京成電鉄押上線の四ツ木駅~青砥駅間では、東京都が事業主体となり、葛飾区や京成電鉄株式会社と連携して連続立体交差事業が進められています。本事業は、約2.2kmの区間を高架化することで、沿線にある11箇所の踏切を除却し、踏切による交通渋滞や事故の解消、鉄道と道路双方の安全性向上、地域の分断解消を図るものです。あわせて、京成立石駅の高架化や駅舎の建て替え、附属街路の整備なども進められます。
2026年夏時点では、下り線の仮線切替が完了し、上り線の仮線化に向けた工事や高架橋の構築、京成立石駅の上り仮ホーム整備などが進行しています。今後、鉄道の高架化によって踏切がなくなるだけでなく、高架下空間の活用や駅周辺の再開発とともに、立石エリアの新たなまちづくりが進展することが期待されています。
京成電鉄押上線(四ツ木駅~青砥駅間)連続立体交差事業の概要
1.約2.2km区間の鉄道高架化
京成押上線四ツ木駅~青砥駅間約2.2kmを高架化する連続立体交差事業
京成立石駅を含む複線の高架線整備と鉄道・道路の立体交差化
2.11箇所の踏切を除却
平和橋通りの四ツ木第2号踏切など沿線11箇所の踏切除却
踏切による慢性的な交通渋滞や事故の解消と道路交通の円滑化
3.京成立石駅の高架化・駅舎建て替え
ホーム延長約153m、ホーム幅約6.5mの新たな高架駅整備
エレベーター・エスカレーターなどを備えた利便性の高い駅への更新
4.2026年夏時点で高架化工事が進行
下り線の仮線切替が完了し、上り線の仮線化や仮ホーム整備が進行
京成立石駅周辺で高架橋の構築や既存駅施設の解体・撤去
5.附属街路・駅前広場の整備
附属街路3号線の一部、4号線、5号線など総延長約1.3kmの側道整備
駅前広場などの整備による道路環境やバス・タクシー乗換利便性の向上
6.高架下空間の有効活用と地域分断の解消
鉄道高架化によって創出される高架下空間の公共施設・店舗などへの活用
鉄道によって分断されていた市街地の一体化と沿線の回遊性向上
7.京成立石駅周辺の再開発と新たなまちづくり
駅北側・南側で進む再開発事業と連動した新たな立石の拠点形成
立石の伝統や産業を継承しながら進める住宅・商業・交流機能の集積

京成電鉄押上線(四ツ木駅~青砥駅間)連続立体交差事業では、葛飾区四つ木一丁目付近の四ツ木駅から葛飾区立石六丁目付近の青砥駅まで、事業区間約2.2kmの鉄道が立体化されます。構造形式は高架方式で、京成立石駅を含む複線の高架線を整備する計画です。完成後には、平和橋通りにある四ツ木第2号踏切など、計11箇所の踏切が除却されます。


沿線では自動車交通量が多い一方、朝夕には列車本数の増加によって踏切の遮断時間が長くなっています。特に四ツ木第2号踏切や京成立石第2号踏切ではピーク時の踏切遮断時間が1時間あたり39分に達しており、高架化によって慢性的な交通渋滞の解消が期待されています。


高架化の対象となる京成立石駅では、現在の地上駅から新たな高架駅への建て替えが進められています。新駅は相対式2面2線となり、ホーム延長約153m、ホーム幅約6.5mの規模で整備され、8両編成の列車に対応する計画です。エレベーターやエスカレーターなどのバリアフリー設備も整備され、駅利用者の利便性や安全性の向上が図られます。

駅舎の外装デザインには「これまでの立石の伝統・産業をこれからの立石に繋げる、新しい立石の拠点となる駅」というコンセプトを設定。立石の地名の由来や、かつて川を生かして発展した工業・商業地帯としての歴史を踏まえ、石材や鉄・アルミ、川をイメージした要素や和模様などを取り入れたデザインが採用されています。


京成立石駅周辺では、高架化に向けた段階的な線路切替工事が進められています。2024年11月には下り線が仮下り線へ切り替えられ、その後、上り線の仮線化に向けた工事が進行。2026年夏時点では上り線の仮線敷設がほぼ完了し、京成立石駅の上り仮ホームの整備や高架橋の構築が進められています。
今後は、仮線を活用しながら既存線路や駅施設を順次切り替え、高架橋の構築を進めていく計画です。資料では上り線の高架化を2028年度、下り線の高架化を2029年度に予定しており、最終的には上下線とも高架化された新たな京成押上線が完成する計画となっています。


鉄道の高架化とあわせて、京成押上線附属街路3号線の一部、4号線、5号線などの側道整備も進められます。附属街路の総延長は約1.3km、幅員は6mまたは8mとなる計画で、鉄道沿線の道路環境や生活環境の改善が図られます。また、駅前広場などの整備によって、バスやタクシーとの乗り換え利便性の向上も期待されます。


現在は鉄道によって南北に分断されている地域についても、高架化によって道路と鉄道の交差が解消され、まちの回遊性が高まることが期待されています。さらに、鉄道高架化によって生まれる高架下空間については、公共施設や店舗などへの活用が想定されており、沿線の新たな交流・にぎわいの創出につながる可能性があります。


京成押上線の高架化は、単なる鉄道施設の更新にとどまらず、京成立石駅周辺のまちづくりを大きく変えるプロジェクトとなります。京成立石駅の北側・南側では再開発事業も進められており、鉄道高架化と駅周辺の再開発が連動することで、住宅や商業施設などが集積する新たな市街地の形成が期待されています。

これまで立石は、千円で泥酔できる「せんべろの聖地」として有名な下町の飲み屋街として栄え、商店街や飲食店、町工場などが集積する独特の下町の雰囲気を持つ地域として発展してきました。新駅舎ではこうした地域の歴史や産業をデザインに取り込みながら、新たな立石の拠点として整備されます。踏切除却による交通環境の改善、高架下空間の活用、駅前広場や側道の整備、周辺再開発が一体的に進むことで、立石の歴史を継承しつつ、新しい都市空間へと生まれ変わっていくことが期待されます。
過去の記事
→2018年10月28日投稿 京成電鉄押上線連続立体交差事業
→2021年12月22日投稿 京成電鉄押上線連続立体交差事業
出典
・東京都 京成押上線(四ツ木駅~青砥駅間)連続立体交差事業
・京成電鉄株式会社 京成押上線連続立体交差事業 京成立石駅の駅舎外装デザインが決定しました
最終更新日:2026年8月16日