東京・有楽町駅前で進められている「YURAKUCHO PARK(有楽町パーク)」の新築工事が、2026年9月1日に着工します。計画地は、2026年8月末までに地上部の解体工事が完了した「有楽町ビル」と「新有楽町ビル」の跡地で、敷地面積は合計約1万㎡に及びます。地上1階建ての木造(CLT造)・S造の建築物として整備され、飲食・物販店舗やイベントスペースなどを備える計画です。
「YURAKUCHO PARK」は、既存建物を解体した後、すぐに次の大規模建築物を建設するのではなく、将来のまちづくりへつなげる「暫定利用」の期間を活用して、有楽町に新たな都市空間を創出するプロジェクトです。「CHALLENGE」「CULTURE」「PARK」をコンセプトに、多様な人・文化・活動が交わる場を形成し、2027年の竣工・開業を予定しています。駅前の大規模なビルの跡地が、期間限定の実験的な場としてどのように生まれ変わるのか、着工前から注目が集まっています。
YURAKUCHO PARKの概要
1.有楽町駅前の約1万㎡を活用した新たな都市空間
「有楽町ビル」「新有楽町ビル」跡地約1万㎡に整備される「YURAKUCHO PARK」
地上1階・最高高さ約5mの木造(CLT造)・S造による飲食・物販店舗、イベントスペースなどの整備
2.2026年9月1日に新築工事が着工
2026年8月末までに完了した既存建物の地上部解体工事から新築工事への移行
2027年の「YURAKUCHO PARK」竣工・開業を予定する暫定利用プロジェクト
3.既存地下躯体を活用した人工地盤の構築
「有楽町ビル」「新有楽町ビル」の地下躯体を活用して構築する人工地盤
土砂の埋め戻しを不要とし、既存ストックの活用と資源削減を図る新たな施工手法
4.国産スギCLTによる11棟のアーチ門型架構
国産スギ材を用いたCLTを約480㎥使用し、柱や梁などの線的な構造材として活用
大手町・丸の内・有楽町エリアで初となる規模のCLT建築群の形成
5.移設を前提としたサーキュラー建築の実践
CLTの接合部を脱着可能とし、数年間の供用後に架構や一部植栽を移設できる仕様
暫定利用だからこそ「壊さず移す」ことを可能とする循環型の建築手法
6.全国12自治体の地域資源を活用した空間づくり
秋田スギや吉野杉、富士ヒノキ、天竜スギ、土佐ヒノキ、つくば市の芝などの地域資源の導入
日本各地の素材や文化を有楽町から発信し、都市と地方をつなぐ新たな交流の場
7.将来の有楽町まちづくりへつなぐ暫定利用
「CHALLENGE」「CULTURE」「PARK」をコンセプトに、多様な人・文化・活動が交わる都市空間の創出
将来の「有楽町ビル・新有楽町ビル建替計画」や「(仮称)有楽通り」など次のまちづくりへつなげる取り組み

計画地は、JR有楽町駅前に位置する「有楽町ビル」と「新有楽町ビル」の跡地です。2026年8月末時点で両ビルの地上部は解体済みとなっており、2026年9月1日から跡地を活用した「YURAKUCHO PARK」の新築工事がスタートします。長年にわたって有楽町の駅前を形づくってきた建物が姿を消し、新たな段階へ移行する節目となります。

「YURAKUCHO PARK」の敷地面積は、新有楽町ビル跡地が約7,233㎡、有楽町ビル跡地が約3,551㎡で、合計約1万㎡です。地上1階・最高高さ約5mの低層建築として整備され、飲食・物販店舗やイベントスペースなどが設けられる計画です。高層ビルが建ち並ぶ丸の内・有楽町エリアにおいて、広がりのある低層の駅前空間が生まれる点も特徴といえます。


本プロジェクトでは、既存建物の地下躯体を撤去せずに活用し、その上部に人工地盤を構築する計画です。有楽町ビル・新有楽町ビルの地上部を全面的に解体したうえで地下躯体を活用することで、土砂の埋め戻しを不要とし、工事に伴う資源の使用量や廃棄物の削減にもつなげます。既存ストックを生かしながら新しい空間をつくる、環境配慮型の整備方法です。
また、新有楽町ビルでは、東京メトロ有楽町駅D2出入口に接続する1スパンを地下2階から地上2階まで切り出す形で存置します。大規模オフィスビルの一部だけを独立させて残す「減築」により、地下鉄との接続機能を維持しながら、暫定利用期間中の来街者アクセスを確保します。建物全体を残すのではなく、必要な機能を選択して継承する点に、今回の計画の合理性が表れています。


