阪急電鉄は「梅田ビジョン」の実現に向け、阪急の中心拠点である大阪梅田駅を大規模に刷新するリニューアル工事に着手します。2026年1月から始まる工事では、3階コンコース・ホームの大幅な改良や駅設備の再配置、全ホームへの可動式ホーム柵の導入、茶屋町口のバリアフリー化など、多角的なアップデートを実施します。また、同ビジョンの中核施策である「芝田1丁目計画」に直結する旧大阪新阪急ホテル建物の解体工事が、2025年12月中旬から本格化します。
大阪梅田駅の「将来のありたい姿」は、インクルーシブな空間の実現、周辺街区とのシームレスな移動環境の創出、阪急らしさの継承と進化という3つの柱で構成され、国際交流拠点としての梅田エリアの価値向上を駅自体が主導していく方針が示されました。梅田の進化は今まさに加速しており、阪急・JR・私鉄・地下鉄が集積する西日本最大の鉄道ターミナルとして、新たなフェーズへと歩み始めています。
→阪急電鉄株式会社 「梅田ビジョン」にもとづく「大阪梅田駅の将来のありたい姿」を策定「芝田1丁目計画」に向けて2026年1月よりリニューアル工事に着手
→阪急電鉄株式会社/阪急阪神不動産株式会社 2025年12月中旬から旧大阪新阪急ホテル建物の解体工事に着手します
梅田ビジョン/芝田1丁目計画の概要
1. 梅田ビジョンの概要
阪急大阪梅田駅のリニューアル工事と旧大阪新阪急ホテル解体工事が始動。
「梅田ビジョン」に基づく芝田1丁目計画による駅・周辺エリアの再開発。
2. インクルーシブでシームレスな駅空間の実現
駅と周辺まちをつなぐ回遊性の向上。
全ホームへの可動式ホーム柵設置やウォークスルー改札導入検討による利便性向上。
3. 阪急らしさの継承と進化
マルーンカラー電車や広々としたコンコースの維持。
光・緑・デジタル技術を活用した新たな体験の提供。
4. 駅設備とホーム改修
列車停止位置の移動によるコンコース空間の拡張。
茶屋町口改札口のバリアフリー化とホーム床面の改良。
5. 旧大阪新阪急ホテル解体
1964年開業の歴史あるホテルの安全な解体。
延床約4万4千㎡、2025年12月~2028年秋の施工計画。
6. 阪急ターミナルビル改修・超高層化
高さ約76mのビルを大幅に高層化、オフィス・商業施設増設。
駅周辺の都市機能強化と国際交流拠点としての価値向上。
7. 梅田ビジョンと地域活性化
世界と関西をつなぐ国際交流拠点形成。
歩いて楽しいまちづくりと持続可能な都市空間の実現。

阪急阪神ホールディングスグループが掲げる「梅田ビジョン」は、大阪梅田エリアの国際競争力を高め、「世界と関西をつなぐ国際交流拠点」として発展させることを目的とした都市戦略です。うめきた2期地区の開発や大阪梅田ツインタワーズなどの大型プロジェクトに加え、街全体を歩いて楽しめるウォーカブルな都市空間へとつくり替える取り組みが進んでいます。
その中でも特に重視されているのが「芝田1丁目計画」です。旧大阪新阪急ホテル跡地の再開発、阪急ターミナルビルの建替、阪急三番街の全面改修を包括する巨大プロジェクトで、阪急のターミナルと梅田の主要街区を一体的にリニューアルするものです。今回発表された大阪梅田駅の将来像とリニューアル工事は、この芝田1丁目計画の実現に不可欠な基盤整備として位置づけられ、駅そのものを都市の核として再生させる意図が明確に示されています。

