茨城県守谷市で進められる「新守谷駅周辺土地区画整理事業」は、関東鉄道常総線新守谷駅周辺約13.5haを対象とした大規模なまちづくりプロジェクトです。2025年11月27日に新守谷駅周辺土地区画整理組合の設立が認可され、本格的な事業段階へ移行しました。現在は農地や雑木林、未利用地が広がるエリアを、市街化区域へ編入したうえで、物流施設、商業施設、住宅地、公園などを計画的に整備し、新たな都市拠点を形成します。
事業区域は新守谷駅に近接し、国道294号や常磐自動車道谷和原ICにもアクセスしやすい立地にあります。この交通利便性を活かし、物流機能と商業機能、居住機能を融合した複合市街地を整備することで、守谷市北部の副次拠点としての役割強化を目指しています。事業期間は2028年3月末までを予定しており、地域マイクログリッドや雨水利用など環境配慮型のまちづくりも特徴となっています。
新守谷駅周辺土地区画整理事業の概要
1.新守谷駅周辺土地区画整理事業の概要
新守谷駅周辺約13.5haを対象に進められる組合施行の土地区画整理事業。
住宅・商業・物流機能を集積し、市北部の新たな都市拠点形成を目指す大規模開発計画。
2.市街化区域編入によるまちづくりの推進
約14.6haを市街化調整区域から市街化区域へ編入し、計画的な市街地整備を推進。
用途地域や地区計画を活用した秩序ある都市基盤整備。
3.交通利便性を活かした開発立地
関東鉄道常総線新守谷駅や国道294号、常磐自動車道谷和原ICに近接する交通結節点。
広域交通ネットワークを活用した高い利便性と発展ポテンシャル。
4.物流施設を中心とした産業ゾーン整備
国道294号沿い約5.1haを工業専用地域とし、物流施設の立地を計画。
首都圏物流需要に対応する新たな産業拠点の形成。
5.商業施設集積による生活利便性向上
駅前や沿道部に商業施設用地を配置し、買い物やサービス機能を充実。
ニトリなどの進出が予定される地域商業拠点の形成。
6.住宅地と生活支援施設の整備
常総線東側を中心に戸建住宅主体の住環境を整備し、人口定着を促進。
ヨークベニマルや既存のもりり保育園を活かした生活利便環境の充実。
7.環境配慮と防災機能を備えた次世代都市形成
地域マイクログリッドや雨水利用、地下貯留施設などを導入する環境共生型開発。
持続可能性と防災性を兼ね備えた新たなまちづくりモデル。

新守谷駅周辺土地区画整理事業は、守谷市立沢および松並の一部を対象とする組合施行の土地区画整理事業です。施行面積は約13.5haで、施行者は新守谷駅周辺土地区画整理組合、業務代行予定者は三井住友建設株式会社となっています。
権利者数は47人(2025年9月時点)で、2020年度から準備組合による検討が進められてきました。2025年11月の組合設立認可を経て、2028年3月31日の事業完了を目標に整備が進められます。
現在の区域内は畑などの農地、荒れ地、雑木林が大半を占めており、市街地としての利用は限定的です。一方で、新守谷駅に隣接し、守谷市中心部やつくばみらい市方面への交通利便性に優れていることから、開発ポテンシャルの高いエリアとして位置付けられてきました。

新守谷駅は1982年に開業した関東鉄道常総線の駅で、「関東の駅百選」にも選定された歴史を持ちます。守谷市北部に位置し、駅の北側と東側はつくばみらい市との市境に接しています。駅周辺には開智望小学校・中等教育学校、守谷テラス、つくばエクスプレス総合基地などが立地しており、近年は教育施設利用者による駅利用も増加しています。
また、常磐自動車道谷和原ICまで短時間でアクセスできるほか、国道294号が近接しているため、自動車交通の利便性も極めて高い立地です。今回の区画整理事業は、この交通ネットワークを最大限に活用しながら、新たな生活拠点を形成する計画となっています。


事業推進にあたり、約14.6haが市街化調整区域から市街化区域へ編入されます。守谷市は首都圏整備法に基づく近郊整備地帯に位置しており、市全域で区域区分制度が導入されています。今回の区域変更により、これまで開発が制限されていた土地について計画的な市街地形成が可能となります。
あわせて土地区画整理事業、用途地域変更、高度地区、地区計画などの都市計画手続きが実施され、新たな市街地として必要なルールが整備されます。これにより無秩序な開発を防ぎながら、住宅、商業、物流施設などが調和した都市空間の形成が図られます。


区域西側の国道294号沿い約5.1haは工業専用地域に指定され、物流施設を中心とした産業系土地利用が計画されています。このエリアは常磐自動車道谷和原ICへのアクセスに優れ、広域物流拠点として高い競争力を有しています。用途地域上は住宅や一般的な商業施設の建築は制限される一方で、物流施設や倉庫、工場などの立地が可能です。
地区計画では高さ31m以下、緑化率20%以上などのルールが設定され、物流機能と周辺環境との調和が図られます。守谷市は首都圏物流市場の需要が高い地域であり、本地区も新たな物流拠点として注目されています。


新守谷駅西側から関東鉄道常総線沿線にかけては、商業施設や沿道商業施設の立地が計画されています。土地利用案では駅前に大規模商業施設用地が配置されるほか、国道294号東側には沿道商業ゾーンが整備されます。準住居地域の指定により、延べ床面積1万㎡以下の店舗や事務所などの立地が可能となります。
計画段階では家具・インテリア大手のニトリの出店が予定されているほか、生活利便施設の集積も期待されています。新守谷駅利用者だけでなく、国道294号利用者や周辺住民も利用する商業集積地としての発展が見込まれます。


約3.4haの第二種住居地域では、住宅と商業施設が共存する複合型の街区形成が進められます。このエリアには食品スーパーのヨークベニマルが進出予定とされており、新たな生活利便施設の整備が期待されています。
さらに地区東部約2.7haは第一種住居地域として位置付けられ、戸建住宅を中心とした住宅街が形成されます。土地利用案では複数の住宅街区が配置されており、新たな人口定着の受け皿となることが期待されています。
なお、現在立地する「もりり保育園」は将来的にも存続する見込みであり、新たな住宅地の子育て環境を支える施設として重要な役割を担うことになります。


土地区画整理事業では宅地開発だけでなく、道路や公園など公共施設も一体的に整備されます。骨格となる都市計画道路「3・3・4取手守谷線(国道294号)」に加え、幅員12m、10.5m、9.5m、8mの区画道路が整備されます。また、新守谷駅へのアクセス向上を目的として、幅員6mおよび4mの歩行者専用道路も整備される計画です。
公園については街区公園を配置し、教育施設周辺の斜面林など既存の自然環境との調和を図ります。歩いて利用しやすい距離に緑地空間を配置することで、快適な居住環境の形成が目指されています。


新守谷駅周辺土地区画整理事業では、単なる宅地開発にとどまらず、環境に配慮した先進的なまちづくりが計画されています。特徴的な取り組みとして、地域マイクログリッドの導入、雨水利用の推進、「まちの駅」機能の整備などが掲げられています。災害時にも地域内で一定のエネルギー供給を維持できる仕組みづくりや、水資源の有効利用など、持続可能な都市形成を意識した計画となっています。
また、雨水については地下貯留施設などを整備し、小貝川流域への流出抑制を図ります。こうした防災・環境対策と都市機能の充実を両立させることで、新守谷駅周辺は守谷市北部の新たな生活拠点として発展していくことが期待されています。
最終更新日:2026年6月8日