茨城県つくば市の「上河原崎・中西特定土地区画整理事業」は、つくばエクスプレス(TX)の開業を契機とした広域的なまちづくりの中核に位置付けられるプロジェクトです。総面積約168.2ha、計画人口約11,000人とスケールが大きく、土地区画整理により道路・公園・緑地・住宅地・商業地などが体系的に整備されます。さらに、圏央道「つくば西スマートIC」開通や東楢戸真瀬線の整備が進んだことで、交通利便性が飛躍的に向上し、今後の都市機能集積と商業振興に大きな期待が寄せられています。
施行期間は、2000年度~2032年度で進められており、地区内では「ドラッグコスモスつくば高山店」が2026年1月24日(土)に開業予定のほか、新昭和とエスコンによる大規模複合商業施設「(仮称)つくば市上河原崎商業施設」の計画も浮上し、万博記念公園駅周辺の新たな商業・生活拠点として注目を集めています。また、地区計画では住宅、商業、沿道サービス、緑地など用途に応じた細やかな区分を設け、田園環境と都市性が調和した街づくりが進められています。
→茨城県 上河原崎・中西地区
→つくばエクスプレス沿線のまちづくり まちづくり計画-上河原崎・中西地区-
→株式会社日本エスコン 新規事業用地の取得に関するお知らせ
上河原崎・中西特定土地区画整理事業の概要
1.TX沿線拠点としての位置づけ
広域的まちづくりの中核となる特定土地区画整理事業としての重要性
田園都市型の都市形成をめざした計画的な市街化誘導
2.事業規模と整備内容
総面積約168.2ha・計画人口約11,000人による大規模区画整理事業
道路・公園・緑地・住宅地・商業地を体系化した基盤整備
3.計画経緯と都市基盤形成の進展
TX開業や用途地域決定を契機とした段階的な都市計画の推進
圏央道開通や道路整備による広域交通との整合強化
4.用途地域と地区区分による土地利用
住宅・商業・工業を組み合わせた多様な用途設定
地区計画に基づく細分化区分による暮らしと事業の最適配置
5.緑地保全と景観形成の方針
既存樹林地の保全や緑被率30%の確保を基本とする環境配慮
壁面後退や外構規制による開放感と統一感ある街並み形成
6.公共施設と交通基盤の拡充
幹線道路・区画道路・公園整備によるアクセス性と安全性向上
公共用地確保による教育・医療・福祉機能の受け皿形成
7.商業施設計画と広域拠点化の進展
新昭和×エスコンによる延べ約1.3万㎡の複合商業施設計画
TXと圏央道の利便性を生かした商業集積と新拠点創出

本地区は「大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進法(大都市法)」に基づく特定土地区画整理事業として位置づけられており、TX沿線開発地域の中でも重要な拠点として整備が進められています。

まちづくりの理念としては、計画的な市街化を誘導すること、商業・公益・住宅が複合する田園都市の形成、そして緑地保全と環境共生の実現が掲げられ、これらを柱としながら地区の特性に応じた“きめ細かな都市デザイン”が展開されています。用途地域も低層住宅地から商業、工業まで幅広く設定されており、広域道路が交差する恵まれた立地条件を最大限に活かした土地利用が、本地区ならではの特徴となっています。


本事業の名称は「研究学園都市計画事業 上河原崎・中西特定土地区画整理事業」で、施行面積は約168.2ヘクタールに及びます。施行期間は平成12年度から令和14年度までと長期にわたり、清算期間も含めて一貫したまちづくりが進められています。


総事業費は約367億円、平均減歩率は40.73%とされ、計画人口は約11,000人を想定しています。事業内容としては、道路、上下水道、公園、緑地といった基盤整備に加え、民有緑地、共同住宅地、沿道サービス地区など多様な都市機能がバランスよく配置されており、持続可能で利便性の高い都市空間の形成が目指されています。