阪急電鉄が描く「大阪梅田駅の将来像」は、三つの柱を軸に構成されています。まず、「すべてのお客様に居心地の良さを」という視点では、年齢や国籍、文化、心身特性の違いにかかわらず、誰もが安心して利用できるインクルーシブな空間の実現を目指しています。そのために、バリアフリー設備や多機能トイレ、カームダウンスペース、授乳室の充実、多言語対応などを進め、あらゆる利用者が快適に過ごせる駅づくりが進められます。
次に、「つながる駅、広がるまち」という方針では、駅と周辺エリアの動線を整理し、案内機能を強化することで直感的に移動できる環境を整えます。タッチ決済への対応や将来的なウォークスルー改札の導入も検討され、訪日客を含む多様な利用者が快適でシームレスに移動できる駅を目指します。
さらに、「ここにしかない風景、ここでしかできない体験」を重視し、阪急らしさを継承しつつ駅空間の魅力を進化させる取り組みも進められています。マルーンカラーの電車が並ぶホームや広々としたコンコースなどの伝統を残しながら、光や緑を取り入れた演出、デジタル技術による情報発信、イベントスペースの活用などで新たな体験価値を創出します。
これら三つの方針により、駅は単なる移動の場にとどまらず都市空間として再構築され、国際交流拠点としての梅田の魅力をさらに高めるものとなります。


大阪梅田駅のリニューアル工事は、2026年1月から段階的に行われ、3階コンコースやホームの大規模改良が中心です。神戸線は1月頃、宝塚線は春頃、京都線は秋頃に列車の停止位置を約14メートル十三側へ移動し、コンコースの広さと将来的な設備再配置の基盤を整えます。
駅設備も順次再整備され、改札機やごあんないカウンターの見直し、多機能トイレや授乳室、カームダウンスペースの新設など、快適性向上が図られます。さらに2031年頃からは全ホームに可動式ホーム柵を導入し、段差や隙間を減らして安全性を高めます。
これにより、梅田の玄関口である阪急ターミナルは、利便性だけでなく安心と快適性を重視した駅へと進化します。


茶屋町エリアは、商業施設や文化施設が集積し、国内外から多くの利用者が訪れる人気スポットです。その玄関となる茶屋町口改札では、2026年春頃からエレベーター新設工事が始まり、バリアフリー動線が強化されます。
この整備により、茶屋町エリアと大阪梅田駅を行き来するルートがよりスムーズになり、駅と街の一体性が強化されます。将来的には芝田1丁目計画の進展にあわせ、駅周辺の歩行者空間と連動したより高度な回遊環境が実現する見込みです。


1964年の開業以来60年にわたり梅田の顔として親しまれた旧大阪新阪急ホテルは、2025年1月に営業を終了しました。2025年12月中旬から2028年秋にかけて、延床面積約44,000㎡の建物の解体工事が進められます。
この跡地は芝田1丁目計画の主要な開発対象であり、駅ビル建替、商業・宿泊・業務の複合機能の整備を通じて、阪急ターミナルビルや阪急三番街と一体となった新しい都市拠点へ生まれ変わる可能性が高いエリアです。梅田の北側玄関口が大きく変わることは確実で、阪急大阪梅田駅と連動した一大再開発が本格フェーズに入ります。


大阪梅田駅は1910年に「梅田駅」として開業し、その後の都市発展と鉄道網拡充とともに何度も改良を重ねてきました。1966年からの移転拡張工事で現在の9線10面の巨大ターミナルが形成され、1973年以降は阪急電鉄の象徴的な駅として機能しています。
駅と街が一体的に成長してきた点も特徴的で、阪急百貨店、阪急三番街、BIG MANなどのランドマークは梅田の賑わいを支え続けてきました。今回のリニューアルは、100年以上にわたり進化してきた阪急ターミナルの歴史を次世代へつなぐ「新たな大改造」と位置づけられ、これまでの集客拠点が国際都市型ターミナルへと進化する大きな転換点となります。

梅田エリアは、2025年大阪・関西万博や2031年開業予定のなにわ筋線など、国際都市システムへの飛躍の好機を迎えています。うめきた2期地区として開発されたグラングリーン大阪では、スーパーシティ構想の実装や新産業創出をめざす先進的なまちづくりが進行中で、関空アクセスの強化、国際金融都市戦略といった各種政策も後押ししています。
阪急電鉄もなにわ筋連絡線や新大阪連絡線の検討を進めており、これが実現すれば梅田の鉄道アクセスは飛躍的に向上します。ウォーカブル梅田構想によって歩行者ネットワークの整備も進む中、駅の改良と周辺再開発が連動することで「歩いて楽しい国際交流拠点」が具現化されていきます。
阪急大阪梅田駅のリニューアルと芝田1丁目計画は、これらの動きを先導し、梅田をさらに魅力的で世界に開かれた都市へと導く基盤となるものです。2026年の工事開始を皮切りに、梅田の風景はこの先数年で大きな変化を迎えようとしています。
最終更新日:2025年11月26日

