春日部駅付近連続立体交差事業は、春日部駅周辺において鉄道を高架化し、踏切を除却するとともに中心市街地の分断を解消することを目的とした大規模都市基盤整備事業です。事業主体は埼玉県で、東武鉄道と春日部市が連携して推進しているものになります。対象路線は東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)と東武野田線(東武アーバンパークライン)で、約3.5kmの区間のうち約2.9kmを高架化し、計10か所の踏切を除却します。
長年問題となってきた「開かずの踏切」の解消や交通の円滑化、東西市街地の一体化を図るとともに、駅前広場整備など周辺まちづくりと一体となって、県東部地域の拠点都市としての都市機能強化を目指す事業です。事業期間は令和元年度から令和13年度まで、総事業費は約650億円とされています。
春日部駅付近連続立体交差事業の概要
1.春日部駅付近連続立体交差事業の概要
春日部駅付近連続立体交差事業は、春日部駅周辺で鉄道を高架化し、踏切の除却と市街地の分断解消を図る都市基盤整備。
事業主体は埼玉県で、東武鉄道や春日部市と連携しながら推進される大規模都市整備事業。
2.鉄道高架化の整備区間
対象路線は東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)と東武野田線(東武アーバンパークライン)の2路線。
総延長約3.5kmの区間のうち約2.9kmを高架化し、春日部駅を中心とした鉄道構造の大規模改良。
3.踏切除却による交通円滑化
駅周辺に存在する10か所の踏切を除却し、慢性的な交通渋滞や歩行者の通行障害を解消する計画。
ピーク時に長時間遮断される「開かずの踏切」問題を解決し、都市交通の円滑化を図る取り組み。
4.中心市街地の分断解消
鉄道によって東西に分断されていた中心市街地の構造を改善し、人や車の移動の自由度を向上させる整備。
地域の回遊性向上や商業・業務活動の活性化を促す都市構造の再編。
5.駅施設の拡張と輸送力向上
高架化後の春日部駅はホームと線路を拡張し、4面8線の駅構造へ再編される計画。
列車運行の柔軟性向上や乗り換え利便性の改善を図る鉄道機能の強化。
6.段階的に進められる高架化工事
仮線や仮ホームを設置して既存線路を移設し、その後に高架橋を建設する段階施工方式。
鉄道運行を維持しながら工事を進める大規模鉄道改良工事の実施。
7.駅前広場整備と周辺まちづくり
高架化とあわせて駅前広場や公共空間の再整備を進め、交通結節機能と都市交流機能を強化する計画。
歩きやすく居心地の良い中心市街地の形成を目指す、駅周辺まちづくりの推進。

春日部駅周辺は、古くは日光街道の宿場町として発展し、現在は東武伊勢崎線と東武野田線が交差する鉄道交通の要衝として多くの利用者を抱える都市拠点です。しかし、鉄道が市街地を東西に分断する構造となっており、人や車の移動に大きな制約が生じていました。


特に駅周辺には10か所の踏切が存在し、その中には「開かずの踏切」と呼ばれるものも含まれています。代表的な伊勢崎線第124号踏切では、ピーク時に1時間あたり約53分も遮断されるなど、歩行者や自転車、自動車の通行に大きな支障が生じていました。
また、駅構内には東西自由通路がなく、歩行者は地下道や踏切を利用しなければならないなど、バリアフリーの観点でも課題が指摘されてきました。こうした状況は中心市街地の回遊性を低下させ、商業や都市活動の活性化を妨げる要因となっていました。

春日部駅付近連続立体交差事業では、東武伊勢崎線と東武野田線の鉄道を高架化し、駅周辺の踏切を除却することで都市交通の円滑化を図ります。事業区間は、伊勢崎線が内谷陸橋付近から古隅田川付近まで約1.6km、野田線が八木崎駅付近から内谷陸橋付近まで約1.9kmで、合計約3.5kmとなります。このうち約2.9kmが高架化される計画です。


高架化によって、伊勢崎線では第124号踏切から第128号踏切まで、野田線では第85号踏切から第89号踏切までの計10か所の踏切が除却される予定です。踏切の代わりに高架下道路などを整備することで、地域の道路ネットワークを維持・強化します。完成後の春日部駅は、現在よりも規模が拡大し、4面8線の駅構造となる計画です。これにより、列車運行の柔軟性や輸送力の向上が期待されています。


春日部駅周辺の高架化構想は長年にわたり検討されてきました。平成14年度には、事業の早期実現を目指す「春日部駅付近連続立体交差事業促進期成同盟会」が発足し、地域や自治体による取り組みが本格化しました。
平成17年度には国から着工準備採択を受け、大規模事業としての調査や計画策定が進められました。その後、平成21年度には事業計画の見直しが行われ、平成25年度には「春日部市中心市街地まちづくり計画」が策定されるなど、駅周辺の都市再生と連携した事業として具体化が進められました。平成30年度には都市計画決定に向けた説明会や公聴会が実施され、2019年3月に都市計画決定が告示されました。同年12月には都市計画事業認可が告示され、正式に事業がスタートしました。


鉄道を高架化する工事は、列車運行を維持したまま段階的に進められます。まず仮線や仮ホームを整備して既存線路を移設し、その後に既存線路を撤去して高架橋を建設するという手順で施工されます。


春日部駅周辺では、伊勢崎線の仮上り線や仮下り線を順次整備した後、野田線の仮線を整備し、既存線路を移設していきます。その後、野田線高架橋の建設、伊勢崎線下り線の高架化、さらに上り線の高架化という順序で工事が進められます。
高架橋は鉄筋コンクリート構造で整備され、場所によっては高さ約2〜11m、駅付近では約10m程度の高さとなる計画です。施工にあたっては杭工事、掘削、柱・梁・床版の構築などの工程を経て高架構造物が完成します。


事業は現在も進行中で、2020年代に入り本格的な工事が行われています。2023年には東口仮駅舎が供用開始され、2024年には伊勢崎線上り仮ホーム、2025年には下り仮ホームの使用が開始されました。
2026年時点では、伊勢崎線旧下り線の撤去工事や野田線仮上下線の整備が進められており、高架橋建設に向けた準備が本格化しています。また、富士見町地下道の延伸工事など、関連する都市基盤整備も同時に進められています。


さらに、鉄道高架化と連携して駅前広場の再整備も計画されています。東西駅前広場を再編し、交通結節点としての機能に加えて、交流やイベント、憩いの場として利用できる公共空間を整備する構想が示されています。これにより、駅を中心とした歩きやすく魅力ある中心市街地の形成が期待されています。
出典・引用元
・埼玉県 東武鉄道伊勢崎線・野田線(春日部駅付近)
・春日部市 春日部駅付近連続立体交差事業を進めています
過去の建設状況→2019年3月15日投稿 春日部駅付近連続立体交差事業
最終更新日:2026年3月12日

