名駅東花車・船入地区まちづくりの会は、2026年5月に「名駅五丁目みらい構想 Ver.2」を公表しました。本構想は、名古屋駅徒歩圏に位置する名駅五丁目地区を対象に、防災性の向上と都市機能の高度化を両立させる将来ビジョンを示したものです。老朽化した建築物や狭隘道路が残る市街地を再編し、超高層タワーマンションやオフィス、商業施設、公共施設を一体的に整備することで、「住んでよし、働いてよし、楽しんでよし」の都心居住エリアの実現を目指したものとなります。
公開されたVer.2のイメージ図では、地上37階建ての超高層オフィス・ホテル棟1棟と、地上47階建て程度のツインタワーマンションが配置され、低層部には緑豊かな商業施設や広場が整備される計画が描かれています。また、防災広場や歩行者ネットワーク、文化施設などを組み合わせることで、防災・賑わい・居住環境を兼ね備えた新たな都心空間の創出を目指したものとなっています。なお、本構想は地区計画などによる実現を目指す将来構想であり、現時点ではイメージ案であって決定事項ではないとのことです。
名駅五丁目みらい構想 Ver.2の概要
1.防災と発展を目指す将来構想
老朽建築物や狭隘道路を改善し、防災性と都市機能を両立する名駅五丁目地区の将来ビジョン。
「住んでよし、働いてよし、楽しんでよし」を目指す都心型まちづくりの推進。
2.超高層3棟を中心とした複合開発
地上40階建て規模のオフィス・ホテル棟1棟とツインタワーマンション2棟を配置する開発構想。
低層部には商業施設や緑豊かな広場を整備する複合市街地の形成。
3.防災機能を備えた道路・広場整備
新たな道路や歩行者通路、防災広場を整備し、避難機能や消防活動を強化する計画。
平常時の交流拠点と災害時の防災拠点を兼ね備えた公共空間の創出。
4.歴史・文化を活かした賑わい創出
見せる山車蔵や社寺との連携、路面店舗や小劇場などを導入する地域活性化計画。
四間道や堀川との回遊性を高めるウォーカブルな都市空間の形成。
5.多様な都市機能を集約した街づくり
住宅、オフィス、商業、医療、福祉、保育、SOHOなどを導入する複合都市機能の整備。
多世代が安心して暮らし働ける都心居住エリアの創出。
6.柳橋新駅構想との近接立地
計画地南西側には、かつて地下鉄東山線「柳橋新駅」が検討されていた立地条件。
SRTなど新たな公共交通との連携も視野に入れた交通利便性向上への期待。
7.地区計画の実現に向けた合意形成
地権者や地域住民との対話を重ね、地区計画や再開発手法の導入を目指す取り組み。
名古屋駅徒歩圏における大規模市街地再編プロジェクトとしての将来展望。

花車ビル北館、中館、南館などのほか、多数の中低層建築物が建ち並ぶ「名駅五丁目地区」では、狭隘道路や老朽化した建物が多く残り、大規模地震や火災発生時の延焼リスクや避難経路の不足が課題となっています。Ver.2では、土地の共同化や建物の高層化によって防災性を向上させるとともに、新たな道路や歩行者通路、防災広場を整備することで、避難機能や消防活動を強化する計画として公表されました。


過去に公表されていた構想を含め、配置される道路は日常の交通円滑化だけでなく、災害時には避難路としても機能することが想定されて計画されています。道路や敷地境界についても延焼防止や緊急車両の進入を考慮した設計が盛り込まれている点が特徴です。緑地や広場は平常時には地域住民の交流・憩いの場として活用しながら、災害時には一時避難場所や防災拠点として利用できる、防災と都市機能を両立した街づくりが目指されています。

今回公開されたVer.2の完成イメージでは、地区中央部に地上37階建ての超高層オフィス・ホテル棟、その両側に地上47階建てのツインタワーマンションを配置する大胆な都市再開発のデザインが描かれています。低層部には緑化された商業施設や広場を整備し、建物と公共空間が一体となった開放的な街並みを形成する計画です。
さらに、歩行者専用通路や広場を各街区と接続することで回遊性を高め、名古屋駅方面や四間道、堀川方面へ歩いて移動しやすいウォーカブルな都市空間を目指しています。超高層住宅、ホテル、オフィス、商業施設を集約した複合開発により、昼夜を問わず人が集まり、都心居住と都市活動が共存する新たなランドマーク形成への期待が高まります。


構想では、単なる再開発ではなく、地域の歴史や文化を活かした街づくりも大きなテーマとなっています。商業施設に加え、医療施設や高齢者福祉施設、保育施設、SOHO、路面店舗、小劇場など、多世代が利用できる多様な都市機能の導入を想定しています。
また、地域の伝統文化を継承する「見せる山車蔵」の整備や、社寺との連携による地域イベントの開催、四間道や堀川との回遊性向上なども計画されています。広場や緑地を中心に地域コミュニティを育みながら、歴史的景観と最先端の都市機能が共存する街を形成し、居住者だけでなく来街者にも魅力あるエリアを目指しているものとされています。


計画地の南西側に隣接する錦通地下では、かつて名古屋市営地下鉄東山線の「柳橋新駅」構想が長年検討されていました。新駅は名古屋駅と伏見駅の中間地点に位置し、柳橋市場や周辺地区へのアクセス向上、リニア中央新幹線開業を見据えた都市機能強化の一環として期待されていました。
しかし、建設資材や人件費の高騰によって事業費が大幅に増加し、採算性の確保が困難となったことから、2024年度末をもって調査が終了しています。一方で、名駅五丁目みらい構想では地下鉄桜通線の国際センター駅やSRTとの接続、地下通路や公共交通との連携を視野に入れた都市形成が掲げられており、柳橋エリアとの一体的なまちづくりや、将来的な交通ネットワークの充実にも期待が寄せられる内容となっています。

名駅五丁目みらい構想 Ver.2は、単なる完成予想図ではなく、地区計画や再開発手法を活用した街づくりを進めるための基礎資料として位置付けられています。名駅東花車・船入地区まちづくりの会では、専門家と連携しながら構想をブラッシュアップするとともに、地権者や地域住民を対象とした説明会や意向確認アンケート、模型展示などを実施し、合意形成を進めています。
今後は地域全体で街づくりの方向性を共有しながら、行政支援や地区計画制度の活用による事業化を目指していく方針です。名古屋駅徒歩圏に位置する大規模な既成市街地を対象とした将来構想として、今後の議論や具体的な事業化の動向が注目されるプロジェクトとなっています。
出典:名駅東花車・船入地区まちづくりの会 名駅五丁目みらい構想 Ver.2
最終更新日:2026年8月21日