1990年代後半から用地先行取得が始まり、2000年代に入ると用途地域や区画整理事業の都市計画決定が順次進行しました。
2005年のつくばエクスプレス開業は最大の転機で、人口流入や商業需要が高まり地区計画の見直しが繰り返し行われています。
2010年代以降には、島名上河原崎線の開通、圏央道つくば中央IC開通、さらに地区計画の詳細化が進み、広域交通と都市基盤の整合が強化されました。2020年代は事業の最終段階に入り、商業施設計画やスマートIC整備が具体化し、街づくりが一層加速しています。


上河原崎・中西地区では、第一種低層住居専用地域、第一種住居地域、近隣商業地域、工業地域といった多様な用途地域がバランスよく配置されており、区域全体の調和を図りながら機能的な土地利用が進められています。
さらに、地区計画においては、一般住宅A・B地区、沿道住宅A・B地区、共同住宅地区、拠点機能を担うセンター地区、商業・業務系の誘致施設A・B地区、沿道サービス地区、宅地一体型民有緑地地区、緑地保全型民有緑地地区、そして緑景観住宅地区といった細やかな区分が設定され、用途の明確化と環境保全の両立が図られています。これらの計画的な土地利用により、良好な生活環境を守りながら商業・サービス機能を的確に配置し、多様なライフスタイルに対応できる都市構造が構築されています。

TX沿線開発地域では緑被率30%以上が基本方針となっており、本地区でも既存樹林地や草地の保全が重視されています。
壁面後退距離の確保や、敷地の緑化義務、フェンス形状の制限などを定めることで、景観への配慮と開放性のある街並みづくりが進められています。また、誘致施設地区では駐車場や屋外設備の修景が求められ、環境負荷を抑えつつ快適な都市空間を形成します。

土地区画整理により都市計画道路、区画道路、歩行者専用道路、公園、緑地などが整備され、地域全体のアクセス性と安全性が向上しています。特に、複数の主要幹線道路が地区内を横断し、周辺地域への移動が容易になりました。公共用地の確保により、将来的な保育・教育・医療などの施設誘致の可能性も高まり、住環境の質を高める基盤が整っています。


交通面での大きなトピックは、2024年に開通した東楢戸真瀬線の未開通区間(約1km)整備です。これにより県内の都市軸道路が連結し、みらい平駅・守谷駅方面への移動が大幅に便利になりました。
さらに、圏央道「つくば西スマートIC」の開通により、上河原崎・中西地区から高速道路へのアクセスが飛躍的に向上。万博記念公園駅やつくば中央ICにも近く、物流・観光・商業の活性化が期待されます。交通利便性の向上は、地区への居住・投資・商業集積を後押しする重要な要素となっています。


本地区の注目事業として、新昭和とエスコンが共同で計画する(仮称)つくば市上河原崎商業施設(複合店舗棟)があります。地上2階、延床面積約13,245㎡の複合商業施設で、令和9年6月の完成予定です。圏央道つくば西スマートICや万博記念公園駅からのアクセス性を活かした広域型商業施設で、飲食、物販、サービスなど多様なテナント構成が想定されています。

周辺には新興住宅地が広がり、人口増加に伴う生活利便施設の需要も高まっているため、地域住民の日常消費を支える重要拠点となる見込みです。さらに、複合商業施設の整備は地区の商業活性化のみならず、周辺エリアからの来訪者増加による回遊性向上にも寄与するとされています。誘致施設地区としての土地利用方針にも合致し、広域道路沿いの立地特性を生かした新たなランドマーク創出が期待されています。

上河原崎・中西地区は、TX沿線の中でも交通と住環境のバランスが優れ、今後のまちづくりが最も期待されるエリアの一つです。商業施設の整備、住宅地の成熟、緑地空間の維持、道路網の拡充が相互に作用し、田園都市型の新たな広域拠点として成長していくことでしょう。


圏央道とTXが交わる高い広域性は、企業誘致や新産業の創出にも寄与し、つくば全体の都市力向上につながると見込まれています。
今後、整備が進むにつれ暮らしの質がさらに高まり、居住・商業・産業が調和する持続可能な都市空間の実現が期待されます。
最終更新日:2025年12月5日

