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ダッカメトロ6号線も延伸し、日本の国土交通省がPPP協力も行うダッカ中央駅の大規模都市開発「カムラプール複合交通ターミナル(MmTH)及び周辺再開発」!!

カムラプール駅はバングラデシュの首都ダッカに位置し、同国鉄道の中心拠点です。このカムラプール駅とその周辺では、「カムラプール複合交通ターミナル(MmTH)及び周辺再開発」と呼ばれる大規模都市開発プロジェクトが進行しています。
プロジェクトでは、駅を複合交通ターミナル(MmTH)として再開発し、周辺のBR官舎を高層化するなどの商業開発を行います。この取り組みは、公共インフラと商業開発を融合した「Hybrid型大規模PPP」事業として進められています。計画の目的は、効率的な交通ハブの形成と都市機能の強化を通じ、ダッカの都市間競争力を向上させることです。

バングラデシュは、PPP法に基づくG2Gポリシーにより、政府間の合意を通じて特定の外国企業がPPP事業に優先的に参画できる法的枠組みを整備しています。日本では、2017年に国土交通省とバングラデシュPPP庁がPPPに関する協力覚書を締結(2022年10月更新)し、日本企業が競争入札を経ずにPPPプロジェクトの優先交渉権を得られる仕組みが導入されました。この協力は、都市開発、道路、上下水道、空港などの社会経済インフラを対象としており、現在、カムラプール複合交通ターミナル(MmTH)及び周辺再開発を含む5件のプロジェクトが協議中です。

→経済産業省 令和5年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業
→国土交通省 インフラ海外展開の主要案件
→国土交通省 第11回 都市交通システム海外展開研究会 資料

計画の概要

  1. プロジェクトの目的:
    ダッカの交通ハブとして、鉄道、都市鉄道(MRT)、バスなど複数の交通モードを統合し、円滑な移動を実現する拠点を構築。
  2. 施設計画:
    カムラプール駅を中心に、交通ターミナル機能の近代化と拡張を実施し、利用者の利便性向上を図る。
  3. 周辺再開発:
    駅周辺の都市開発を進め、商業施設やオフィス、住宅エリアを併設することで、地域経済の活性化を促進。
  4. 日本の関与:
    日本の技術と知見を活用した都市計画や交通インフラ整備が進行中で、TOD(Transit-Oriented Development)の概念を適用。
  5. 持続可能性の確保:
    環境に配慮した設計やエネルギー効率の高い施設を導入し、持続可能な都市基盤を整備。
  6. 経済的・社会的影響:
    地域住民の生活の質向上、経済活動の活性化、交通渋滞緩和により年間数千億円規模の経済損失を削減する見込み。
  7. 進行状況と目標:
    計画段階から実施段階へ移行中で、再開発が完了すれば、首都圏の交通効率や都市魅力が大幅に向上することが期待される。

出典:国土交通省

「カムラプール複合交通ターミナル(MmTH)及び周辺再開発」のイメージパースです。対象地はダッカの中心部にあり、88haもの広大な敷地をBR*が管理しています。アジア開発銀行やJICAの支援を活用し、MRT路線や高速道路との接続を考慮したターミナルの設置を計画。同時に官舎を高層化することで、新たな商業開発用地を創出し、南アジアにおける新たなCBD(中央業務地区)を形成します。総事業費は約3,000億円とされ、詳細は現在精査中です。
*BR=Bangladesh Railway(バングラデシュ国鉄)

出典:経済産業省

都市交通のMRT整備と合わせて、このプロジェクトによりダッカ全体の交通効率化が進み、都市景観が向上すると期待されています。MmTHは、交通渋滞や都市分断といった課題を解決し、ダッカを「World Class City」として発展させる後押しとなります。また、官民連携制度のモデルケースとなり、経済活動の中心地としての役割を強化するでしょう。

出典:経済産業省

「カムラプール複合交通ターミナル(MmTH)及び周辺再開発」の配置イメージです。プロジェクト実施に際し、多岐にわたる課題が存在します。都市計画の変更やインフラ整備、交通モード間の接続計画が必要です。特に、MmTH建設による交通需要の増加に対応するため、周辺道路との連携や駐車場の統合計画が検討されています。さらに、官民間での合意形成や現行規制の見直しが重要なポイントです。

出典:国土交通省

MRT6号線と呼ばれる「ダッカメトロ6号線」の様子。JICAの支援の下、川崎重工や鉄建建設、三菱商事、日本信号などの日本企業が参入して建設が進められ、2022年12月29日に一部開業、現在はウッタラ北駅~モティジール駅間、17駅、21.17kmがバングラデシュ初の都市鉄道として開業しています。車両は川崎重工業製の6両編成、車長19.8m、4ドアの日本の都市部で走る鉄道車両とほぼ同規格のものが採用されています。このMRT6号線がカムラプール(ダッカ中央駅)まで2025年12月に延伸開業する見込みとされています。

出典:国土交通省

バングラデシュ・ダッカにおけるMRT網の計画図です。
日本の建設・コンサルタント企業が主導するこのプロジェクトは、技術移転や設備輸出を通じて、日本のインフラシステム海外展開戦略に寄与します。また、公共交通施設の利用促進を通じた脱炭素化の推進や、スマートシティモデルの輸出も期待されています。この取り組みは、バングラデシュの都市開発だけでなく、日本のビジネスにも大きな利益をもたらします。
このプロジェクトは、ダッカの都市課題解決と将来的な成長に向けた基盤を築く重要な取り組みです。バングラデシュの未来にとって、そして日本と現地の協力の象徴として、大きな意味を持つでしょう。

最終更新日:2024年11月16日

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