒートシールド」や遮熱舗装を導入し、暑熱環境の緩和を図っています。また、施設で使用する電力はすべて再生可能エネルギー由来のCO₂フリー電気で賄われ、脱炭素型都市空間のモデルケースとしての役割も担います。さらに、名古屋市と「ウォーカブルな活用に係る基本協定」を締結し、居心地の良さや人の回遊行動、イベント効果などを検証しながら、将来の都市再開発や公共空間整備に活かす方針です。Meieki Parkletは、再開発までの“空白期間”を価値ある時間へ転換し、名駅南エリアに新たな魅力と実験性をもたらす都市拠点として期待されています。
北西側から見た名鉄レジャックビルの様子です。
地上17階、地下1階、高さ75mの超高層ビル「日本生命笹島ビル」の様子です。再開発区域の南側は一旦ここで区切れ、更に南側の駿台予備学校名古屋校は再開発区域外になります。
そして更に南へ進むと名鉄バスセンター出入口がある「名駅南地域エネルギーセンター」が建っており、こちらは再開発区域に含まれます。
北街区
北東側から見た名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業 北街区の建設地の様子です。再開発区域の既存建築物のうち、最も北側に建つ名鉄百貨店本店本館が入る地上10階、地下2階の「名鉄ビル」の様子です。
「名古屋近鉄ビル」と「名鉄バスターミナルビル」の様子です。
近鉄パッセが入る地上10階、地下1階の「名古屋近鉄ビル」の様子です。
名鉄百貨店本店メンズ館や名鉄グランドホテルが入る地上18階、地下1階、高さ64.1mの「名鉄バスターミナルビル」の様子です。
名鉄バスターミナルビルは1967年10月竣工で、高さは64.1mあり、高さ60m超の超高層建築物です。
南西側から見た名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業の建設地の様子です。
1階の名駅通沿いには待ち合わせスポットにもなっている「ナナちゃん人形」があります。
ナナちゃん人形は、名古屋駅前・名鉄百貨店ヤング館前に立つ巨大マネキンで、待ち合わせ場所として市民や観光客に親しまれています。1973年に旧セブン館1周年を記念して設置され、身長約6.1メートルという圧倒的な存在感が特徴です。季節やイベントに応じて多彩な衣装に着替え、地域行事やスポーツ応援、社会啓発にも活躍してきました。2007年の再設置や2021年の修理などを経て、現在も名古屋のランドマークとして街のにぎわいを象徴しています。
現在の名鉄バスターミナルビルには、名鉄グランドホテルが入ります。
南東側から見た名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業の建設地の様子です。LABI名古屋が入る地上11階、地下1階の「大手町建物名古屋駅前ビル」の様子です。大手町建物名古屋駅前ビルに入る「ヤマダデンキ LABI名古屋」は、2026年2月1日に完全閉店します。
太閤通です。再開発区域はこの太閤通の南北に渡って広がり、太閤通直上にはバスターミナルや空中回廊が配置される計画となっています。
北西側から見た名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業 北街区の建設地の様子です。
名鉄名古屋駅 4線化・駅改良
名古屋鉄道は、「名古屋駅地区再開発計画」と連携し、名鉄名古屋駅の再整備を実施します。老朽化やホーム・コンコースの狭さ、段差の多さ、分散した改札口、わかりにくい運行体系など、多くの課題を抱える現駅を、リニア中央新幹線の開業を契機に抜本的に再整備するものです。
本計画では、名鉄名古屋駅を4線化し、鉄道ネットワークの機能強化と公共交通の利便性向上を図るとともに、中部国際空港へのアクセス機能の強化、地域交通拠点の形成といった社会的要請にも応えるものとしています。
「名鉄名古屋」駅は、名鉄名古屋本線の駅ですが、名古屋本線のほかにも犬山線や常滑線、空港線、河和線、津島線などに直通する一日800本以上の列車が停車する名鉄のターミナル駅となっています。3面2線、乗降客数22万5,163人/日の駅ですが、線路が上下1本ずつしかないため、再開発を機に上下2本ずつに倍増されます。
名鉄ビルの地下には「名鉄名古屋」駅があります。
名古屋近鉄ビルの地下には、近鉄名古屋線「近鉄名古屋」駅の近鉄正面口があります。
出典:名古屋鉄道株式会社
再整備は段階的に進められ、まず再開発ビルの地下空間に2線を新設(1期)、続いて現駅施設を撤去しさらに2線を追加(2期)することで4線化を実現します。案内設備や内装は最新技術を取り入れ、国際レベルの機能と先進的なデザインを備えたターミナル駅を目指します。事業費は約3,200億円で、2026年度に着工、2033年度に1期、2040年代前半に2期の本工事竣工が予定されています。
出典:名古屋鉄道株式会社
出典:名古屋鉄道株式会社
4線化・駅改良後の名鉄名古屋駅の配置イメージです。
周辺から見た様子
ミッドランドスクエア展望台から見た名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業の計画地の様子です。
Google Earth
最終更新日:2026年1月25日