都市開発ニュース
羽田空港跡地第1ゾーンで計画が進むPark-PFIを活用した都市公園整備「(仮称)羽田空港公園」!!お祭り広場やスポーツフィールドなど複合機能を備えた公園に!!
仙台駅前の再開発停滞で暫定活用へ転換「EDEN跡地」!!芝生広場と駐車場でにぎわい創出へ!!
イトーヨーカドー綱島店跡地で計画が進む「(仮称)横浜市港北区綱島西二丁目計画」!!野村不動産が取得し開発構想!!
東北新幹線七戸十和田駅周辺約26.1haで進められた都市基盤整備「七戸十和田駅周辺地区」!!供用開始から遂に2周年の七戸町総合アリーナも建つ!!
旧小田急仙台ビル跡地で計画が進むプリンスホテルが入る「(仮称)仙台市青葉区一番町プロジェクト」!!容積率緩和制度や地下鉄沿線の都市計画提案制度活用へ!!
茨城県つくばみらい市・TXみらい平駅周辺の約274haの大規模都市開発「みらい平駅地区(伊奈・谷和原丘陵部一体型特定土地区画整理事業)」!!都市軸道路沿いも整備が進み、ロピアみらい平店も開業!!
誘致合戦が本格化する「中日ドラゴンズのファーム拠点(2軍)移転」!!瀬戸市・安城市・桑名市など各地で争奪戦!!
有楽町駅前で2026年度後半に開設予定のアート・商業・ホスピタリティが融合した文化発信拠点「YURAKUCHO PARK(有楽町パーク)」!!有楽町ビル・新有楽町ビルの解体工事が進む!!
宮城県仙台市・再整備で都心の魅力を刷新する「勾当台公園再整備事業」!!にぎわいと憩いが融合する新たな都市拠点へ!!
2026年11月20日(金)に開園が決定したグラングリーン大阪の「うめきたの森」!!滝や池のある水景や全通するひらめきの道などから構成される“都市の森”!!
コツ通りから南千住のタワマン群へ至る新たな道路整備「都市計画道路補助第331号線整備事業」!!立ち退きが進み、高架下の道路工事も進む!!
関電ビルディングやダイビル本館の隣接地に木質オフィスビル「中之島三丁目共同開発Ⅳ期計画」を建設へ!!中之島 四季の丘と連続した緑や歩行空間も創出!!
(仮称)旧上瀬谷通信施設観光・賑わい地区開発事業により整備される「KAMISEYA PARK(仮称)」!!ジャパンコンテンツと最先端テクノロジーを融合した次世代型テーマパークに!!
基本計画策定へ本格始動「(仮称)今治市合同庁舎整備」!!今治の中心市街地に新たな複合的な行政拠点誕生へ!!
埼玉高速鉄道の延伸による新たなまちづくり「地下鉄7号線中間駅まちづくり」!!約120haで定住人口約1万人規模の複合市街地の創出へ!!
曳舟で地上14階・240戸の高層マンションや商業施設から構成される再開発「(仮称)東武曳舟駅前地区第一種市街地再開発事業」!!公共空間の質の向上を図る広場型再開発に!!
町屋駅南側の三菱電機ビルソリューションズ旧本社跡地で計画が進む「(仮称)荒川7丁目計画」!!住友不動産による大規模マンション建設か!?
埼玉高速鉄道が延伸へ遂に始動!!浦和美園〜岩槻間約7.2kmを延伸する「地下鉄7号線延伸」埼玉県・さいたま市が速達性向上事業を要請!!
新横浜プリンスペペ跡地に 「マクニカ新社屋」建設へ!!オフィスとショールームを併設する複合機能型施設に!!
柏の葉キャンパスで竣工・稼働開始したSMCの研究開発拠点「Japan Technical Center」!!柏の葉アクアテラスの親水空間と一体化した近未来建築!!

