石川県金沢市の都心軸に位置する武蔵ヶ辻地区で、金沢丸越百貨店が運営する「金沢スカイビル」の再開発構想が公表されました。金沢エムザを核店舗とし、高層部にはANAホリデイ・イン金沢スカイが入る同ビルは1973年に完成し、開業から既に50年以上が経過しています。
老朽化に対応するため、隣接するホテル棟を含む約1万9,000㎡の区域を一体的に再整備し、商業・住宅・ホテルの3機能を備えた複合施設へ建て替える計画です。2025年6月には武蔵ヶ辻を含む「金沢駅東地域」が都市再生緊急整備地域に指定されており、金沢の都心再生を象徴する大型プロジェクトとして注目を集めています。
金沢スカイビル再開発構想の概要
1.金沢スカイビル再開発構想の公表
武蔵ヶ辻の金沢スカイビル一帯で、商業・住宅・ホテル機能を備えた複合施設への建て替え構想の公表。
金沢都心の新たなランドマーク形成を目指す大規模再開発計画。
2.地権者による早期事業化への要望
地権者や関係者が金沢市長とともに石川県知事を訪問し、事業推進への支援を要請。
官民連携による都心再生の本格始動。
3.約1万9,000㎡の一体再整備計画
金沢スカイビルと隣接するホテル棟を含む広大な敷地の一体的な再整備構想。
武蔵ヶ辻地区の都市機能を刷新する面的開発。
4.金沢スカイビルとANAホリデイ・イン金沢スカイ
1973年竣工の地上18階建て複合ビルと、上層階に入る国際ブランドホテル。
築50年以上を経たランドマークの更新時期。
5.金沢エムザの歴史と地域拠点機能
丸越を前身とし、1973年の移転以来武蔵ヶ辻の核店舗として営業する百貨店。
近江町市場とともに地域のにぎわいを支える商業中核。
6.都市再生緊急整備地域指定の追い風
金沢駅東地域の指定により、規制緩和や税制優遇などの支援制度を活用可能。
都心軸の再開発を後押しする国家的支援。
7.武蔵ヶ辻の新たな都市拠点への期待
商業、観光、居住の機能を集積し、多世代が集う複合拠点への再生。
伝統と現代都市機能が融合する金沢都心の未来像。

武蔵ヶ辻交差点に面する金沢スカイビル一帯の再開発が、本格的に動き出しました。2026年5月19日、地権者や関係者が金沢市長とともに石川県知事を訪問し、早期の建て替えに向けた支援を要請したとのことです。
構想では、金沢スカイビルと隣接するホテル棟を含む約1万9,000㎡を一体的に再整備し、低層部に商業施設、中層〜高層部に住宅とホテルを配置する複合施設へ建て替える方針です。百貨店、ホテル、住宅を組み合わせることで、昼夜を通じてにぎわいを生み出し、都心居住や観光需要にも対応する計画となっています。
武蔵ヶ辻は、近江町市場や尾山神社、香林坊と金沢駅を結ぶ中心的な結節点です。再開発によって都市機能の高度化が進み、金沢都ホテル跡地や日銀金沢支店跡地などと並ぶ都心再生の重要な拠点となることが期待されています。

金沢スカイビルは1973年10月1日に竣工した地上18階、地下2階、高さ69.0mの大型複合ビルで、延床面積は約62,185㎡。完成当時は日本海側で最も高い建築物であり、金沢の近代化を象徴するランドマークでした。設計は釣谷建築事務所、施工は竹中工務店が担当し、第6回中部建築賞も受賞しています。
高層部にはANAホリデイ・イン金沢スカイが入居しています。ホテルは10階から18階に位置し、101室の客室とレストラン、宴会場を備え、長年にわたり国内外の観光客やビジネス客を迎えてきました。2014年にIHGの「ホリデイ・イン」ブランドへ転換し、国際的な知名度を高めています。
しかし、建設から半世紀以上が経過し、耐震性能や設備の更新が課題となっていました。今回の再開発は、こうした課題を解消するとともに、新たな都市機能を導入する絶好の機会と位置づけられています。

金沢エムザは、武蔵ヶ辻地区を代表する百貨店です。前身は戦前から続く「丸越」で、1973年の金沢スカイビル開業とともに現在地へ移転し、「金沢名鉄丸越百貨店」として新たなスタートを切りました。
2002年の大規模改装時に「めいてつ・エムザ」へ名称変更し、2021年には名鉄グループから独立して現在の「金沢エムザ」となりました。現在は地下の食品館から上層階のファッション、生活用品、催事場まで幅広い売場を展開し、向かいにある近江町市場とともに武蔵ヶ辻のにぎわいを支える中心施設となっています。
2014年には土産物専門店街「黒門小路」を開設し、北陸新幹線開業後に増加した観光客にも対応しました。地元住民の日常利用と観光需要の双方を取り込む、金沢ならではの百貨店として高い存在感を保っています。

2025年6月、武蔵ヶ辻を含む「金沢駅東地域」が都市再生緊急整備地域に指定されました。これにより、建築規制の緩和や税制支援などの制度を活用できるようになり、大規模再開発を後押しする環境が整いました。
対象区域は約59haに及び、金沢駅から武蔵ヶ辻、南町、香林坊、片町へと連なる都心軸全体の再生が進められます。伝統的な街並みとの調和を図りながら、観光、商業、居住、業務の各機能を高度に集積させることで、国際観光都市としての競争力を高める狙いです。
金沢スカイビルの再開発は、こうした都市政策の中核を担うプロジェクトです。1970年代の金沢の高度成長を象徴したランドマークが、次世代の都心居住・観光・商業の拠点として生まれ変わることで、武蔵ヶ辻は再び金沢の「もうひとつの顔」として大きな注目を集めることになりそうです。
最終更新日:2026年5月20日