津島市は、名鉄津島駅周辺における再開発プロジェクトに取り組んでおり、駅東側地域では商業地の新設と容積率の大幅な引き上げを進めることで、高層ビルなどの建築を可能にしました。一方、駅西側では、大手書店のグループ企業を指定管理者として選定し、旧信用金庫跡の建物を改修しながら、新たにカフェや学習スペースなどを含む複合施設を設ける計画を進めています。
このような変革は、1965年の鉄道高架事業の完了以来であり、津島駅周辺の景観や利便性、さらに地域の経済活動にも大きな影響を及ぼすことが期待されています。津島市は都市計画法に基づく用途地域の見直しを行い、特に駅東側において「準工業地域」だった土地を商業地域に変更するなど、時代のニーズに合わせた新たな土地利用を推進しています。これにより、地域の活性化や生活環境の向上を目指す施策が本格化しています。
→津島市 津島駅東地区の用途地域等の見直しについて
→津島市 津島駅周辺まちづくり構想
計画の概要
- 基本コンセプト
津島市は、駅を中心とした都市の拠点形成と、それを周辺地域や観光地と結ぶネットワークの整備を推進している。 - 主な拠点
津島駅を中心に、津島神社、天王川公園、歴史的建造物群などの観光地や公共施設を結びつける都市構造を形成する。 - 交通ネットワークの整備
歩道の拡幅やアーケードの設置、自転車専用レーンの整備、バス路線の見直しにより、移動利便性を向上させる。 - 駅前広場の再編
来訪者が快適に利用できるよう、駅前広場を交通結節点として再編成し、シームレスな移動環境を提供する。 - 回遊性の向上
拠点間の効率的な連携により、市内全体の移動が円滑化し、市民や観光客の利便性を高める。 - 持続可能な交通の促進
車への依存を抑え、公共交通や徒歩、自転車を優先することで、環境負荷の軽減や地域住民の健康促進を図る。 - 都市計画の核となる取り組み
拠点とネットワークの強化は、津島市の成長と調和を支える重要な基盤として位置づけられている。

名鉄津島駅東側の再開発において、土地の用途地域が大幅に変更されました。これまでは多くが「準工業地域」として指定されていた駅東側エリアにおいて、津島市は商業地域を約2.8ヘクタール新たに設定し、さらに近隣商業地域を6.2ヘクタールに拡大しました。
この変更に伴い、容積率が「準工業地域」の200%から「商業地域」の400%および「近隣商業地域」の300%に引き上げられました。この容積率緩和により、より多くの商業施設や高層ビルの建築が可能となり、地域の活性化が期待されています。津島市は、この変革を通じて、新たな事業所の誘致や多くの人々が訪れるにぎわいのある街の創出を目指しています。

用途地域の変更に伴い、津島市は新たに防火地域および準防火地域を指定しました。この指定は、都市部での火災リスクを軽減し、建築物の安全性を向上させるための重要な措置です。特に商業地域や高層建築物が増加することを見据え、防火建築物や準耐火建築物の基準を強化することで、安全で安心な都市環境を整備します。
また、防火地域の指定により、延焼リスクが低減し、新たに建設される建物が地域全体の防災性能向上に寄与します。このように、用途地域の変更は単なる土地利用の変革にとどまらず、地域全体の安全性や環境向上にも大きく貢献する取り組みです。

津島市は、駅東側エリアの都市計画を見直し、時代に即した土地利用を目指しています。1960年代から1970年代にかけて、毛織物産業などの工場が集積する工業地帯として栄えたこの地域は、現在では中高層マンションや商業施設などが主流となり、住環境の変化が進んでいます。
都市計画法に基づき、津島市はこのエリアを「駅ちか居住」の促進地域と位置付け、商業、業務、医療などの都市機能を集約することで、利便性の高い生活環境の実現を目指しています。この計画は、津島駅を中心とした持続可能な都市づくりを目標に掲げており、高い人口密度を維持しつつ、多様なライフスタイルに対応した街づくりを進めています。

津島駅周辺まちづくり構想は、津島市の歴史的資源や文化的特性を活かしながら、地域全体の利便性と魅力を向上させることを目的に策定されました。この構想は、都市計画マスタープランや立地適正化計画に基づき、津島神社や天王川公園などの観光資源と駅周辺の都市空間を一体的に整備することを目指しています。
さらに、この地域に暮らす市民や地域の事業者と対話を重ねることで、多様なニーズを反映した持続可能な都市形成を進めています。この取り組みは、地域経済の活性化だけでなく、都市全体のシティプロモーションにも寄与するものであり、将来的な都市の中心拠点としての役割を担うことが期待されています。

津島市は、駅周辺の再開発に伴い「まちなかの骨格構造」を明確にし、都市内の拠点とネットワークの強化を図っています。この骨格構造の基本コンセプトは、駅を中心とした「都市の核」としての拠点を形成し、その拠点を周辺地域や観光地と効率的に結ぶネットワークを整備することです。津島駅周辺を中心に、津島神社や天王川公園、歴史的建造物群などの観光拠点と、公共施設、商業施設、住環境をスムーズに連携させる計画が進められています。
具体的には、歩行者の利便性を高めるための歩道の拡幅やアーケード設置、駅と主要拠点を結ぶバス路線の見直し、さらには自転車専用レーンの整備が含まれています。また、駅前広場を再編し、来訪者が快適に移動できるよう、シームレスな交通結節点としての機能を強化します。このネットワーク構築により、津島市内の移動が円滑化し、地域全体の回遊性が向上するとともに、市民や観光客がより便利に都市内を利用できる環境が整えられます。
さらに、この骨格構造の整備は、持続可能な都市交通(サステナブル・トランスポート)の実現をも視野に入れています。車への過度な依存を抑制し、公共交通や徒歩、自転車を中心とした移動手段の促進により、環境負荷の軽減や地域の健康促進にも寄与します。このように、拠点とネットワークの強化は、津島市の都市計画における核となる取り組みであり、都市全体の成長と調和を支える重要な基盤となります。
最終更新日:2025年1月14日