名古屋市立大学では、教育・研究環境をさらに充実させるため、キャンパス再編整備プロジェクトを推進しています。このプロジェクトは、田辺通キャンパスと滝子キャンパスを中心に、新たな建物の設計・建設、既存施設のリニューアルを進めるもので、多様な人々が集まり、学び・研究・交流の場となるキャンパスを目指しています。これにより、学問分野の壁を越えた協力や革新を促進し、地域社会や世界とのつながりを強化することを狙いとしています。
新たなキャンパスは、学生、研究者、地域住民など、あらゆる人々に開かれた空間となり、学術的な交流だけでなく、文化やアイデアの共有を通じて社会全体に貢献する場となることを目標としています。本プロジェクトでは、現代の教育や研究のニーズに応えると同時に、持続可能性や多様性を重視した設計が採用されています。
計画の概要
- キャンパス再編の目的
教育・研究環境の向上と、多様な人々が集う共創空間の実現を目指し、田辺通キャンパスと滝子キャンパスの再編整備を進行中。分野横断的な交流と地域・社会とのつながりを強化します。 - 田辺通キャンパスの新設施設
地上6階建て、延べ床面積約11,200㎡の新棟を建設し、薬学部に加えて理学研究科・総合生命理学部が移転。研究の拠点として、共用スペースや吹抜け設計で異分野融合を促進します。 - 食堂の拡張と憩いの場の提供
食堂を拡張し、学習や交流も可能な多目的スペースとして機能を充実。学生や研究者のリフレッシュとコミュニケーションを支援する施設に生まれ変わります。 - 滝子キャンパスの役割と新設施設
教養教育を担う全学共通キャンパスとして、地上5階建て、延べ床面積約22,000㎡の新棟を建設。経済学部やデータサイエンス学部の研究・教育環境を強化し、地域にも開かれた空間を提供します。 - 地域と自然との共生
八高古墳やソテツ広場など歴史的・自然的資源を保存し、新たなランドスケープを整備。地域住民や学生が自然を感じられる快適なキャンパス環境を創出します。 - 多文化共生と国際交流
すべての人々に配慮した設計を採用し、国際感覚豊かな人材育成を目指す場を提供。地域・社会・世界と繋がるキャンパスを実現します。 - 学術的融合と発展の促進
各学部間の融合を促進するラウンジや共用スペースを整備し、専門性を超えた協力や革新を生む場を提供。新たな発見・発展を促す設計が特徴です。

田辺通キャンパスは、現在設置されている薬学研究科や先端薬学・共同利用研究施設に加え、理学研究科と総合生命理学部が新たに移転し、自然科学分野の研究拠点として再編されます。地上6階建て、延べ床面積約11,200㎡の新棟が建設され、ここでは異分野融合型の研究が行える革新的な環境が提供されます。また、新棟の設計には、共創空間としての役割が強く意識されており、多様な人々が集まり、アイデアを共有し、新たな価値を生み出せる場所となることを目指しています。
この再編により、田辺通キャンパスは研究活動のみならず、学術的な交流のハブとしての機能も拡大される予定です。学生、研究者、教員が自然科学の分野を超えて協力し、新たな発見や発展を生み出す場となるでしょう。

新棟の低層階には、異分野融合を促進する共用施設や競争的研究スペースが配置され、上層階には理学研究科や総合生命理学部の研究施設が設置されます。さらに、各階には分野を横断する交流を生み出すための共用スペースが配置され、吹抜けや階段で上下階をつなぐことで、偶発的な交流や新たなアイデアの誕生を促進します。
これらの設計は、学生や研究者が分野の枠を超えてコミュニケーションを取ることを可能にし、異なる専門分野の視点を取り入れることで、より包括的で革新的な研究を生み出す環境を提供します。

また、田辺通キャンパスでは、学生や研究者がリラックスして交流できる場として、食堂の拡張も計画されています。この新しい食堂は、食事のためだけのスペースに留まらず、休憩や学習、さらには交流の場としても利用されることを想定しており、多目的な家具や設備が整えられる予定です。
これにより、食堂は単なる施設としての役割を超え、キャンパスライフ全体を豊かにする中心的な場となります。学生や教職員が食事を楽しみながらリフレッシュし、新たな交流を通じてアイデアを交換することができるよう設計されています。

さらに、キャンパス内の建物間のつながりを強化するため、「キャンパスモール」と呼ばれる通路が整備されます。この空間は、既存の薬学棟と新棟をつなぎ、学内での移動をスムーズにするだけでなく、学部間の交流を促進する役割も果たします。
キャンパスモールは、学術的なコミュニケーションだけでなく、学生生活の利便性を向上させる要素としても期待されています。このような設計により、田辺通キャンパスは、分野を超えた協力と交流が自然と生まれる環境を提供します。

滝子キャンパスは、全学部の新入生が履修する教養教育を担うキャンパスとして、多くの学生が利用します。このキャンパスでは、経済学研究科・経済学部やデータサイエンス学部の新しい施設が整備され、研究・教育の環境が大幅に強化される予定です。
新棟は地上5階建て、延べ床面積約22,000㎡で、低層部には地域に開かれた食堂や図書館、多目的スペース、大講義室などが配置されます。これらの施設は、学生や地域住民、さらには国際的なゲストをも迎え入れる場として、様々な活動を支えることを目的としています。上層部には専門性の高い研究施設が配置され、経済学やデータサイエンス分野での研究を支援すると同時に、学部間の融合を促進する場が整備されます。
滝子キャンパスの新棟は、地域社会や世界とのつながりを深めるだけでなく、歴史的・自然的資源の保存にも配慮しています。八高古墳やソテツ広場といった既存の景観を活かしながら、新しいキャンパスの顔となる緑豊かな環境を整備します。これにより、学生や訪問者が自然を感じながら快適に過ごせる空間が実現します。
新しい滝子キャンパスは、多文化共生を目指し、地域社会との協力や国際交流を推進する場として、全学の学びと成長を支える中核的なキャンパスとなるでしょう。学術的な活動に加え、地域住民との連携や交流を深める取り組みも活発化する見通しです。
最終更新日:2024年12月7日