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2026年アジア競技大会やアジアパラ競技大会のメイン会場となる「パロマ瑞穂スポーツパーク(瑞穂公園陸上競技場)」再整備事業!!
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小田急多摩線延伸計画先の相模総合補給廠一部返還地「相模原駅北口地区土地利用計画骨子素案とまちづくりコンセプト」が公表!!民意を反映していたスタジアム構想は消滅か!?

令和7年4月15日に開催された第10回相模原駅北口地区土地利用計画検討会議では、昨年度に実施した民間提案募集の結果を踏まえ、土地利用計画骨子素案が公開され、今後のまちづくりに向けた議論が行われました。会議では、民間事業者からの提案を基に、土地利用計画策定に向けた基本方針とコンセプトが共有され、今後の検討方向性が明示されました。提案には「ライフ」「イノベーション」「交流」の3つの考え方があり、それぞれが地域に求められる機能や特色に応じた多様なアプローチを提供していくものとされています。

会議では、民間事業者からの具体的な提案とその評価が中心となり、土地利用計画骨子素案に対する意見収集が行われました。特に、環境負荷の低減や交通負荷の改善を意識した設計、また、地域住民や企業の交流促進を図る施設の整備に関するアイデアが多く示されました。これからの検討において、提案内容を反映しながらさらに精緻化されていく予定です。

→相模原市 相模原駅北口地区土地利用計画検討会議の開催状況について

相模原駅北口地区土地利用計画骨子素案とまちづくりコンセプトの概要
  1. 検討会議と骨子素案の公表
     令和7年4月15日に第10回相模原駅北口地区土地利用計画検討会議が開催され、民間提案を踏まえた土地利用計画骨子素案が公表された。
  2. 民間提案の内容と検討経過
     12者から寄せられた提案は「ライフ重視」「イノベーション重視」「交流重視」の3タイプに分類され、今後のまちづくりの基礎資料として活用される。
  3. 提案の傾向と評価
     中低層・低容積率、環境・交通負荷への配慮、多世代居住や既存商業との調和など、地域特性と持続可能性を重視した提案が多かった。
  4. 土地利用の基本方針
     緑と歩行者空間を重視した中低層・低密度のまちづくりを基本方針とし、複合的な施設配置で地域の利便性と活力を高める。
  5. まちづくりの構成パターン
     街区配置は「グラフパターン」「グリッドパターン」の2案が検討されており、それぞれ緑や人の動線を意識した構成になっている。
  6. 交通とモビリティ施策
     交通渋滞の抑制に向けて、モビリティハブやスローモビリティ、ドローン配送などの新たな移動手段の導入が提案されている。
  7. 環境配慮と地域連携の重要性
     ゼロカーボン、木質活用、地域連携型エリアマネジメントの導入など、持続可能で地域に根ざしたまちづくりが目指されている。

相模原駅北口地区の土地利用計画策定に向けた民間提案募集は、昨年度に実施されたもので、12者からの提案を受けて、10社でプレゼン・対話が検討が行われました。この募集において、民間事業者が提案した各種のアイデアは、今後のまちづくりにとって重要な基盤となります。民間提案募集は、地域に必要な機能や施設、環境整備を視野に入れた提案が求められ、最終的には、3つの主要なケース(ライフ重視、イノベーション重視、交流重視)に集約されました。

各ケースに基づく提案内容は、エリアの将来像に応じた機能配置や施設計画を構築し、環境負荷や交通負荷を低減するための対策、また、地域の特性を生かした魅力的な街づくりが目指されています。この提案募集は、相模原駅北口地区が持つポテンシャルを最大限に活かし、地域活性化と持続可能な開発を実現するための重要な一歩となりました。

出典:相模原市
出典:相模原市

民間提案の評価においては、いくつかの主要な傾向が浮かび上がりました。まず、低容積率の中低層施設が提案され、これは地域に優しい環境を作るための鍵となる要素です。また、緑を中心にした街区形成が進められ、環境負荷の低減や交通負荷の軽減が意識されています。提案の中には、ゼロカーボン実現や長期的な土地利用の柔軟性を確保するためのアイデアも多く見られました。

居住施設に関しては、多世代型の住戸供給やサービスの複合化が提案され、500〜1000戸規模の中低層の集合住宅の建設が求められました。また、商業施設においては、既存商業エリアとの共存を意識した提案が多く、大規模商業施設の導入に関しては、その影響や交通負荷の懸念も指摘されています。

