厚木市では、新庁舎建設に伴って役割を終える現本庁舎敷地の跡地活用として、「厚木市新たな交流拠点としての多目的アリーナ整備」の検討を進めています。事業対象地は厚木市中町三丁目の約8,686㎡で、小田急小田原線「本厚木」駅から徒歩約8分という中心市街地に位置しています。多目的アリーナはスポーツ、音楽、ビジネスイベントなど幅広い用途への対応を想定し、3,000席から5,000席程度の規模を軸に検討が進められています。
厚木中央公園や大手公園、地下駐車場など周辺施設との一体的な活用によって、中心市街地の回遊性やにぎわいを高める新たな交流拠点が目指されています。事業手法についてはPFI-BTO方式やBT+コンセッション方式などを候補として検討しており、民間のノウハウを取り入れた持続可能な運営体制の構築も視野に入れています。現在は基本計画の策定に向けた市場調査や市民意見の聴取などが進められており、今後、施設規模や配置、事業手法などの具体化が進むことになります。
厚木市本庁舎敷地跡地 多目的アリーナ整備の概要
1.現本庁舎敷地を活用した多目的アリーナ整備
厚木市中町三丁目の現本庁舎敷地約8,686㎡を活用した新たな交流拠点の整備計画
新庁舎建設後の跡地における中心市街地活性化の核となる多目的アリーナの導入
2.「ヒト・モノ・コトをつなぐハブ」を基本理念に設定
スポーツ・文化芸術などを通じて多様な人々が集い交流する新たな結節点の形成
周辺地域への経済波及効果や本厚木駅周辺の求心力向上、市民のシビックプライド醸成
3.3,000~5,000席規模のアリーナを想定
プロスポーツや音楽コンサート、展示会・MICEなど幅広い用途に対応する施設規模の検討
スポーツ特化型、劇場・音楽特化型、スポーツ・音楽兼用型による複数モデルの比較検討
4.本厚木駅徒歩8分の好立地を生かした回遊性向上
小田急小田原線「本厚木」駅から約700m、徒歩約8分に位置する中心市街地の交通利便性
本厚木駅や市街地とアリーナ、厚木中央公園などをつなぐ歩行者ネットワークの形成
5.厚木中央公園など周辺施設との一体的な活用
厚木中央公園、大手公園、厚木中央公園地下駐車場などを含めた「周辺エリア」の価値向上
公園とアリーナを連続的に活用した憩い・交流空間の創出と災害対応力の強化
6.民間活力を活用した持続可能な運営体制
PFI-BTO方式やBT+コンセッション方式を候補とした設計・建設・運営手法の検討
民間事業者のノウハウや創意工夫を生かした運営効率化と財政負担軽減の両立
7.2032年度の開業を見据えた事業スケジュール
2025~2026年度の基本計画・PFI導入調査から設計・建設へ進む段階的な事業展開
2029~2031年度の建設工事を経て、2032年度の開業を想定した整備スケジュール

多目的アリーナの計画地となるのは、厚木市中町三丁目17番17号に位置する現・厚木市役所本庁舎敷地です。敷地面積は約8,686㎡で、現在の本庁舎は1971年1月に竣工した鉄筋コンクリート造・地上5階地下2階、延床面積約9,016㎡の建物となっています。免震改修が実施されているものの、2025年7月時点で築54年が経過しており、建物の劣化も進行しています。

新庁舎建設によって本庁舎としての役割を終えた後は、単なる跡地利用ではなく、中心市街地の新たなまちづくりを担う重要な場所として活用する方針です。周辺には約1万9,400㎡の厚木中央公園、大手公園、約500台を収容する厚木中央公園地下駐車場などが立地しており、これらを含めた一帯を「周辺エリア」と位置付けています。本庁舎敷地だけで完結する施設ではなく、既存の公共施設や公園との連携を図りながら、エリア全体の価値を高める活用が検討されています。


