埼玉県春日部市では、東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)北春日部駅西口から約200mに位置する約40.5haの区域を対象に、「北春日部駅周辺地区土地区画整理事業」が進められています。本事業は、北春日部駅周辺の農地を中心とした土地利用を転換し、約1,000戸、約3,000人が暮らす戸建て住宅を中心とした新たな市街地を形成するものです。
駅に近い立地を生かして、商業、医療、福祉などの生活利便施設を集積するとともに、公園や歩行者・自転車ネットワーク、雨水流出抑制施設などを整備し、快適・安心・便利な地域拠点の形成を目指すものとしています。地区中央南側を横断する「北春日部駅西口南栄町線」や、宮代町方面へつながる「梅田内牧線」を幹線道路として整備し、交通ネットワークの強化も図ります。施行者は地権者で構成される北春日部駅周辺地区土地区画整理組合で、事業期間は2022年11月11日から2037年3月31日までを予定しています。
北春日部駅周辺地区土地区画整理事業の概要
1.約40.5haを対象とした大規模土地区画整理事業
北春日部駅西側の約40.5haを対象に、農地を中心とした土地利用を新たな市街地へ転換する土地区画整理事業
駅から約200mの立地を生かし、住宅、商業、生活利便施設、公園、道路などを一体的に整備する地域拠点形成
2.約1,000戸・約3,000人の戸建て住宅地を形成
約17.2haの住宅地に約1,000戸、約3,000人が暮らす低層戸建住宅を中心とした新たな住宅市街地
1宅地当たり約120~200㎡を基本とし、駅近接の利便性と農地・河川などの自然環境を生かした住環境
3.かえで通り沿いに商業・生活利便機能を集積
地区中央を横断する「かえで通り」をシンボルロードとして整備し、商業ゾーンや暮らしの質向上ゾーンを配置
ショッピングモールや農産物直売所、フードコート、子育て支援施設、サテライトオフィスなどの立地検討
4.幹線道路と歩行者・自転車ネットワークを整備
幅員16mの北春日部駅西口南栄町線と梅田内牧線を整備し、北春日部駅周辺と周辺地域を結ぶ交通ネットワーク
主要区画道路や自転車歩行者道などを配置し、住宅地と駅・商業施設を安全につなぐ歩行者・自転車動線
5.6カ所の街区公園による緑豊かな住環境を形成
地区内に6カ所の街区公園を配置し、子どもから高齢者まで幅広い世代が利用できる身近な憩いの空間
地区面積の3.0%以上などの基準を確保し、平常時の交流空間と災害時の防災機能を兼ね備えた公園整備
6.調整池・雨水貯留管による水害対策を実施
隼人堀川沿いに調整池を整備するとともに、幹線道路などに雨水貯留管を設ける雨水流出抑制対策
湛水想定区域への対応とともに、調整池を自然環境や親水空間として活用する防災・環境対策
7.北春日部駅を中心とした新たな地域拠点を形成
住宅、商業、生活利便施設、道路、公園などを一体的に整備し、約3,000人の居住人口を受け入れる新市街地
北春日部駅周辺地区土地区画整理組合を施行者とし、2022年11月から2037年3月までを予定する長期的なまちづくり

北春日部駅周辺地区土地区画整理事業の施行区域は約40.5haで、東武伊勢崎線北春日部駅の西側約0.2~1.0kmに位置しています。北側を一級河川の隼人堀川に接し、そのほかの周辺を既存住宅地に囲まれた区域となっており、駅から徒歩圏にありながら、事業開始時点では区域の大半が水田や畑地として利用されていました。

土地利用の現況は農地が88.7%を占め、公共用地が10.6%、その他が0.7%で、宅地はありませんでした。また、区画整理事業着手時点では地区内に居住者がおらず、既存建物も基本的にないことから、まとまった土地を活用して新たな市街地を形成できる区域となっていました。事業では、こうした土地利用を計画的に転換し、住宅地、商業地、公園、道路などを一体的に整備する計画とされています。


