西国分寺駅は昭和48年の開設以来、駅南口は整備が進み市街地として発展してきましたが、北口周辺は基盤整備が遅れたまま宅地化が進行し、整備構想が未実現の状態が続いていました。こうした状況を踏まえ、国分寺市は社会情勢の変化を反映した新たな土地利用計画と整備方針を示す「西国分寺駅北口周辺まちづくり計画」を策定。駅北口周辺約26haの地区をまちづくり推進地区に指定し、市民や関係団体、専門家が協議を重ねながら、暮らしやすく魅力ある住宅都市の実現を目指しています。今後は都市計画決定を経て具体的な事業化を進める予定です。
→国分寺市 西国分寺駅北口周辺整備
→国分寺市 西国分寺駅北口周辺まちづくり
西国分寺駅北口周辺整備の概要
- 計画の背景
昭和48年の西国分寺駅開設に伴い、昭和54年に駅北口・南口の整備基本構想の策定。南口は整備が進んだものの、北口は基盤整備が不十分なまま宅地化が進行し、計画実現の遅延。 - まちづくり推進地区の指定
駅北口周辺約26ヘクタールの「まちづくり推進地区」指定。市民・専門家・行政による協議会の設置と地区課題・将来像の検討。 - 地域の特徴と将来像
JR中央線と武蔵野線の交差点に位置し、交通利便性の高さ。閑静な住宅地と緑豊かな環境を活かした、「暮らしやすく魅力的な住宅都市」「人が中心の都市デザイン」「地域の誇りを育むまちづくり」の目標設定。 - 課題の整理
駅北口の駅前広場や商業施設の不足。歩行者・自転車の通行環境の課題。狭い道路幅による通過交通や安全面の問題。 - 検討のプロセス
市民・自治会・専門家による協議会・懇談会での意見共有と具体的まちづくり方針の議論。ワークショップの実施と意見交換の重ね。 - 基本方針とコンセプト
駅北口の魅力活用による商業・公共施設の充実。安全で快適な歩行空間の整備。緑と農の風景の保持と、多様な生活ニーズに対応するまちづくり。 - 今後の進め方
都市計画決定後の具体的整備事業および関連施策の順次実施。市民・関係団体・行政の連携による持続可能で魅力的なまちづくりの推進。

西国分寺駅開設後の昭和54年に駅周辺整備基本構想が策定されましたが、駅北口は基盤整備が不十分で宅地化が進み、構想は実現できませんでした。近年の社会情勢の変化を踏まえ、駅北口周辺の土地利用や都市基盤の見直しが急務となり、新たにまちづくり推進地区に指定されました。市は、駅北口周辺を「都市生活・文化交流の拠点」と位置づけ、個性ある4つのエリアの連携と調和を図りながら、魅力的なまちづくりを目指しています。

平成29年6月に「西国分寺駅北口周辺まちづくり協議会」が設立され、市民公募委員、自治会代表、専門家、行政職員など多様なメンバーが参加。地域住民の意見を取り入れるため、懇談会やワークショップも開催しながら、まちの魅力や課題を整理し、将来像や具体的な整備方針を議論してきました。協議会は透明性の高い検討体制で、計画策定に向けた合意形成を図っています。
駅北口周辺は交通利便性が高い一方で、幅員6m未満の狭あい道路が約8割を占めるなど道路環境の脆弱さが課題となっています。駅前広場や商業施設が不足し、日常生活を支える店舗や医療・文化施設の欠如も指摘されています。また、駅前の賑わい不足や安全な歩行者空間の確保も求められており、こうした課題を解消しながら地域の静かな住宅環境や豊かな緑地、農地を守ることも重要視されています。

駅北口周辺は静かな住宅街で、緑豊かな環境や農地が多く残る特徴的な地域です。子育て環境や保育施設の充実、高齢者支援のための医療体制、個人経営の魅力的な店舗も魅力として挙げられています。こうした地域資源を活かし、「暮らしやすく魅力的な住宅都市」や「味わいのある駅前界隈」を創出することが、まちづくりの重要な柱となっています。
今後は課題を踏まえ、アクセス道路などの基盤の整備のほか、土地区画整理事業や市街地再開発事業、一体的施行などの共同化による整備を行う計画を具体化していくものとされています。市民や関係団体、行政が連携し、駅北口の安全で利便性の高い交通環境の整備、商業・文化施設の充実、魅力的な街並みづくりを推進します。これにより、地域の誇りを育みつつ、駅北口周辺を「人が中心の都市デザイン」のモデル地区として発展させることを目指します。
最終更新日:2025年6月16日