東京建物は、東京都中央区の八重洲・日本橋・京橋エリアを対象とした「YNKエリア まちづくりビジョン」を策定したことを公表しました。YNKエリアは、江戸時代から商人や職人が集まり、ヒト・モノ・情報が行き交う日本経済の中心地として発展してきた地域です。東京建物も1896年(明治29年)の創業以来、約130年にわたりこのエリアで事業を展開してきました。
近年は「TOFROM YAESU(トフロム ヤエス)」などの大規模再開発に加え、日本橋川の再生や旧東京高速道路(KK線)の遊歩道化など、都市構造が大きく変化しています。こうした動きを契機に、江戸時代から受け継がれてきた歴史・文化を生かしながら、都市機能の強化と地域の魅力向上を両立する将来像として「潤環都市YNK」を掲げました。経済活動が文化を育み、その文化が新たな人や投資、交流を呼び込む好循環の形成を目指しているものとされています。
YNKエリアのまちづくりビジョンの概要
1.YNKエリアの歴史とビジョン策定
八重洲・日本橋・京橋からなる、江戸時代以来の商業・金融・文化の中心地
大規模再開発や社会環境の変化を背景とした、新たなまちづくりビジョンの策定
2.将来像「潤環都市YNK」
経済活動が文化を育み、文化が新たな人・投資・交流を呼び込む好循環の形成
国際競争力の強化と地域固有の歴史・文化の継承を両立する都市づくり
3.4つのまちづくりの意志
世界から人と投資を引き寄せ、誰もが居場所と感じられる都市空間の形成
地域文化の継承と日本らしい価値観を生かした持続可能な都市モデルの発信
4.国際競争力と都市機能の強化
オフィス・ホテル・MICE機能の充実による、国内外の企業や人材の誘致
周辺10駅を結ぶ地下歩行者ネットワークや新たなモビリティによる回遊性向上
5.歩行者中心の都市空間と地域文化の継承
KK線の遊歩道化、八重洲通りの再編、日本橋川の再生による歩行者空間の創出
山王祭や老舗店舗、食文化など、地域固有の歴史・文化とコミュニティの継承
6.イノベーションと持続可能な都市づくり
食・金融・アート・ものづくり分野の交流促進による新たな価値の創出
資源循環や共助の精神を生かした、経済成長と社会的豊かさの両立
7.東京駅前の新ランドマーク「TOFROM YAESU」
地上51階、高さ249.72mのTOWERと地上10階のTHE FRONTからなる大規模複合施設
オフィス・商業・劇場・カンファレンス・バスターミナルなどを集積した、八重洲の新たな交流拠点

YNKエリアは、八重洲・日本橋・京橋の頭文字を取った呼称で、東京駅東側に広がる都心エリアです。江戸時代には五街道の起点である日本橋を中心に商人や職人が集まり、商業・金融・文化の拠点として発展しました。現在も老舗店舗や祭礼、路地などに歴史や文化が受け継がれています。
一方、東京駅周辺では大規模再開発が相次ぎ、オフィスや商業施設、交通機能が大きく変化しています。人口減少や働き方の変化、国際都市間競争の激化なども踏まえ、経済機能だけでなく、地域文化や人々のつながりを次世代へ継承する新たなまちづくりが求められています。

ビジョンでは、将来像として「潤環都市YNK」を掲げています。都市の経済活動によって文化が育まれ、その文化的魅力が新たな人や投資、交流を生み出すことで、さらに都市が発展する好循環を目指すものです。
実現に向けて、4つの意志を設定しています。①世界から人と投資を引き寄せる、②自分の居場所と感じられる都市をつくる、③粋なつながりを継ぐ、④日本らしい目利きで世界に提示する、というものです。国際競争力の強化、居心地の良い空間づくり、伝統文化の継承、持続可能な都市モデルの発信を一体的に進めるものとしています。


オフィスやホテル、国際会議・展示会などのMICE機能を充実させ、国内外の企業やビジネスパーソンを呼び込む都市機能を強化します。また、東京駅・日本橋駅・大手町駅など周辺10駅を地下通路で連結する広域地下歩行者ネットワークの形成を目指し、エリア内外の回遊性向上を図るものとしています。
さらに、ベイエリアとのアクセス強化や新たなモビリティの導入、防災機能の充実、再生可能エネルギーの活用、緑化なども推進します。建物単体にとどまらず、エリア全体の交通・環境性能を高め、東京の玄関口としての競争力を強化する方針です。


旧東京高速道路(KK線)の遊歩道化や八重洲通りの再編、日本橋川の水辺空間整備などを通じて、歩行者中心の都市空間も形成されます。道路や路地を移動するだけの場所から、滞在や交流、賑わいを生み出す空間へと転換し、歴史的な街並みと調和した居心地の良いまちづくりを目指すものとしています。
また、山王祭などの伝統行事や町会、老舗店舗、食文化を次世代へ継承します。さらに、食や金融、アート、ものづくりなどの分野で企業やスタートアップ、文化の担い手が交流する環境を整備し、新たなイノベーションが創出されます。江戸時代から続く商人文化や資源循環、共助の精神を現代に生かし、世界に発信する方針です。

YNKエリアの大規模再開発を象徴する施設として、東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業により「TOFROM YAESU」が整備されました。地上51階、地下4階、高さ249.72mの「TOFROM YAESU TOWER」と、地上10階、地下2階、高さ51.05mの「TOFROM YAESU THE FRONT」の2棟で構成されます。
施設にはオフィス、商業施設、劇場・カンファレンス施設、医療施設、住宅、バスターミナルなどを導入しています。TOWERには約800人を収容する劇場・カンファレンス施設や高層オフィス、屋内広場などを配置し、地下には「バスターミナル東京八重洲」の第2期エリアを整備しました。THE FRONTには低層階に商業施設、上層階にオフィスを配置しています。
施設名称には「八重洲へ(TO)/八重洲から(FROM)」という意味が込められ、「人・時・場を“つなぐ”」をコンセプトとしています。TOWERは2026年2月28日、THE FRONTは2026年7月に竣工し、バスターミナルや劇場・カンファレンス施設、商業施設も順次開業しました。東京駅前の交通・業務・商業・交流機能を強化し、YNKエリアの新たなランドマークとなっています。
出典・引用元
・東京建物株式会社 YNK(八重洲・日本橋・京橋)エリアのまちづくりビジョン策定
・YNKエリアまちづくりビジョン
最終更新日:2026年11月4日