米軍施設の根岸住宅地区跡地約50haを開発して住宅地や文教ゾーン、森林公園ゾーンを形成する「(仮称)新根岸地区土地区画整理事業」!!

横浜市中区・南区・磯子区にまたがる「根岸住宅地区」は、昭和22年に米軍に接収されて以来、長い年月にわたり市域のまちづくりに大きな制約を与えてきたエリアです。市民にとっては「閉ざされた土地」として存在し続け、都市の連続性が途絶える要因ともなってきました。平成16年には日米合同委員会で返還方針が合意され、さらに令和元年には原状回復作業のための共同使用が認められるなど、返還実現に向けた段階的な動きが進んでいます。

返還後の土地は、約50haという広大な面積を誇り、横浜市内では極めて希少性の高い都市資源となります。その活用にあたっては、都市課題の解決や地域の魅力向上に直結する可能性を秘めており、市では環境に配慮した基盤整備を行う「(仮称)新根岸地区土地区画整理事業」を計画しています。令和9年度の都市計画決定、令和11年度の工事着手を目標としており、横浜の都市構造を大きく変えるプロジェクトとして注目を集めています。

→横浜市 根岸住宅地区の跡地利用
→横浜市 106.(仮称)新根岸地区土地区画整理事業(米軍返還前) 環境影響評価手続

(仮称)新根岸地区土地区画整理事業の概要
  1. 返還の経緯と背景
     昭和22年に米軍に接収された根岸住宅地区は、長らく横浜市の都市づくりを制約してきた土地であり、平成16年に返還方針が決定。令和元年には原状回復のための共同使用が合意され、返還実現に向けた具体的な動きが進んでいる。
  2. 土地の規模と価値
     計画地は約50haに及ぶ広大な面積を持ち、市内では極めて希少な未利用地。返還後は横浜の都市構造を変えるポテンシャルを持つ重要な都市資源と位置づけられている。
  3. 事業の目的
     米軍住宅地を市民に開かれた空間へ転換し、環境に配慮した持続可能な街づくりを進める。住宅や教育研究拠点、公園整備を通じて、快適な住環境と都市機能を両立させることを狙う。
  4. 事業手法
     「土地区画整理事業」を導入し、土地の提供と再配分を行いながら道路・公園などの基盤を整備。無秩序な宅地化を防ぎ、計画的な都市開発を可能にする。
  5. 土地利用計画
     跡地は「文教ゾーン(大学・研究機能)」「住宅ゾーン(良質な住環境)」「森林公園ゾーン(緑地拡張・憩いの場)」の3つに分けて整備し、教育・居住・自然が調和した都市モデルを形成する。
  6. 環境・防災への配慮
     広域避難場所としての機能を維持しつつ、緑地整備や透水性舗装による環境負荷の軽減を実施。災害に強く持続可能な街づくりを推進する。
  7. スケジュールと展望
     令和9年度に都市計画決定、令和11年度に工事着手を目標とする。返還後は横浜都心やみなとみらいと連携し、市の成長戦略を支える新しい都市拠点となることが期待される。

*2025年8月時点での根岸住宅地区跡地の様子

第二次世界大戦後、横浜市内の広い範囲が米軍施設として接収され、市の都市づくりは長らく制約を受けてきました。根岸住宅地区もその一例であり、戦後70年以上にわたり地域住民の自由な利用が叶わず、地元にとって「空白地帯」として存在してきました。

平成16年に返還方針が決定して以降、横浜市は「米軍施設返還跡地利用指針」や「跡地利用基本計画」などを策定し、地域の将来像を検討してきました。これらは単なる開発計画ではなく、市の成長戦略に直結する重要な政策でもあり、市民・専門家・行政が参加して議論が重ねられてきました。今回の区画整理事業は、こうした長年の議論を具体化する第一歩といえます。

計画区域は中区・南区・磯子区にまたがる約50haで、根岸駅から北へ約1km、吉野町駅から南へ約1kmの高台に位置しています。横浜の都心部やみなとみらい21地区へのアクセスにも優れており、将来的には市中心部との連携を深める役割も期待されます。

