西武鉄道が公表した「2026年度鉄道事業設備投資計画」において、2027年度以降に予定している事業として「西武新宿 新たな地下通路整備の計画」が改めて明記されました。この計画は、2021年度に都市計画決定された「新宿駅北東部地下通路線」を具体化するもので、西武新宿駅からつながる新宿サブナードと、新宿駅東口側のメトロプロムナードを結ぶ新たな地下通路を整備するものです。
西武鉄道は今後も関係機関との協議や具体的な検討を進め、早期実現を目指す方針としています。実現すれば、西武新宿駅とJR新宿駅・東京メトロ丸ノ内線新宿駅との乗換利便性が大幅に向上するとともに、新宿駅周辺の地下歩行者ネットワークが強化され、まちとまち、駅とまちをつなぐ回遊性向上が期待されます。
新宿駅北東部地下通路線の概要
1.2026年度設備投資計画で事業継続を明記
西武鉄道が公表した2026年度鉄道事業設備投資計画において、2027年度以降の事業として「西武新宿 新たな地下通路整備の計画」を記載。
具体的な検討や関係機関との協議を継続し、早期実現を目指す方針。
2.新宿駅北東部地下通路線の整備計画
2021年度に都市計画決定された「新宿駅北東部地下通路線」を基盤とする地下通路整備計画。
新宿三丁目と歌舞伎町一丁目を結ぶ新たな都市基盤施設の整備。
3.新宿サブナードとメトロプロムナードの接続
西武新宿駅側の新宿サブナードと新宿駅東口側のメトロプロムナードを地下で直結する計画。
駅とまち、まちとまちを連続的につなぐ歩行者ネットワークの形成。
4.乗換利便性の大幅な向上
西武新宿駅とJR新宿駅・東京メトロ丸ノ内線新宿駅とのアクセス改善を目的とした整備。
地下移動時間の短縮による利用者利便性向上と快適な移動環境の実現。
5.バリアフリー動線と歩行環境の強化
エレベーターやエスカレーターなどの縦動線を整備し、段差のない移動環境を構築。
多言語対応やユニバーサルデザインを取り入れた人に優しい公共空間の創出。
6.新宿グランドターミナル構想との連携
東京都と新宿区が推進する新宿グランドターミナル一体再編の主要プロジェクトの一つ。
ターミナル軸の形成と駅周辺の一体化を担う重要な都市再編施策。
7.拡大する新宿エリアの地下通路網
新宿歩行者専用道第2号線・第3号線などの計画と連携する地下歩行者ネットワークの拡充。
新宿駅周辺全体の回遊性向上や歩行者流動の分散化につながる都市基盤整備。

西武鉄道は2026年度鉄道事業設備投資計画において、安全性向上やサービス向上、環境対策などを目的に過去最大となる総額462億円を投資する方針を発表しました。ホームドア整備の推進や新宿線新型車両「トキイロ」の導入、山口線新型車両「L00系(れおけい)」第2編成の導入などが盛り込まれるなか、2027年度以降に予定している事業として「西武新宿 新たな地下通路整備の計画」が記載されています。
西武鉄道によると、この地下通路は2021年度に都市計画決定された新宿駅北東部地下通路線に基づくものであり、今後も具体的な検討や関係者との協議を継続して進めるとしています。昨年度の設備投資計画でも同様の方針が示されていましたが、今回の計画でも継続事業として位置付けられたことで、西武新宿駅と新宿駅を結ぶ地下通路整備への取り組みが引き続き進められることが明らかとなりました。

計画されている新宿駅北東部地下通路線は、新宿三丁目と歌舞伎町一丁目を結ぶ地下通路で、新宿サブナードとメトロプロムナードを直接接続するものです。都市計画では延長約280メートル、幅員6~18メートルの通路として位置付けられており、そのうち新宿サブナードとメトロプロムナードを結ぶ新設区間は約140メートルとなります。
この計画は、かつて西武新宿線複々線化計画(地下急行線)の改札外コンコースとして整備が予定されていた区間を転用する形で実現を目指すものです。都市計画変更により従来の「新宿歩行者専用道第4号線」を廃止し、新たに「新宿駅北東部地下通路線」として位置付けることで、単なる歩行者専用道路ではなく、駅とまちを結ぶ重要な都市施設として整備が進められることになります。


現在、西武新宿駅とJR新宿駅・東京メトロ丸ノ内線新宿駅との間は地下歩行者ネットワークが完全には連続しておらず、利用者はサブナードや地上部を経由しながら移動する必要があります。このため、乗換には比較的長い時間を要し、初めて利用する人にとっては分かりづらい動線となっています。
新たな地下通路が完成すれば、西武新宿駅から丸ノ内線新宿駅までの地下移動時間は従来の約11分から約5分へ短縮される見込みです。また、JR新宿駅方面へのアクセス性も向上し、西武新宿線沿線から新宿駅を利用する人々の利便性向上につながります。
さらに、地下通路内にはメトロプロムナード側でエレベーターや階段、エスカレーターなどの縦動線整備が計画されており、新宿サブナードとメトロプロムナードをバリアフリーで結ぶルートが形成される予定です。歩行者流動の分散化や混雑緩和、防災面での機能強化など、多面的な効果も期待されています。

新宿駅北東部地下通路線は、東京都と新宿区が推進する「新宿グランドターミナル」の実現に向けた重要なプロジェクトの一つです。同構想では、巨大ターミナルである新宿駅周辺を一体的に再編し、駅・まち・広場を有機的につなぐ歩行者中心の都市空間の形成が目指されています。

現在、新宿駅周辺では東京都による「新宿歩行者専用道第2号線(タイムズ・アベニュー)」の延伸計画や、新宿大ガード地下を経由して新宿サブナードへ接続する「新宿歩行者専用道第3号線」の整備構想も進められています。これらが実現すれば、西新宿エリアから新宿駅西口、新宿サブナード、そして今回の新宿駅北東部地下通路線を通じて東口側のメトロプロムナードまで、広範囲にわたる地下歩行者ネットワークが形成されることになります。
新宿は世界有数の利用者数を誇る巨大ターミナルでありながら、地下歩行者空間には未接続区間が残されています。西武鉄道による新宿駅北東部地下通路線は、その空白を埋める重要なピースとして位置付けられており、今後の詳細設計や事業化の進展に大きな注目が集まりそうです。
出典:西武鉄道株式会社 2026年度 鉄道事業設備投資計画 安全性の向上、サービスの向上、環境対策などに、過去最大の総額462億円
最終更新日:2026年5月23日