ヒューリック株式会社と日本航空株式会社(JAL)は、千葉県成田市下福田地区において、日本国内では初めてとなる航空上屋施設(保税蔵置場)と物流施設が一体化した大規模国際物流拠点「WING NRT(Worldwide-cargo Innovation Gate Narita)」の開発および共同運営に合意しました。本プロジェクトは、成田空港の第3滑走路の整備にあわせて、2029年の開業を目指して計画が進められています。
WING NRTは、空港内外の施設とのシームレスな連携を可能にし、増加が見込まれる国際航空貨物需要に対応することで、成田空港の機能補完を図るとともに、同空港が東アジア地域における航空貨物のハブとしての地位を再確立するための中核的な拠点となることを目指しています。さらに、地域経済の活性化や新たな雇用の創出、サプライチェーン強化を通じた経済安全保障への寄与など、幅広い社会的意義を備えたプロジェクトでもあります。
→ヒューリック株式会社/日本航空株式会社 成⽥市下福⽥地区における国際物流拠点「WING NRT」の開発‧運営について
WING NRTの概要
1. 計画の全体像
「WING NRT」はヒューリックとJALが共同で推進する、航空上屋と物流施設を一体化した国内初の国際物流拠点。2029年の開業を目指し、成田市下福田地区での開発が進められている。
2. 成田空港との連携と機能補完
新設される第3滑走路と連動し、国際貨物需要の増加に対応。空港内施設と一体運用することで、物流処理能力と柔軟性を向上させる。
3. 国際競争力の強化とハブ機能の確立
物流の集約と効率化により、成田空港の東アジアにおける航空貨物のハブ空港化を推進。日本の物流競争力を世界水準へと押し上げる。
4. 最先端物流サービスの提供
医薬品・半導体・リチウム電池・農水産品など多様な貨物に対応。JALが定温庫や冷凍設備を導入し、高度な物流機能を実現する。
5. 地域経済への波及効果
千葉県初の重点促進区域として税制優遇を受け、多様な企業誘致が進行。雇用創出を通じて成田市と周辺地域の活性化に貢献する。
6. サプライチェーン強靱化への寄与
輸出入の集積拠点として、経済安全保障や供給網の国内回帰にも対応。戦略物資の安定的な流通を支える基盤施設となる。
7. 優れた立地と今後のスケジュール
東関東道「成田IC」に近接し、北千葉道路延伸により空港との接続性が強化。約45万㎡の敷地で、2027年着工・2029年開業予定。

成田空港周辺では現在、国土交通省や千葉県、成田市などの空港圏自治体、そして成田国際空港株式会社(NAA)が連携して、「エアポートシティ構想」の実現に向けたさまざまな取り組みを進めております。その柱のひとつが、第3滑走路の新設を含む空港機能の抜本的な強化です。
このような背景には、近年の日本の経済的地位の低下という課題があります。海運分野では、我が国の主要港湾が中国や韓国の港に比べて競争力を失いつつあり、航空貨物においても、首都圏空港の発着容量の限界や施設の老朽化・狭隘化といった問題が深刻化しています。
そうした中で、WING NRTの開発は、従来型の施設運用の限界を超え、貨物処理能力の大幅な向上と柔軟な物流対応を可能にする先進的なモデルとして位置づけられています。新たな物流ネットワークを支える要として、成田空港の国際競争力を強化し、日本の国際物流の地位回復に貢献することを目的としています。

WING NRTは、航空上屋施設と物流施設を一体化させた国内初の物流拠点であり、他にはない高機能かつ効率的な運用が可能となる点が大きな特徴です。上屋施設は保税蔵置場として機能し、保税状態のまま空港と街区間で貨物の一括輸送を行うことができます。
施設全体の建物面積は約42万㎡(約13万坪)に達し、そのうち上屋施設が約15万㎡(約4.5万坪)を占めます。JALはこの施設内において、医薬品専用の定温庫や高機能冷蔵・冷凍庫を備えるほか、AIや自動搬送機など最先端のテクノロジーを導入し、多様化・高度化する物流ニーズに柔軟に対応できる体制を整えます。
取り扱い分野は半導体や精密機器、リチウム電池、越境EC、医薬品に加え、政府が輸出拡大を推進する農林水産品など幅広く、まさに我が国の戦略物資の物流中枢拠点としての役割を担うことになります。このような体制により、顧客には高付加価値かつ信頼性の高いサービスを提供し、国内外との物流連携を強化してまいります。
WING NRTは、千葉県内で初めて「地域未来投資促進法」に基づく重点促進区域として承認されており、参画企業に対しては税制優遇や設備投資に関する支援など、さまざまなメリットが提供される予定です。本街区はまた、千葉県、成田市、NAA、国土交通省によって構成される四社協議会が推進する「エアポートシティ構想」の中核を担う存在として位置づけられており、物流関連企業の集積によって雇用機会を増やし、地域の産業基盤の強化に貢献します。
さらに、WING NRTは経済安全保障の観点からも重要な意義を持ちます。サプライチェーンの分断リスクが顕在化する中で、本施設は輸出入の制約を緩和し、重要物資の安定供給を可能にする「国内回帰型物流拠点」として、我が国の持続可能な経済成長を支えるインフラとなることが期待されています。地域発の国家的課題解決モデルとしても、非常に高い評価を受けています。

WING NRTの開発地となる成田市下福田地区は、交通アクセスにおいて極めて優れた立地条件を備えています。東関東自動車道「成田IC」に近接しており、圏央道や北関東への接続もスムーズです。さらに、2028年度末には北千葉道路の延伸が予定されており、成田市街地を経由せずに成田空港や主要高速道路へアクセスできるようになります。
これにより、空港と街区間をわずか約10分で移動でき、保税状態のまま一括輸送を行うという、物流業界にとって画期的な運用が実現される見通しです。
すでにヒューリックは、約45万㎡(約13.6万坪)におよぶ広大な用地を取得済みで、現在は造成工事を進めています。2027年には建築工事に着手し、2029年の開業を目指して本格的な開発が進行中です。
ヒューリックとJALは、開業後の施設運営や企業誘致にも共同で取り組み、成田空港と本街区を高頻度で結ぶ輸送サービスの構築や、施設内の貨物処理サービスの強化など、WING NRTのビジョンを具体化するための運営体制を整えるものとされています。
最終更新日:2025年7月18日

