堺市は、JR阪和線・津久野駅周辺を将来にわたって地域の拠点として維持・発展させていくため、駅周辺の一体的な再整備に向けた取組を本格化させます。津久野駅は、周辺住宅地や医療施設を支える重要な交通結節点である一方、駅前空間や都市機能の更新が十分に進んでいない状況にあります。
こうした課題を踏まえ、令和7年12月には、地域住民や事業者、行政が共通の将来像を描きながら都市機能更新を進めるための指針として「津久野駅周辺再整備基本構想」が策定されました。
令和8年度当初予算案では、この基本構想に基づき、老朽化が進む市街地住宅の建替えをはじめ、駅東西の往来環境の改善、駅前広場の再編・機能更新などを見据えた調査・検討業務が計画されています。安全性と快適性を備えた都市空間の形成をめざし、地域主体のまちづくりを支援しながら、津久野駅前にふさわしい都市機能の更新を段階的に進めていく方針です。
津久野駅周辺再整備の概要
1.津久野駅周辺再整備の目的
JR阪和線・津久野駅周辺を、将来にわたり地域の生活と交流を支える拠点として維持・発展させる取組。
安全性・快適性・利便性を備えた駅前空間の形成をめざす再整備方針。
2.再整備基本構想の策定
令和7年12月に策定された「津久野駅周辺再整備基本構想」。
地域住民・事業者・行政が将来像を共有するための指針となる計画。
3.老朽化市街地住宅への対応
築50年以上が経過した駅前市街地住宅3棟の老朽化問題。
建替えを契機とした駅前市街地の一体的な都市機能更新。
4.駅東西の往来環境改善
駅東西の分断解消と西側からのアクセス性向上。
自由通路整備や動線再編による安全で円滑な移動環境の確保。
5.駅前広場と滞在空間の再編
交通結節点としての機能強化と歩車分離の推進。
人が集い、滞在し、交流できる居心地の良い駅前空間の創出。
6.防災・減災を踏まえた市街地形成
内水浸水や洪水リスクを考慮した再整備の必要性。
耐震性向上と避難機能確保による安全・安心な都市構造。
7.令和8年度予算と今後の方向性
令和8年度当初予算案に計上された調査・検討業務費1,350万円。
合意形成を重ねながら段階的に再整備を進める今後の展開。

津久野駅周辺では、昭和30年代から実施された土地区画整理事業や市街地住宅の整備により、駅を中心とした市街地が形成され、長年にわたり地域住民の生活を支えてきました。駅周辺には商店や医療施設、公共施設などが集積し、日常生活に密着した拠点として機能しています。

一方で、駅前に立地する市街地住宅3棟は築50年以上が経過し、建物の老朽化や設備の陳腐化が顕在化しています。こうした状況を受け、堺市は令和4年8月、津久野駅周辺地区を「都市再開発の方針」における2号地区(特に一体的かつ総合的な再開発が必要な地区)として都市計画に位置付けました。
これにより、個別更新ではなく、駅前全体を見据えた計画的な再整備を進めるための制度的な基盤が整えられています。


津久野駅周辺では、駅東西を結ぶ動線が限られており、現在の半地下通路や高架下道路は幅員が狭く、歩行者・自転車・車両が混在することで安全性や快適性に課題を抱えています。


また、西側市街地から駅へのアクセス性が十分とはいえず、駅利用や人の流れが東側に偏っている点も長年の課題とされています。駅前空間についても、通過動線としての機能が中心で、滞在や交流を促す広場、緑地、ベンチなどが不足しています。さらに、地盤が低いエリアが多いことから、内水浸水や河川洪水への懸念があり、防災・減災の観点からも都市構造の見直しが求められています。


再整備の中核となるコンセプトは、「安全で居心地の良いサードプレイスの形成」です。津久野駅を、単なる通勤・通学のための通過点ではなく、地域住民や来訪者が気軽に立ち寄り、滞在し、交流できる「第3の居場所」として再定義する考え方が示されています。
交通の利便性や安全性の向上に加え、居心地の良さや滞在価値を重視した駅前空間づくりを通じて、日常的に人が集まり、地域ににぎわいが生まれる拠点形成をめざします。


駅東西の分断を解消し、誰もが安全・円滑に行き来できる環境を整えるため、JRと連携した自由通路の整備や、駅構内外の動線再編が検討されます。これにより、西側からの駅アクセス性向上と回遊性の確保を図ります。
駅前広場については、バスやタクシー、送迎車両の動線整理を行い、歩行者との交錯を抑制することで、安全性の高い交通結節点として再構築します。あわせて、歩行者が安心して滞在できるウォーカブルな空間づくりを進めます。


老朽化した市街地住宅の建替えを契機として、駅前にふさわしい都市型住宅の供給や、商業・生活利便施設の再編・導入が検討されます。
日常の買い物や飲食に対応する機能に加え、地域活動や交流を支えるスペースの整備も視野に入れ、幅広い世代が利用しやすい環境をめざします。特に、堺市立総合医療センターの来院者や付添者が利用しやすい施設配置や動線計画も重要な要素とされています。


再整備にあたっては、建物更新による耐震性・耐久性の向上を図るとともに、水害リスクを踏まえた市街地形成が進められます。
災害時の避難場所や一時滞在空間の確保に加え、平時から地域で支え合える共助の仕組みづくりを促進し、安心して暮らし続けられる駅周辺市街地の実現をめざします。


令和8年度当初予算案には、「津久野駅周辺再整備」に関する調査・検討業務として1,350万円が計上されています。今後は、これらの調査を通じて、駅前広場の再編内容や導入機能、段階的な整備手法などを具体化していく予定です。あわせて、地域住民や地権者、事業者との丁寧な合意形成を図りながら、実現性の高い再整備計画へと発展させていくものとされています。
津久野駅周辺が、地域と広域の双方に開かれた、持続可能で魅力ある都市拠点へと生まれ変わることが期待されています。
出典・引用元
・堺市 津久野駅周辺再整備について
・堺市 令和8年度当初予算案
最終更新日:2026年2月10日