リニア中央新幹線の建設が進む「長野県駅(仮称)」について、JR東海から駅舎外観デザインの3案が公表されました。駅舎は長野県飯田市上郷飯沼に整備される計画で、中央新幹線の長野県内における中間駅となります。今回のデザインは、長野県と飯田市がまとめた「信州・伊那谷の風景と営み」をはじめとするキーワード・モチーフを踏まえて検討されたものです。
デザインコンセプトは「信州・伊那谷の景を 未来と紡ぐ 結いの舎(いえ)」とされ、伊那谷の雄大な自然や天竜川、伝統文化、人々の営みなどを駅舎の外観に取り込む考え方となっています。3案はいずれも地域の景観との調和を図りながら、リニア中央新幹線らしい未来感や疾走感を表現しており、今後はアンケートや関係機関、有識者からの意見聴取などを経て推薦案が取りまとめられる予定です。
長野県駅(仮称)の概要
1.長野県駅(仮称)の整備計画
飯田市上郷飯沼で建設が進むリニア中央新幹線の長野県駅(仮称)
2面の島式ホームと副本線を備える高架駅、2031年12月末完成予定
2.「結いの舎」を掲げるデザインコンセプト
「信州・伊那谷の景を 未来と紡ぐ 結いの舎」を掲げる駅舎外観
風景・暮らし・出会い・人々の想いを紡ぐ地域の新たな象徴
3.伊那谷の「風景」と「営み」を反映
中央アルプスや南アルプス、天竜川、河岸段丘などの雄大な自然景観
水引や和紙、伝統芸能、精密機械産業など地域の文化・産業
4.JR東海が外観デザイン3案を提示
2026年9月8日に公表された長野県駅(仮称)の駅舎外観デザイン3案
長野県・飯田市のキーワードやモチーフ、外観要望事項を踏まえた検討案
5.A案「信州・伊那谷の風景に流れるひとすじの帯」
山並みや河岸段丘、天竜川などが水平方向に連なる伊那谷の景観
伝統工芸の繊細さやリニアの疾走感、アルプスの山並みを表現
6.B案・C案による異なる伊那谷の表現
B案は山々に抱かれた伊那谷を「玄関口」として表現するデザイン
C案は光や影、天竜川のきらめきなど「自然のうつろい」を表現
7.今後のアンケート・推薦案の取りまとめ
今後はアンケートや関係機関、有識者からの意見聴取を実施
長野県・飯田市による推薦案の取りまとめとJR東海による最終決定

長野県飯田市上郷飯沼では、リニア中央新幹線の長野県駅(仮称)の建設が進められており、本坑約7.2kmなどのトンネル工事と並行して駅舎の整備が進められています。駅は高架駅として整備され、2面の島式ホームと副本線を備える計画となっており、駅舎工事は2021年6月に着手、2031年12月末の竣工が予定されています。

駅舎外観のデザインコンセプトには「信州・伊那谷の景を 未来と紡ぐ 結いの舎(いえ)」が掲げられ、風景や暮らし、出会い、人々の想いを紡ぐ新たな地域の象徴として駅を整備する考え方が示されています。中央アルプスや南アルプス、伊那山地に囲まれ、その中央を天竜川が流れる伊那谷の雄大な景観を取り込み、南信州を訪れる人と地域の人々をつなぐ場所を目指すものとしています。

駅舎外観は「信州・伊那谷の風景」を基調とし、駅前空間から感じられる「営み」の要素を組み合わせる考え方で検討されています。2026年5月には長野県と飯田市からJR東海へキーワード・モチーフと要望事項が提出され、山並みや河岸段丘、天竜川、棚田などの自然に加え、水引や和紙、伝統芸能、精密機械産業など、伊那谷が育んできた文化や産業をデザインに反映することが求められました。

A案は、山並みや河岸段丘、天竜川などが水平方向に連なる伊那谷の景観を「帯」として表現し、B案は中央アルプスや南アルプス、伊那山地に抱かれた伊那谷を「玄関口」として表現しています。一方、C案は天竜川のきらめきや木々のこもれび、山肌の陰影など、季節や時間によって変化する「自然のうつろい」を表現しており、3案それぞれ異なる切り口で地域の特徴をデザインに取り込んでいます。

今回公表された3案については、今後アンケートを実施するほか、リニア中央新幹線建設促進長野県協議会や有識者から意見を聴取し、長野県と飯田市が推薦案を取りまとめる予定です。その後、事業者であるJR東海が最終的な駅舎外観デザインを決定する流れとなっており、伊那谷の自然や文化をどのように駅舎へ落とし込むのか、今後の検討が注目されます。
出典:長野県 リニア駅舎デザインについて
最終更新日:2026年9月21日