宮城県多賀城市は、東北学院大学多賀城キャンパスの跡地活用に関し、中心市街地の新たなまちづくりを推進するため、「仙塩広域都市計画用途地域及び準防火地域の変更」並びに「地区計画の決定案」をまとめ、公表しました。対象区域は、多賀城市中央一丁目および中央二丁目にまたがる約11.6ヘクタールの広大な土地で、再開発により住宅や商業、医療、子育て支援、スポーツなど、多様な都市機能を集積した複合市街地が整備される予定です。
この開発は、ミサワホーム株式会社および東北ミサワホーム株式会社が中心となり、市と連携して推進されています。2023年12月には、同社と多賀城市、そして土地を所有していた学校法人東北学院との間で、包括連携協定が締結されました。協定は、健康づくりや防災、子育て支援、高齢者福祉など幅広い分野での地域課題の解決を図りながら、持続可能なまちづくりを進めることを目的としています。
→多賀城市 「仙塩広域都市計画用途地域および準防火地域の変更」および「仙塩広域都市計画地区計画の決定」に関する意見募集について
→日刊建設工業新聞 東北学院多賀城キャンパス跡地再開発/市が都市計画用途地域と地区計画変更案
→ミサワホーム株式会社 東北学院大学多賀城キャンパス跡地にて官民連携で課題解決型まちづくりを目指す 大学跡地開発事業、宮城県多賀城市と包括連携協定を締結
東北学院大学多賀城キャンパスの跡地の再開発の概要
- 都市計画の変更案公表
多賀城市は、東北学院大学多賀城キャンパス跡地における再開発に向けて、用途地域・準防火地域の変更および地区計画の決定案を公表した。 - 開発主体と連携体制
再開発はミサワホームグループが主体となり、市および東北学院と官民連携で進行。2023年12月に包括連携協定を締結。 - 再開発の対象区域と面積
対象は中央一丁目・中央二丁目にまたがる約11.6ha。多様な都市機能を備えた複合市街地の形成を目指す。 - ゾーニングと都市機能の配置
「住宅エリア」「地域の賑わいエリア」「健康増進エリア」の3つの機能分化によるまちづくりが計画されている。 - 市民体育館等の統合施設整備
旧野球場跡地に複合スポーツ施設を整備し、市民の健康増進や災害時の避難拠点として活用。2028年度供用開始予定。 - 用途地域変更と公共施設の将来整備
既存の文化センターなどを含む区域の用途変更により、将来的な公共施設の再編や建替えも視野に入れた計画となっている。 - 今後のスケジュールと注目点
解体工事は着手済み。2025年10月から着工を予定しており、ミサワホームによる本格整備が本格化。駅近の立地も注目されている。

再開発エリアの全景イメージからは、戸建住宅、分譲マンション、商業施設、医療施設、子育て支援施設、スポーツ施設といった多彩な都市機能が、調和のとれた配置で整備される構想がうかがえます。これにより、多賀城市の中心市街地は、暮らす人・訪れる人の双方にとって魅力的な都市空間へと進化し、地域の活性化と市民サービスの向上が期待されます。


上空から見下ろした鳥瞰イメージです。開発区域は、眺望を生かした「住宅エリア」にぎわいを創出する商業・都市型マンションが立ち並ぶ「地域の賑わいエリア」市民の健やかな健康を育む「健康増進エリア」の3つのゾーンに分かれ、明確に機能分担されています。緑豊かな住宅地と利便性の高い都市機能が共存し、多世代が安心して暮らせる街の姿が描かれています。


配置図からは、東南部に位置する8.5ヘクタールのエリアが、現在の第1種中高層住居専用地域から近隣商業地域へと用途変更されることがわかります。この区域には、既存の多賀城文化センターや公共公益施設も含まれており、将来の施設改築や再整備を円滑に進めるための布石とされています。あわせて準防火地域への指定により、建築物の耐火性能向上も図られます。

現地は、現在、解体工事が進められており、2025年10月には着工が予定されています。JR仙石線・多賀城駅から徒歩6分という好立地もあって、今後の進展が大いに注目されています。東北学院大学多賀城キャンパス跡地の再開発は、ミサワホームグループが展開する未来志向の街づくりブランド「ASMACI(アスマチ)」の理念のもとに進められています。「明日を元気に、明日を楽しく」をコンセプトに、医療・介護・子育て支援を中心とした複合施設の整備とともに、持続可能な地域社会の形成を目指します。多賀城市と民間企業が一体となって描くこの官民連携プロジェクトは、地域の未来を大きく切り開く起点となることでしょう。
最終更新日:2025年4月15日