サウジアラビアの首都リヤドで建設が始まった「Mukaab(ムカーブ)」は、2030年までに完成を目指す、世界最大の建造物になる予定の巨大プロジェクトです。ムカーブはサウジアラビアが進める「ビジョン2030」の一環として発表され、革新的な都市開発と観光地化を目指す「ニュー・ムラバ地区(New Murabba)」の中心的存在として設計されています。
1. 概要と特徴
- 形状: 名前の「ムカーブ」は「立方体」を意味し、実際の建物も正立方体の形状で高さ400m、幅400m、奥行き400mとなっています。この立方体のサイズは、ニューヨークのエンパイア・ステート・ビルを20棟収容できるほどの規模です。
- 建築デザイン: ムカーブはナジュド様式の建築様式に触発されたデザインを採用しており、ファサードにはアラベスク風の幾何学模様が取り入れられています。
2. 機能と目的
ムカーブの内部は、エンターテインメント、商業、住宅など、多目的に利用できるよう設計されています。延床面積は2,500万㎡とされています。
- エンターテインメント: ムカーブ内にはデジタルスクリーンやホログラム技術を使った没入型の体験ゾーンが計画されており、訪れる人々に独自の体験を提供することを目指しています。
- 商業エリア: 98万平方メートル以上のショッピングモール、レストラン、ホテルなどが内部に設置され、訪問者のニーズを満たします。
- 住居スペース: 10万4,000戸以上の住宅や9,000室のホテルも設けられ、都市生活の中心地として機能します。
3. ビジョンと意義
ムカーブの建設は、サウジアラビアが原油依存から脱却し、新しい経済基盤を築くための大規模プロジェクト「ビジョン2030」に沿っています。ムカーブとニュー・ムラバ地区は、特にリヤドを世界的な観光・ビジネスの中心地へと発展させるための鍵と位置づけられています。
4. 技術と持続可能性
ムカーブは最先端の技術を採用し、エネルギー効率や環境保護にも配慮して設計されています。持続可能なエネルギー供給を取り入れることで、都市の環境負荷を最小限に抑えることが期待されています。このプロジェクトが完成すれば、世界中から観光客やビジネス関係者を集めるだけでなく、サウジアラビアの未来志向の姿勢を象徴するランドマークとなる見込みとなっています。


「Mukaab」の完成予想パースです。

「Mukaab」の完成予想パースです。
最終更新日:2024年10月31日