蒲田駅周辺で進められている「蒲田駅周辺再編プロジェクト(蒲田駅周辺交通戦略)」は、駅前広場の再整備や東西自由通路の新設、広場デッキの整備などを通じて、駅とまちを一体的に再構築する大規模プロジェクトです。大田区が令和8年1月に改定した計画では、新空港線(蒲蒲線)の整備を契機に、羽田空港や国内外と結ばれる交通結節点としての機能を強化するとともに、歩行者中心のウォーカブルな都市空間を形成することが掲げられました。
対象区域は蒲田駅を中心とする半径約200メートル圏で、駅舎・駅ビル、東西駅前広場、周辺街区、主要道路を含みます。将来的には、公共交通の利便性向上、防災機能の強化、みどりと賑わいの創出を通じて、「文化・交流・賑わい創出の拠点」として、蒲田の魅力をさらに高めていく構想です。
蒲田駅周辺再編プロジェクトの概要
1.プロジェクト改定の背景
2013年策定の再編プロジェクトを基礎に、新空港線の事業化や社会環境の変化を踏まえて2026年1月に全面改定。
蒲田駅を中心とした交通結節機能と都市基盤の再構築を目指す長期的なまちづくり計画。
2.対象区域と整備範囲
対象区域は蒲田駅を中心とする半径約200メートル圏で、駅舎・駅ビル・駅前広場・周辺街区・主要道路を含む範囲。
駅前だけでなく周辺市街地との連携を視野に入れた広域的な都市再編。
3.まちの将来像
文化・交流・賑わい創出の拠点として、国内外とつながる交通結節点の形成。
蒲田らしい商店街文化と羽田空港アクセス機能を融合した都市拠点。
4.東西自由通路の新設
線路上空を活用し、24時間利用可能な東西自由通路と北側連絡通路を新設。
東西の分断解消とバリアフリー化、災害時の避難経路を兼ねる基盤整備。
5.駅前広場と広場デッキの整備
東口・西口駅前広場を歩行者と公共交通中心の空間へ再編し、歩道拡幅や滞留空間を整備。
自由通路と接続する2階レベルの広場デッキによる回遊性向上と賑わい創出。
6.新空港線との連携
地下化される新空港線と東急多摩川線、JR京浜東北線を結ぶ分かりやすい乗換空間の整備。
羽田空港へのアクセス強化と国内外からの来訪者を迎える玄関口機能。
7.長期的なまちづくりの展望
駅前広場の拡張や道路空間の再編、バス機能集約、新モビリティ対応による交通機能の高度化。
歩行者空間・みどり・防災機能を備えた持続的に発展する都市拠点の形成。

蒲田駅周辺再編プロジェクトは、2013年(平成25年)に初めて策定され、これまで東西駅前広場の初動期整備などが進められてきました。その後約10年の間に、社会情勢や交通需要、周辺開発の動向は大きく変化しました。特に、新空港線の第一期整備が事業化されたことで、蒲田駅は羽田空港への新たなアクセス拠点としての役割を担うことになります。
こうした変化を踏まえ、2026年(令和8年)1月に計画が改定されました。新たな交通戦略では、新空港線開業が見込まれる2030年代前半を見据え、駅前広場や自由通路、道路ネットワークを再構築し、蒲田が将来にわたり持続的に発展できる都市基盤を整備することが目的とされています。


計画の将来像として掲げられているのは、「文化・交流・賑わい創出の拠点として、国内外とつながる交通結節点」です。蒲田がこれまで培ってきた商店街を中心とする路面の賑わいと、大衆文化の魅力を継承しながら、新空港線によって羽田空港や国内外とのアクセスを強化し、広域的な拠点性を高めることを目指しているとのことです。
基盤整備のキーワードは「つながる」「あつまる」「ひろがる」の3つです。「つながる」は東西市街地の連携強化、「あつまる」は駅前空間の交通結節機能の強化、「ひろがる」は駅前の賑わいを周辺へ波及させることを意味します。さらに、「駅まち一体」「ウォーカブル」「公民連携」という新たな視点を加え、人中心のまちづくりが推進されます。

蒲田駅周辺再編プロジェクトの中核となるのが、東西自由通路と北側連絡通路の整備です。現在の東西連絡通路は混雑が激しく、動線もクランク状で分かりにくいため、乗り換えや東西の移動に支障が生じています。また、北側地下通路は老朽化しており、幅員が狭く、バリアフリーにも対応していません。


新たに整備される東西自由通路は、線路上空を活用して南側寄りに直線状で配置され、十分な幅員が確保されます。北側連絡通路も現在の地下通路より広い構造で新設され、いずれも24時間開放される予定です。これにより、駅東西の移動が大幅に改善されるだけでなく、災害時の避難経路としての機能も担うことになります。


東口・西口の駅前広場は、歩行者と公共交通を中心とした空間へと再編されます。バスやタクシー、一般車両の配置を見直し、歩道の拡幅や滞留スペースの確保により、安全で快適な歩行者空間が創出されます。また、地下自転車駐車場の整備や、自転車の流入抑制によって、自転車利用環境も改善されます。

さらに、東西自由通路と北側連絡通路を結ぶ「広場デッキ」が整備されます。2階レベルのデッキ空間には、みどりやベンチ、憩いのスペースが設けられ、回遊性向上と賑わい創出を両立します。災害時には一時避難場所としても活用され、防災機能の強化にも寄与します。

新空港線の開業により、蒲田駅は羽田空港と都心・沿線地域を結ぶ重要な交通拠点へと進化します。地下に整備される新空港線ホームと東急多摩川線、JR京浜東北線との間には、視認性に優れた分かりやすい乗り換え動線が整備されます。統一された案内表示やゆとりある空間により、初めて訪れる人でも快適に利用できる駅を目指します。
長期的には、東西駅前広場の拡張や道路空間の再編により、さらなる歩行者空間と滞留空間が創出されます。バス乗降場の集約、新たなモビリティへの対応、周辺再開発との連携などを通じて、蒲田の賑わいを駅前からまちなか全体へ広げていく構想です。蒲田駅周辺再編プロジェクトは、交通利便性と都市の魅力を高い次元で両立させる、東京南部を代表する都市再生プロジェクトとして注目されています。
出典:大田区 蒲田駅周辺再編プロジェクト(蒲田駅周辺交通戦略)を改定しました(令和8年1月改定)
最終更新日:2026年6月11日