本事業の基本理念には、「ヒト・モノ・コトをつなぐハブ(結節点)としての多目的アリーナ」が掲げられています。スポーツ観戦や音楽コンサートをはじめ、見本市・展示会などのビジネス利用まで幅広いイベントを開催することで、市内外から多様な人々を呼び込む交流拠点を目指しているものとされています。
トップリーグのプロスポーツなど「みるスポーツ」の環境を整えるほか、高いエンターテインメント性を持つアーティストによる音楽イベントにも対応することで、本厚木駅周辺の新たな集客拠点となることが期待されます。また、市内企業などによる展示会やイベントの開催を通じて、新たなビジネス機会を生み出すことも想定されています。さらに、来場者による飲食、宿泊、観光などの消費を通じた周辺産業への経済波及効果や、本厚木駅周辺における新たなまちの求心力の創出、市民のシビックプライド醸成など、施設単体にとどまらない地域全体への経済的・社会的効果も見込まれています。

施設計画では、3,000席と5,000席の2段階の規模を軸として、スポーツ利用特化型、劇場・音楽特化型、スポーツ・音楽兼用型の3パターンをモデルとして検討しています。スポーツ利用特化型では約1,900㎡のアリーナ平場とロ型の客席、劇場型では約720~1,600㎡の平場と馬蹄型の客席、兼用型では約2,500㎡の平場とU型の客席などが想定されています。

これらは現段階で配置や規模を比較検討するためのモデルプランであり、最終的な建物形状や座席配置、ステージなどが確定したものではありません。施設内部には、売店や飲食、ラウンジ、多目的スペースなどのホスピタリティ・収益施設を導入し、貸館収入だけに依存しない運営モデルを構築する考えです。
また、コンサート、スポーツ、MICEなど多様な利用形態に柔軟に対応できるよう、バックヤードや付帯諸室についても十分な容量を確保する方向です。搬入車両の動線や関係者駐車場、来場者の滞留スペースなどについても、イベント開催時の安全性と運営効率を考慮して検討されています。


計画地は小田急小田原線「本厚木」駅から約700m、徒歩約8分の距離にあり、中心市街地から歩いてアクセスしやすい立地となっています。さらに東名高速道路厚木ICから自動車で約10分、圏央厚木ICから約20分、新東名高速道路厚木南ICから約30分など、広域交通からのアクセスにも優れています。厚木市は東名高速道路や国道246号、国道129号、圏央道、新東名高速道路などが整備された交通結節点でもあり、市内だけでなく周辺地域からの集客も期待できる立地です。

アリーナ整備では、この立地特性を生かして駅と市街地を結ぶ歩行者の回遊性を高めることが重視されています。エントランスについては南側案と北側案を設定し、南側では本厚木駅や市街地からのアクセス性、北側では公園との直通動線や広場との連続性など、それぞれの特徴を比較検討しています。また、厚木中央公園や大手公園、地下駐車場と連携することで、イベント時だけでなく日常的にも人が滞在・交流できる一体的な公共空間の形成が期待されます。さらに、大規模災害時には防災機能を確保し、本厚木駅周辺の災害対応力を高める役割も担う計画です。

事業手法については、従来型の公共事業だけでなく、民間活力を最大限に活用する方式が検討されています。現在の候補としてPFI-BTO方式とBT+コンセッション方式が挙げられており、設計・建設・維持管理・運営を一体的に捉えながら、民間事業者のノウハウや創意工夫を取り込む方針です。PFI方式では設計段階から運営の視点を取り入れることができ、施設の使いやすさや運営効率の向上、財政負担の平準化などが期待されています。一方、BT+コンセッション方式では、民間による運営権を活用し、施設の収益性を高めながら長期的な運営を目指す考え方となります。

事業スケジュールは、直接方式の場合、2025~2026年度に基本計画・PFI導入調査などを行い、2027年度に基本設計、2028年度に詳細設計、2029~2031年度に建設工事を実施し、2032年度の開業を想定しています。
PFI-BTO方式やBT+コンセッション方式では、2027~2028年度に事業者公募、2029年度に詳細設計、2030~2031年度に建設工事を行い、同じく2032年度の開業を想定しています。今後はサウンディング調査やオープンハウスなどを通じて民間事業者・市民双方の意見を取り入れながら、施設規模、配置、事業手法、運営方法などを具体化していく段階となります。
出典:厚木市 本庁舎敷地の跡地利用
最終更新日:2026年9月10日