相模原駅北口地区のまちづくりに関する土地利用計画骨子素案は、基本的な方針を示しており、これにはいくつかの重要な施策が含まれています。まず、まちづくりの基本方針として、中低層・低密度の街並みが目指されています。この方針により、周辺の自然環境と調和した穏やかな雰囲気が醸成され、地域全体の調和が図られます。

さらに、緑の配置が強調されており、各街区が緑で繋がることで、自然との共生が進められます。これにより、環境に配慮したエリアづくりが促進され、地域住民にとっても快適な生活環境が提供されることが期待されます。

また、歩行者空間の確保も重要な要素として取り上げられており、交通渋滞を緩和するため、一般車両の地区内への乗り入れは縁辺部に限定されます。その結果、広々とした歩行者空間が整備され、歩行者が安全に、そして快適に移動できるようになります。

さらに、地域の利便性と活気を高めるために、業務開発、商業、居住機能が複合的に配置されることが提案されています。業務開発エリアは駅前や南北道路に沿って配置され、商業機能は低層の建物で、延床面積が6〜10万㎡規模で配置される予定です。これにより、地域の活性化が図られるとともに、住民や利用者の利便性も向上します。

相模原駅北口地区のまちづくりにおいては、2つの異なる街区配置パターンが検討されています。まず、「グラフパターン」では、大規模な街区で構成され、各街区には豊富な緑が配置されます。この配置は全体的に低密度となり、歩行者が快適に移動できる広々とした空間が確保され、住民や訪問者にとって利便性が高い環境が提供されます。

一方、「グリッドパターン」では、街区がヒューマンスケールに分けられ、緑がエリア全体に行き渡ります。このパターンでは、各エリアの機能が明確に分けられており、商業、居住、業務開発などが複合的に配置されることが計画されています。どちらのパターンにも共通して、地域住民や企業の交流が促進される空間が重視されており、エリア全体が連携し合って活性化することが期待されています。

相模原駅北口地区の開発においては、持続可能なまちづくりが重要なテーマとなっています。提案には、CO2排出量実質ゼロを目指すための具体的な取り組みが含まれており、例えば木質活用やバイオマス発電の導入、グリーンインフラの配置などが挙げられています。これにより、環境に優しく、地域社会全体が持続可能な形で発展することを目指しています。

出典:相模原市
出典:相模原市

過去には、「相模原駅北口地区土地利用計画骨子(素案)」と「相模原駅北口地区まちづくりコンセプト(素案)」を公表していました。これらの素案では、広域交流拠点にふさわしいにぎわいと回遊性のある空間の形成を目指し、駅周辺には「都市型MICE施設」や「業務・商業機能」などを集約する方針が示されていました。また、南北に連続した歩行者空間やイベント広場などの整備を通じて、交流とにぎわいの創出を図るとしています。さらに地域資源を活かした「相模原らしさ」の発信にも力を入れており、魅力的な場づくりが構想されています。駅西側には業務・商業・居住機能の複合施設の導入も見込まれており、地域全体の活性化が目指したものとなっています。

一方で、2021年に公表された「相模原駅北口地区土地利用計画の方向性」中間まとめにおいては、今回の骨子素案やコンセプトでは明示されていない「タワーマンション」や市民の7~8割から望む声のあった「スタジアム」といった大規模かつ高密度施設の配置案も含まれていました。これらの施設は、土地利用の高度化や都市的な景観形成、さらには観光やスポーツによる集客効果を見込んだものでしたが、今回の素案では、「スタジアムなどの民設民営により実現するものには合致しない」「中低層・低密度のまちづくりを行う」と真逆の考え方、否定的な案が示されています。このまま計画が進めば、15階建て程度の中層の大規模マンションや戸建て新新興宅地、ショッピングモールという、どこにでもある郊外や地方の光景となってしまいかねません。市民の7~8割が望む声があったスタジアム構想を取り消すのではなく、実現可能な方法を模索するなど、具体的な建築計画や施設導入に関する議論の深化が今後の課題といえます。

今後の土地利用計画の策定においては、地域住民や民間事業者、行政の連携を深めつつ、提案内容を実現可能な形に進化させていく必要があります。エリアマネジメントの体制を整え、地域活動やイベントを通じて地域貢献を果たすための仕組みも検討されています。これにより、相模原駅北口地区はただの開発区域にとどまらず、地域社会全体が活性化し、持続可能な未来へと繋がる場所となることが期待されています。

今後も、土地利用計画の骨子素案に対する意見や過去に公表されていた相模原駅北口地区土地利用計画の方向性などを反映させながら、具体的な計画が策定され、相模原駅北口地区の魅力を最大化するための取り組みが進められます。

最終更新日:2025年5月9日

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