土地利用計画では、北春日部駅に近接する利便性を生かし、低層戸建住宅による土地利用を基本とした住宅地を整備します。住宅地として計画されている面積は約17.2haで、予定戸数は約1,000戸、予定人口は約3,000人となっています。1宅地当たりの敷地規模は約120~200㎡を想定し、ゆとりのある住宅地を形成する計画です。
住宅ゾーンでは、子育て世帯から高齢者世帯まで幅広い世代が住み続けられる環境を目指し、複数の住宅エリアを形成するものとしています。のびのび暮らせるエリアや落ち着いた住環境を持つエリア、商業施設に近く利便性の高いエリアなど、立地に応じた住宅地づくりが検討されています。周辺に広がる農地や河川などの自然環境も生かしながら、駅近接の利便性と自然の豊かさを両立させた市街地が形成されます。


地区の中心部を東西方向に横断する「かえで通り」は、新たな市街地のシンボルロードとして整備される計画です。かえで通りの両側には商業ゾーンや「暮らしの質向上ゾーン」が配置され、住宅地と北春日部駅を結ぶ動線の中核として、日常生活を支える施設の集積が図られます。

商業ゾーンでは、地区住民の暮らしを支える生活利便施設の集積を図るとともに、地区の特性に関連する施設の立地によってにぎわいが創出されます。計画イメージではショッピングモールなどの施設が想定され、生活に必要な店舗を集約するほか、農産物直売所や地元の食を生かしたフードコートなどの導入も検討されています。一方、暮らしの質向上ゾーンでは、子育て支援施設やサテライトオフィスなど、多様な世代の暮らしを支える施設の配置が検討されています。


交通基盤では、地区中央南側を横断する都市計画道路3・4・17号北春日部駅西口南栄町線(かえで通り)を幅員16.0mの幹線道路として整備されます。さらに、北春日部駅西口南栄町線から地区北側の宮代町方面へつながる都市計画道路3・4・32号梅田内牧線も幅員16.0mで整備する計画となっており、北春日部駅周辺から周辺市町へつながる交通ネットワークの形成が進められます。


地区内には、主要区画道路や区画道路、自転車歩行者道などを段階的に配置し、住宅地への通過交通の流入を抑えながら、安全で利便性の高い道路網を構築します。また、かえで通りは地区のシンボルロードとして、歩いて暮らせるまちづくりを支える空間となる計画です。北春日部駅と住宅地、商業施設などをつなぐ歩行者・自転車動線を整えることで、駅を中心とした回遊性の向上も期待されます。


公園・緑地計画では、地区面積の3.0%以上、かつ計画人口1人当たり3.0㎡以上の公園面積を確保する方針で、地区内に6カ所の街区公園が配置されます。公園は子どもから高齢者まで地区住民が気軽に訪れ、遊び、集える場所として整備するとともに、緊急時には防災機能を発揮できる空間としての活用も想定されています。


防災面では、地区北側を流れる隼人堀川沿いに調整池を整備し、雨水流出量の抑制を図ります。地区はほぼ全域が湛水想定区域に指定されていることから、宅地造成などによる雨水流出量の増加分だけでなく、盛土による対策量についても調整池などで対応する計画です。さらに、幹線道路などには雨水貯留管を設け、水害に強いまちづくりを進めるものとしています。調整池については、防災機能だけでなく、周辺の自然環境を生かした親水空間としての活用も図られます。

北春日部駅周辺の整備は、春日部市の都市計画マスタープランにおいても、快適・安心・便利な日常生活を支える「地域拠点」として位置付けられています。内牧地域では、住宅地、商業地、農地、工業地などのバランスの取れた土地利用を目指すとともに、北春日部駅周辺では生活利便施設や公共施設などの立地促進を図る方針が示されています。

本事業では、駅に近い立地を生かして住宅、商業、生活利便施設、公園、道路などを一体的に整備し、これまで農地が中心だった約40.5haの区域を新たな市街地へと転換します。施行者は北春日部駅周辺地区土地区画整理組合で、2025年12月時点の組合員数は116名です。業務代行者には積水化学工業と大本組、事務代行者には昭和が参画し、事業費の調達・立替え、企業誘致、工事の一括施工、組合事業の事務や調査設計などを担います。


北春日部駅周辺では、既存の住宅地に加えて駅西側に大規模な住宅市街地と商業・生活サービス機能が形成されることで、駅を中心とした新たな都市のまとまりが生まれることになります。約1,000戸の住宅と約3,000人の居住人口を受け入れるとともに、かえで通りを軸としたにぎわい、公園や調整池による緑・水辺の空間、幹線道路による広域的な交通ネットワークを組み合わせることで、北春日部駅周辺の将来像を大きく変える市街地整備となります。
最終更新日:2026年9月29日