住友不動産は、東京都渋谷区松濤一丁目に位置する旧東京都知事公館跡地および隣接地において、「(仮称)松濤マンション計画における解体工事」を進めています。対象地は、旧都知事公館跡地に加え、かつて東急百貨店健康保険組合保健センターとして使用されていた敷地を含む規模となっており、都内有数の高級住宅地・松濤で新たな高級マンション開発が本格化します。
現地標識によると、解体対象となる建築物は、RC造(鉄筋コンクリート造)地上2階・地下1階建てで、延床面積は1,848.0㎡。工事は2026年6月1日に着手し、2027年8月31日まで行われる予定です。解体工事の施工は新和環境株式会社が担当し、旧都知事公館跡地の地下残置物や外壁の撤去、さらに南東側敷地の既存建物解体などが進められています。
松濤エリアは、渋谷駅徒歩圏にありながら静穏な邸宅街として知られ、政財界関係者や文化人が居住してきた東京都内屈指の高級住宅地です。近年は「Shibuya Upper West Project(渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト)」など周辺再開発も進行しており、渋谷駅西側エリア全体で都市機能と文化性を融合した新たな街づくりが加速しています。
(仮称)松濤マンション計画の概要
1.旧東京都知事公館跡地で進む解体工事
住友不動産が旧東京都知事公館跡地で解体工事を実施。
RC造地上2階・地下1階建て、延床面積約1,848㎡の建築物解体計画。
2.2026年6月着手、2027年8月末完了予定
解体工事期間は2026年6月1日から2027年8月31日まで。
地下残置物撤去や外壁解体を含む長期工事スケジュール。
3.東急百貨店健康保険組合保健センター跡地も対象
南東側敷地に位置する旧保健センター建物も解体対象。
住友不動産が取得した約770㎡敷地との一体開発構想。
4.旧東京都知事公館の歴史ある立地
歴代東京都知事の官舎・迎賓施設として使用された旧都知事公館。
2014年に住友不動産が取得し、2020年に既存建物を解体済み。
5.第一種低層住居専用地域での計画
建ぺい率60%、容積率150%、高さ制限10mの厳しい用途地域。
松濤の街並みに調和する低層高級レジデンス開発の可能性。
6.渋谷駅徒歩圏の高級住宅街「松濤」
渋谷駅から徒歩約7分の立地に広がる都内有数の邸宅街。
文化施設や緑地が集積する静穏な住環境と高い資産価値。
7.周辺で進む渋谷西側エリア再開発
南東側・東急百貨店本店跡地では「Shibuya Upper West Project」が進行。
渋谷駅周辺再開発と連動した松濤エリア価値向上への期待。

今回の「(仮称)松濤マンション計画における解体工事」は、旧東京都知事公館跡地を中心に実施されます。設置された解体工事標識によると、工事対象建築物はRC造地上2階・地下1階建て、延床面積1,848㎡で、2026年6月1日から2027年8月31日まで工事が行われる計画です。
発注者は住友不動産で、工事施工は新和環境株式会社が担当します。また、アスベストに関しては、特定建築物石綿含有建材調査者による事前調査が実施されており、分析調査によって確認が進められています。
現地では、旧都知事公館跡地に残る地下構造物や外壁などの撤去に加え、南東側敷地の既存建築物解体も予定されており、将来的なマンション建設に向けた本格的な準備段階に入ります。

旧東京都知事公館は、渋谷区松濤一丁目に存在した歴代東京都知事の官舎であり、迎賓機能も備えた象徴的施設でした。敷地面積は約2,212㎡で、1997年に建て替えられた公館はRC造地上2階・地下1階建て、延床面積約1,886㎡という規模を誇っていました。
もともとは1947年に東京都が旧会津松平家ゆかりの邸宅を取得したことに始まり、歴代都知事が居住しました。しかし1990年代には老朽化や耐震性の問題が浮上し、阪神・淡路大震災を契機に建て替えが実施されました。

1997年完成の新公館は、青島幸男都知事が入居したものの、その後の石原慎太郎都知事は使用せず、長期間にわたり有効活用が課題となっていました。東京都は施設貸与や研修施設としての利用を行いましたが、維持費負担も重く、最終的に売却を決定。2014年には住友不動産が約43億6,800万円で落札しました。
その後、建物は2020年に解体され、更地化されていました。今回の計画では、長らく活用方法が定まっていなかった旧公館跡地が、ついに本格的な住宅開発へ動き出すことになります。

計画地には、旧都知事公館跡地の南側に隣接する敷地も含まれています。この場所には、かつて東急百貨店健康保険組合保健センターとして利用されていた建物が立地していました。敷地面積は約770㎡で、今回の解体工事では、この建物も撤去対象となっており、旧都知事公館跡地と一体的な開発が進められる見通しです。
両敷地はいずれも第一種低層住居専用地域に指定されており、建ぺい率60%、容積率150%、高さ制限10mという厳しい都市計画条件が設定されています。そのため、大規模タワーマンションではなく、低層高級レジデンス型の開発となる可能性が高いとみられます。渋谷駅徒歩圏にありながら落ち着いた住環境を維持している松濤エリアでは、希少性の高い住宅供給として注目を集めそうです。

松濤は、渋谷駅西側に広がる東京都内屈指の高級住宅街として知られています。かつて鍋島家が運営していた茶園「松濤園」に由来する地名であり、現在でも広大な邸宅や低層住宅が並ぶ落ち着いた街並みが形成されています。
周辺には戸栗美術館や渋谷区立松濤美術館など文化施設も多く、単なる高級住宅街ではなく、文化性を兼ね備えた地域として評価されています。また、鍋島松濤公園をはじめとする緑地も点在し、渋谷駅近接エリアとは思えない静穏な環境が維持されています。

2025年の公示地価では、松濤一丁目の住宅地が1㎡あたり232万円となっており、都内でも極めて高い水準です。近年は富裕層向け住宅需要の高まりを背景に、低層高級レジデンス開発が相次いでおり、今回の住友不動産による計画も、その流れを象徴するプロジェクトといえます。
さらに、渋谷駅から約450m、徒歩約7分という立地条件も大きな魅力です。都市利便性と閑静な居住環境を両立できるエリアとして、国内外から高い注目を集めています。

松濤エリア周辺では、東急百貨店本店跡地を中心とした大規模再開発「Shibuya Upper West Project(渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト)」も進行しています。
同計画は、地上34階・地下4階・高さ約155.7mの超高層複合施設とBunkamuraを再編する大規模プロジェクトで、「Tokyo’s Urban Retreat」をコンセプトに掲げています。低層部には商業・文化施設、中層部にはホテル、高層部には賃貸レジデンスを配置し、渋谷西側エリアの新たなランドマーク形成を目指しています。
設計にはノルウェーの建築・デザイン事務所「Snøhetta」が参画し、文化・芸術機能を強化した施設構成となる点も特徴です。Bunkamuraのミュージアム機能拡張や、新たなホテルブランド「The House Collective」の日本初進出なども予定されています。
今回の住友不動産による松濤マンション計画は、こうした渋谷西側エリア再編の流れとも連動する動きとなります。渋谷駅周辺の大規模都市開発と、松濤の高級住宅地としての価値向上が同時進行することで、今後のエリア価値はさらに高まっていきそうです。
最終更新日:2026年5月29日