周囲には国道16号・357号、横浜鎌倉線といった幹線道路が通り、広域交通ネットワークとの結節点としても重要な位置づけを持ちます。さらに、根岸森林公園や山手地区など緑豊かな地域に隣接しているため、自然環境と都市機能を両立できる立地条件を備えています。都市の利便性と自然の豊かさを兼ね備えた点が、この地区の大きな魅力です。

本事業の目的は、米軍住宅地の跡地を安全かつ持続的に活用できるよう整備し、市民に開かれた新しい都市空間へと転換することです。公共施設の整備改善を進め、快適な住環境を整えるとともに、教育・研究・医療などの機能を取り込み、横浜市の将来を担う基盤を築く狙いがあります。

事業手法には「土地区画整理事業」が採用されます。これは土地所有者が一定割合で土地を提供し、道路・公園など公共施設を整備したうえで、残りの土地を再配分する方式です。これにより、無秩序な宅地化を防ぎ、計画的かつ環境に配慮した街づくりが可能となります。

出典:横浜市

跡地は大きく3つのゾーンに分けて整備される方針です。

  • 文教ゾーン:横浜市立大学医学部の教育・研究拠点としての利用が想定されています。高度医療や先端研究を担う施設が立地することで、横浜市の医療・研究力を強化する効果が期待されます。
  • 住宅地ゾーン:低層住宅を中心に、良質で安心できる住環境を整備します。子育て世帯や高齢者も暮らしやすい街区設計とし、地域コミュニティの形成を促進します。
  • 森林公園ゾーン:根岸森林公園の拡張を通じて、市民が自然と触れ合える空間を創出します。散策路や広場の整備によって、日常的に利用できる憩いの場を提供します。

これらのゾーンを有機的に連携させることで、教育・居住・自然が調和した新しい都市モデルの形成が目指されます。

この地域はかつて「広域避難場所」としての役割も担っており、防災上の重要性が非常に高いエリアです。そのため、区画整理事業においても避難路や安全なオープンスペースを確保し、災害時に市民が安心して避難できる仕組みを維持します。

また、開発に伴う環境負荷の軽減も重視されています。切土・盛土の際には景観や眺望への影響を考慮し、道路や歩道には透水性舗装を導入。街区内には緑地を積極的に配置し、ヒートアイランド現象の抑制や生態系保全を図ります。こうした取り組みによって、持続可能で災害に強い街づくりを進める方針です。

施工は原状回復作業の終了後に順次進められます。工事に際しては、騒音・振動・粉じんの抑制、工事車両の安全運行、建設副産物のリサイクルといった環境対策が徹底されます。特に周辺住民への影響を最小化するため、情報提供や説明会などを通じて透明性の高い事業運営が求められています。

さらに、工事期間中においても地域社会との協力関係を重視し、住民参加型のまちづくりを同時並行的に進めていくことが想定されています。工事そのものを単なる物理的な造成作業にとどめず、地域との対話を通じて「次世代にふさわしい街づくり」を進めることが特徴といえるでしょう。

*最寄り駅のJR根岸線「根岸」駅

市は令和9年度に都市計画決定を行い、令和11年度の工事着手を目指しています。ただし、これは米軍施設の返還時期や原状回復の進捗に左右されるため、柔軟な調整が必要とされます。

事業が実現すれば、教育拠点、住宅地、公園が調和した新しい街並みが誕生し、横浜都心部やみなとみらい地区との連携が一層深まるでしょう。さらに、市全体の成長戦略とも呼応しながら、地域の魅力と国際競争力を高める役割を果たすことが期待されます。

長年閉ざされてきた土地が市民に開放されることで、横浜の都市構造は新たな段階へと進化し、歴史的にも大きな転換点を迎えることになるといえます。

最終更新日:2025年8月31日

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