ソフトバンクは、シャープ堺工場の土地や建物などを約1,000億円で取得し、大規模AIデータセンターの構築に向けて2025年3月14日に売買契約を締結しました。取得対象は約45万平方メートルの土地と約84万平方メートルの建物で、2026年中の稼働開始を目指しています。受電容量は初期150メガワット規模で、将来的には250メガワット超への拡張を見込みます。また、2025年4月4日には、KDDIもAIデータセンターの構築に向けて、シャープ堺工場の土地や建物などを取得することについてシャープと売買契約を締結しています。
生成AIの開発をはじめとする多様なAI関連事業への活用を想定し、企業や大学、研究機関にも広く提供する方針です。また、環境配慮型のカーボンニュートラルなデータセンターとしての整備も進められます。ソフトバンクおよびKDDI双方ともにシャープと契約締結しており、今後は共同でAIデータセンターの構築・稼働に取り組むものと思われます。
→ソフトバンク株式会社 AIデータセンターの構築に向けて、シャープ堺工場の土地や建物の取得に関する契約を締結
→KDDI株式会社 AIデータセンターの構築に向けて、シャープ堺工場の土地や建物の取得に関する契約を締結
→ソフトバンク株式会社/シャープ株式会社 シャープ堺工場を活用した大規模なAIデータセンターの構築について
シャープ堺工場におけるAIデータセンター構築の概要
- 契約締結と取得内容
2025年3月14日、ソフトバンクはシャープ堺工場の土地・建物などを約1,000億円で取得する売買契約を締結。 - データセンターの規模と稼働時期
取得対象は約45万㎡の土地と延べ床面積約84万㎡の建物で、受電容量150メガワットのAIデータセンターを整備し、2026年中の稼働を目指す。 - 将来的な拡張計画
将来的には、受電容量を250メガワット超(別資料では最大400メガワット超)に拡大予定。 - 活用目的
生成AIの開発をはじめとするAI関連事業への活用に加え、企業・大学・研究機関など外部への提供も視野に入れる。 - 産業集積地構想
AIデータセンターを核に、一次産業を含む幅広い産業の高度化を図る産業集積地モデルを構築。 - 環境配慮とエネルギー対策
クリーンエネルギーや最新冷却技術の導入などにより、カーボンニュートラルな環境負荷の少ない施設を目指す。 - KDDIの連携と新サービス
KDDIもこの拠点を「大阪堺データセンター」として活用予定で、生成AIの高速開発環境やビジネスプラットフォーム「WAKONX」を通じた法人向けサービスを展開予定。

今回のプロジェクトでは、AIデータセンターを核とした「産業集積地構想」の実現も見据えています。ソフトバンクは、AIの高度な計算資源を活用することで、一次産業を含むさまざまな産業の高度化を推進し、地域経済の活性化を図るとともに、環境負荷の少ない社会インフラモデルの構築を目指しています。

堺市に整備されるこのデータセンターでは、NVIDIAの最新GPU基盤「GB200 NVL72」などの導入が予定されており、大規模な生成AIモデルを高速に開発可能な拠点となります。KDDIが提供するビジネスプラットフォーム「WAKONX」などとも連携し、法人向けサービスから特化型AIソリューション、開発者向けのプラットフォームまで、多様な利用ニーズに応える拠点としての役割も担います。
シャープ堺工場です。シャープ堺工場の敷地面積全体の約6割に当たる敷地面積約44万平方メートル、延べ床面積約75万平方メートルにAIデータセンターが設けられます。
最終更新日:2025年4月7日