柏市は2026年6月1日、「令和7年度柏駅東口駅前再整備実現化方策検討業務委託報告書【概要版】」を公表しました。報告書は、柏駅東口の再整備に向けて事業実現性の高い施設配置や交通広場のあり方、新改札口整備の方向性などを整理したものです。
柏駅東口では、過去に市街地再開発事業によって整備された駅前空間やスカイプラザ柏、ペデストリアンデッキなどが整備後50年以上を経過し、施設の老朽化が進んでいます。また、商業環境やライフスタイルの変化に対応した新たな駅前空間づくりも求められています。こうした状況を受けて柏市は2023年度に「柏駅東口未来ビジョン」を策定し、旧そごう柏店本館跡地を含む駅前エリアの再整備検討が進められてきました。
今回の報告書では、既存のスカイプラザ柏周辺を広場化しながら商業施設を再編する構想や、柏駅北側への新改札設置、駅前交通広場の再編などが示されています。今後は事業区域や施設規模、事業手法などの具体化を進めながら、段階的な整備実現を目指していく方針としています。
柏駅東口駅前再整備の概要
1.再整備検討の背景
再開発事業による整備から50年以上が経過した柏駅東口エリア。
建築物や公共空間の老朽化に対応する駅前再生の必要性。
2.旧そごう柏店本館跡地の活用
解体が進む旧そごう柏店本館跡地を再整備の中核用地として活用。
交通広場や商業施設、市民広場などの一体的な整備構想。
3.南北一体配置案の採用
商業床と広場空間の両立を図る有力案として位置付けられた配置計画。
駅前の回遊性向上と賑わい創出を目指す南北一体型の施設構成。
4.高さ均等案をベースとした施設計画
中央高層案や片側高層案などを比較検討した施設配置案。
3棟のボリュームバランスに優れる高さ均等案を軸とした検討。
5.駅前広場の再編構想
スカイプラザ柏周辺を広場化し、人中心の空間形成を図る計画。
交流やイベント利用を想定した新たな都市拠点の創出。
6.交通広場と新改札の整備検討
旧そごう跡地を活用した交通広場再編と北側新改札設置の検討。
公共交通の利便性向上と駅利用者の分散化による回遊性向上。
7.今後の事業化に向けた課題
事業区域や施設規模、事業手法などの具体化に向けた継続検討。
関係権利者との調整や交通対策を含む実現化方策の深化。

柏駅東口は1970年代に全国初の都市再開発法に基づく市街地再開発事業によって整備され、そごう柏店を核とするスカイプラザ柏や日本初のペデストリアンデッキなどが整備されました。しかし現在は建物やインフラの高経年化が進み、再整備の必要性が高まっています。
特に旧そごう柏店本館は2016年の閉店後、長期間にわたり駅前の大規模な遊休地となっていました。現在は解体工事が進められており、柏市はこの跡地を活用することで、駅前交通広場や市民広場、新たな商業施設を一体的に整備し、次の50年を見据えた駅前再生を目指しています。


報告書では、再整備エリア全体の施設規模を約5万㎡と仮定し、商業施設や交流機能、文化機能などを導入する方向性を整理しています。
その結果、有力案として位置付けられたのが「南北一体配置案」です。この案では既存のスカイプラザ柏周辺に広場空間を確保しながら、施設を南北方向に配置することで商業床と公共空間の両立を図ります。
また、二番街商店街やサンサン通りとの回遊性向上も期待されており、駅前全体の賑わい創出につながる計画となっています。建物配置については「中央高層案」「片側高層案」「高さ均等案」の3パターンが比較されており、3棟のボリュームバランスに優れる「高さ均等案」をベースとして今後の検討が進められる見通しです。


再整備の大きな柱となるのが駅前広場の再編です。柏駅東口未来ビジョンでは、「人を惹きつける魅力」「高い回遊性」「みどり豊かなゆとりある空間」の実現が掲げられており、駅前には人のための広場整備が検討されています。
検討では、スカイプラザ柏が立地する場所を広場化し、イベントや憩いの場として活用する構想が示されました。広場は駅や商業施設と一体的に整備することで、単なる通過空間ではなく、市民や来街者が滞在できる交流拠点となることが期待されています。
全国の駅前再整備事例も参考にしながら、開放感のある駅前景観と賑わい創出の両立を目指している点も特徴です。


交通広場については、旧そごう柏店本館跡地を活用した再編案が検討されています。計画では、バス乗車バースを現状の6バースから8バースへ拡充し、タクシーや一般車の乗降スペースも再編することで、公共交通と一般車両の動線を分離する方針です。
具体案としては、「アイランド型配置案」「ロータリー型配置案」「現行バスルート活用案」の3案が整理されています。いずれも旧そごう跡地を交通広場として活用しながら、安全性や利便性の向上を図る内容となっています。
なかでもロータリー型配置案は、利用者に分かりやすい動線を確保できるほか、将来的な施設整備の自由度も高く、交通機能と駅前開発を両立しやすい案として評価されています。

報告書では、柏駅北側への新改札設置についても検討が進められています。新改札が実現すれば駅利用者の分散が図られ、東口北側エリアへのアクセス向上や駅周辺の回遊性向上につながることが期待されています。
一方で、再整備の実現に向けては多くの課題も残されています。事業区域や敷地条件の整理、施設規模や用途の具体化、段階的整備の検討に加え、事業収支や民間事業者の参画条件の検証が必要です。
また、交通広場整備では千葉県公安委員会との協議や周辺道路への影響調査、一般車両利用環境の改善なども求められています。柏市は今後、関係権利者や交通事業者との調整を進めながら、柏駅東口の新たな玄関口形成に向けた具体化を進めていく方針です。
出典:柏市 令和7年度柏駅東口駅前再整備実現化方策検討業務委託報告書【概要版】の公表
最終更新日:2026年6月3日