京阪ホールディングス株式会社は、京都市東山区に位置する京阪電車・三条駅周辺で計画を進めている「三条駅周辺プロジェクト」について、2025年6月30日付で京都市に都市再生特別地区の都市計画提案書を提出いたしました。
本プロジェクトは、2024年12月に都市再生緊急整備地域に指定された三条駅周辺エリアを対象としており、観光・交流・都市機能の集積による地域活性化と都市再生を目的とした取り組みです。長期経営戦略「体験価値共創」に基づき、かつての駅跡地を活用しながら、地域の文化や自然との調和を重視した街づくりを推進することで、京都「東山の玄関口」にふさわしい新たなランドマークの創出を目指しています。
→京阪ホールディングス株式会社 三条駅周辺プロジェクト 都市計画提案書を提出~京都「東山の玄関口」に新たな観光・交流拠点を創出~
→京阪ホールディングス株式会社 三条駅周辺プロジェクトを本格的に開始 駅周辺のさらなる魅力向上へ
三条駅周辺プロジェクトの概要
- 計画主体と場所
京阪ホールディングスが京都市東山区・三条駅東側の自社敷地にて開発を実施。 - プロジェクトの目的
観光・交流・都市機能の集積による地域活性化と都市再生の推進。 - 施設構成と規模
ホテル、商業施設などを含む地上6階・地下2階建の複合施設(延床面積約27,000㎡)。 - 景観と都市機能の調和
鴨川や東山との調和を意識したデザイン。展望テラスや緑地などの魅力的空間の整備。 - 交通利便性の確保
三条駅中央改札と直結し、地下と地上をつなぐ立体的動線を整備。バリアフリー化にも対応。 - 歴史的背景の活用
旧京阪三条駅跡地を活用し、かつての交通拠点としての機能を再構築。 - 今後の展望と地域連携
都市計画提案制度の活用による官民連携モデル。地域文化の継承と観光振興への貢献。

本プロジェクトでは、京阪電車三条駅東側の自社所有地を活用し、ホテルや商業施設を中心とした和風デザインの複合ビル建設が計画されています。建物は地上6階・地下2階建て、高さ約25メートルで、2029年の完成を目指して順次開発が進められる予定です。
計画地の敷地面積は約6,400㎡、延床面積は約27,000㎡に及び、京阪ホールディングスが事業主体として事業を推進していきます。現在はコインパーキングとして利用されているこの土地は、かつて京阪本線および京津線の地上駅舎が存在していた場所であり、再び三条の玄関口としての役割を担う場へと生まれ変わることになります。
この再開発計画は、京都市が推進する都市再生特別地区制度の活用により、高さ制限や容積率の緩和といった柔軟な開発が可能となっており、公共性と経済性を両立させた先進的な都市開発となることが期待されています。

本プロジェクトは、5つの重点方針のもとに設計・計画が進められています。まず第一に、周辺の景観と調和した良好な都市景観の形成を重視しており、鴨川と東山に囲まれた歴史的景観に馴染む建築デザインを採用する方針です。建物の外観は、京都市美観風致審議会の意見も参考にしながら、伝統と現代性のバランスが取れたデザインとして検討が進められています。
第二に、国内外の観光客や地元市民の多様なニーズに応える都市機能の集積です。高品質なホテルと、日本文化を体感できる商業施設を整備し、地域全体に新たな活力をもたらすことを狙いとしています。
第三の特徴は、魅力的な空間の創出です。施設内外に設けられる展望テラスや緑豊かな駅前広場は、訪れる人々に憩いと感動を提供し、三条という地域の新たな顔として機能することが期待されています。
さらに、駅施設との接続性にも配慮した利便性の向上が図られています。京阪三条駅の中央改札と直結する計画で、地下と地上のスムーズな移動が可能な立体動線を整備するほか、バリアフリーの導線も確保される予定です。
最後に、プロジェクト全体を通じた持続可能なまちづくりの推進が掲げられており、防災機能の強化や地域資源を活かした開発が行われます。これにより、都市の魅力と安全性の両立が図られ、長期的に発展可能な街づくりが実現されます。

再開発の舞台となる三条駅周辺は、古くから京都の交通・文化の要衝として栄えてきました。とりわけ三条大橋は東海道の西の起点であり、歴史的にも大きな意味を持つ場所です。この地にはかつて京阪本線と京津線の駅舎があり、1980年代後半まで利用されていました。
その後、三条駅は地下化され、旧駅跡地は商業施設やコインパーキングとして使用されてきましたが、近年、地域の活性化や観光需要の高まりを受けて、改めてこの場所の再評価が進んでいます。
再開発エリアは、京都市営地下鉄東西線「三条京阪駅」とも接続しており、鉄道・バスの結節点としての機能を有しています。交通利便性が高く、鴨川沿いという風致地区にも指定されるエリアのため、景観保全や建築制限への配慮が求められます。そのため今回の計画では、低層の水平ラインを意識した外観や、植栽・緑化の工夫を通じて、地域との調和が図られています。

今回の「三条駅周辺プロジェクト」は、単なる不動産開発にとどまらず、京都という国際観光都市にふさわしい新たな都市の魅力を創出する取り組みです。
京阪ホールディングスは、長期的視点での沿線価値の向上を視野に入れ、地域との共生・共創を重視した開発を進めています。施設内には、観光客だけでなく地元住民も利用できるような共用空間や文化発信スペースを整備し、地域の文化・歴史の継承にも寄与していく方針です。
京都市との連携による都市計画提案制度の活用により、公と民が一体となったまちづくりのモデルケースとなることが期待されており、完成後は新たなランドマークとしての存在感を発揮することでしょう。
今後は、地域住民や専門家との対話を重ねながら、デザインや施設機能の具体化が進められる予定です。京都・東山の歴史的風土に根ざしたこのプロジェクトは、地域経済や観光の新たな活性化の起点となり、未来に向けた持続可能な都市開発の一環として、広く注目されています。
関連記事→京阪ホールディングスが三条駅前にホテルや商業施設から構成される複合ビル「(仮称)三条駅周辺プロジェクト」を公表!!
最終更新日:2025年7月2日