建物には木造・CLT造を採用し、国産スギ材を用いたCLTを約480㎥使用する計画です。一般的に壁などの面的な構造材として使われるCLTを、柱や梁のような線的な構造材として活用し、11棟の「アーチ門型架構棟」を整備します。大手町・丸の内・有楽町エリアでは、この規模のCLT建築群は初めてとなり、都心の新しい木造建築のモデルケースとなる可能性があります。

さらに、CLTの接合部を脱着可能とする固定金具を開発し、数年間の供用後にはCLT架構や敷地内で育てた植栽の一部を移設できる仕様とします。「壊して廃棄する」のではなく、「移設して次の場所へつなぐ」サーキュラー建築を実践する点が大きな特徴です。暫定利用を前提としながらも、建物や素材を一時的な消費物として扱わず、次の場所や次のプロジェクトへ循環させる考え方が取り入れられています。


「YURAKUCHO PARK」では、全国12自治体との連携により、ベンチや植栽の一部などに各地域で育まれた素材・建材を取り入れます。東京・有楽町を訪れる人が、日本各地の素材の手触りや香り、経年変化まで体験できる空間を目指します。都心にいながら各地の自然や産業に触れられる場となることで、地域と都市を結ぶ新たな交流のきっかけも生まれそうです。

活用される地域資源は、秋田県大館市の秋田スギ、茨城県つくば市の芝、群馬県みなかみ町のカラマツ、神奈川県湯河原町のサクラ・ツツジ、静岡県富士市の富士ヒノキなどです。さらに奈良県の吉野杉、静岡県浜松市の天竜スギ、高知県の土佐ヒノキ、沖縄県石垣市の琉球松など、多様な地域資源が有楽町の都市空間に取り入れられます。建築や植栽を通じて各地域の個性を可視化し、訪れるたびに異なる発見がある場所を目指す計画です。

「YURAKUCHO PARK」は、単なる跡地活用ではなく、数年間の暫定利用を通じて、将来の有楽町のまちづくりにつなげていくプロジェクトです。三菱地所は、有楽町を「丸の内NEXTステージ」における重点開発エリアの一つに位置付けており、本プロジェクトで生まれる挑戦や価値創出を、将来の「有楽町ビル・新有楽町ビル建替計画」へと発展させる方針です。暫定期間中の利用者の反応やイベント、店舗運営などから得られる知見が、将来計画に生かされることも期待されます。

また、過去に公表されている有楽町の将来的なまちづくりの方針を示した「有楽町まちづくりビジョン ver 1.0」では、JR有楽町駅周辺を回遊の起点・情報のハブとなる象徴的な「駅前空間」と位置付けるとともに、丸の内仲通りと駅前空間を東西につなぐ「(仮称)有楽通り」などの歩行者ネットワークの形成が構想されています。今回の「YURAKUCHO PARK」も、こうした有楽町の将来的な都市空間づくりを考えるうえで重要な位置を占める計画といえます。駅前に人が滞在できる場所をつくることで、周辺エリアへの回遊や新たな活動の誘発にもつながりそうです。
さらに、「YURAKUCHO PARK」では、NOT A HOTELによる新プロジェクト「JAPA VALLEY TOKYO」も共同展開される予定で、2027年の「YURAKUCHO PARK」竣工・開業が見込まれています。2026年9月1日の着工を皮切りに、有楽町駅前の約1万㎡の跡地がどのような都市空間へと姿を変えていくのか、今後の工事進捗とともに注目されます。既存建物の記憶を引き継ぎながら、木造建築、地域資源、イベント、歩行者空間を組み合わせることで、有楽町の新しい過ごし方を提案する場所となりそうです。
出典:三菱地所株式会社 有楽町の未来を変える新たな都市空間を創出「YURAKUCHO PARK」新築工事着工
最終更新日:2026年8月30日