千葉県では、老朽化が進む中庁舎や議会棟などを対象とした「千葉県庁舎等再整備」の検討を本格的に進めています。2026年6月5日に開催された第4回検討会議では、新庁舎の必要規模や建物配置の方向性、防災・危機管理機能の強化などについて議論が行われました。
再整備後の庁舎全体の延床面積は約9万8,500㎡を想定し、このうち1996年竣工の本庁舎約3万3,500㎡は大規模改修を実施、新たに約6万5,000㎡規模の新庁舎を整備する方針です。今後は5つの配置パターンを比較検討しながら、令和8年度末の基本構想・基本計画策定を目指して検討が進められます。
千葉県庁舎等再整備の概要
1.老朽化した県庁舎の再整備
老朽化や狭隘化、防災性能不足などの課題解消を目的とした県庁舎再整備計画。
県行政の中枢機能を将来へ引き継ぐ大規模更新計画。
2.約9万8,500㎡規模の庁舎整備
再整備後の庁舎全体は延床約9万8,500㎡、新庁舎は約6万5,000㎡を想定。
本庁舎は大規模改修を実施しながら活用する整備方針。
3.防災拠点機能の大幅強化
免震構造や浸水対策、長時間対応の非常用発電設備などを導入予定。
災害対策本部機能の集約による業務継続性の強化。
4.行政サービスと執務環境の向上
執務スペースや会議室を拡充し、DXや多様な働き方に対応した庁舎整備。
県民サービス向上と職員の業務効率化を実現する施設整備。
5.5つの配置パターンを比較検討
別棟方式や一体棟方式など5つの建物配置案を比較・検証。
整備性やコスト、周辺環境などを踏まえた最適案の選定。
6.本庁舎は解体せず活用
1996年竣工の本庁舎は全ての整備案で大規模改修を実施し継続利用。
中庁舎や議会棟、南庁舎などを中心とした再編整備計画。
7.令和8年度末の計画策定へ
基本構想・基本計画の策定に向け、具体的な整備内容の検討が本格化。
県行政の新たなシンボルとなる次世代県庁舎の実現。

現在の県庁は本庁舎・中庁舎・南庁舎・議会棟・南庁舎別館で構成されていますが、中庁舎や議会棟などは築50~60年以上が経過し、設備の老朽化や狭隘化、防災性能の不足など多くの課題を抱えています。執務空間の不足や動線の分かりにくさ、会議室や待合スペースの不足といった問題もあり、県民サービスや職員の業務効率にも影響が出ています。
さらに、建物ごとに機能が分散していることで、庁内連携や来庁者の案内にも負担が生じており、現状のままでは将来の行政需要に十分対応しにくい状況です。再整備では、県行政の中枢機能を維持しながら、一体的かつ効率的な庁舎整備を進め、将来にわたって利用しやすい県庁を目指すものとしています。

検討会議では、再整備後に必要となる庁舎全体の延床面積が約9万8,500㎡と試算されました。このうち現本庁舎約3万3,500㎡は改修して活用し、それ以外の約6万5,000㎡を新庁舎として整備する計画とされています。
新庁舎には、現在分散している機能を集約し、執務環境の改善や行政機能の効率化を図る役割も期待されています。加えて、会議や協議、災害対応など多様な用途に柔軟に対応できる空間構成が求められており、将来的な組織改編にも対応しやすい施設づくりが重要になるとされています。総合設計制度による容積率緩和も活用しながら、行政サービスや執務環境の充実を図る方針となっています。


新庁舎では、県の災害対策本部としての役割を強化するため、免震構造の採用や浸水対策、非常用発電設備の長時間稼働などが検討されています。さらに、災害時に必要となる通信機能や情報収集機能の確保、備蓄スペースの充実なども重要な検討項目となっています。
災害発生時には、庁舎が単なる執務の場ではなく、県全体の指揮命令を担う中枢拠点となるため、停電や断水、道路寸断などの厳しい状況でも機能を維持できる設計が求められます。また、分散している災害対策本部機能を集約し、国・警察・消防・自衛隊など関係機関との連携を強化できる施設整備を目指すものとされています。平時だけでなく、大規模災害時にも業務継続が可能な防災拠点の構築が大きな柱となります。


建物配置については、「別棟(順次建替え)」「一体棟(高層)」「一体棟整備・南庁舎残置」「別棟(新庁舎先行整備・南庁舎仮移転なし)」「一体棟(低層)」の5案を比較しています。それぞれに、工事の進め方や仮移転の必要性、敷地の使い方、周辺環境への影響など異なる特徴があります。
たとえば、別棟方式は既存機能を維持しながら段階的に整備しやすい一方で、工期が長くなる可能性があります。一体棟方式は機能集約や動線の効率化に優れる反面、建物規模や周辺景観への配慮が必要になります。機能性や整備コスト、整備期間、周辺環境への影響、羽衣公園の取り扱いなどを総合的に評価し、最適な整備手法を選定していく予定とされています。

検討されている5つの配置パターンはいずれも、地上20階、地下2階、高さ95.4m、1996年1月竣工の超高層庁舎となっている本庁舎を解体せず、大規模改修を行ったうえで引き続き活用することを前提としています。本庁舎は新耐震基準で整備されており、建物性能を生かしながら長寿命化を図る方針です。
一方で、老朽化が進む中庁舎や議会棟、南庁舎などは建替えや再編の対象となり、新庁舎との機能分担を図りながら県庁全体を再構築していきます。今後は5つの配置パターンを比較・検証し、令和8年度末の基本構想・基本計画策定に向けて最適な整備方針を決定する予定です。


再整備では、執務スペースや会議室の拡充、ユニバーサルデザインの導入、DXに対応した執務環境の整備などにより、行政サービスの向上を図ります。来庁者にとって分かりやすく利用しやすい庁舎とすることに加え、職員が働きやすい環境づくりも重視されます。
窓口機能の配置や案内動線の改善、待合空間の充実などを通じて、県民が安心して利用できる庁舎を目指す考えです。また、「県民の安全・安心を支える強靭な庁舎」「環境負荷の低減に配慮した脱炭素型の庁舎」「水辺や緑と調和する県行政のシンボル」を基本理念に掲げ、新たな県庁舎の実現を目指しています。令和8年度末の基本構想・基本計画策定に向け、今後さらに具体的な整備内容が固められる見通しです。
出典:千葉県 千葉県県庁舎等再整備基本構想・基本計画検討会議結果
最終更新日:2026年7月11日