長崎駅前で計画されている大黒町地区第一種市街地再開発事業の都市計画素案を長崎市が公表しました。この再開発事業では、築60年以上が経過し老朽化が進んだ長崎県営バスターミナルおよび周辺の建物を解体し、新たに2棟の複合ビルへと建て替えます。延床面積は約20,900平方メートルに及び、バスターミナル機能の向上に加え、商業、オフィス、宿泊施設など多様な都市機能を備えた新たな拠点が誕生する予定です。
都市計画の決定は2025年5月頃に予定されており、その後は本組合の設立を含めた詳細な調整を経て、再開発事業が本格的に進められます。建物の完成までには、都市計画の手続きや建設工事などを考慮すると、約5~6年程度の期間が必要と見込まれています。これにより、長崎市の玄関口である大黒町地区が、より利便性の高い都市空間へと生まれ変わることが期待されます。
→日刊建設工業新聞 長崎市/大黒町地区再開発、2棟総延べ2万平米に
→長崎新聞 長崎県営バスターミナル建て替え 国道の一部を拡幅、バス停車帯を整備へ
大黒町地区第一種市街地再開発事業の都市計画素案概要
- 再開発の目的:
長崎市大黒町地区における老朽化した長崎県営バス長崎駅前ターミナルと周辺ビルの建て替えを目的とする。新しい複合ビルに改築予定。 - 規模と構成:
2棟の複合ビルを建設し、合計で約2万0900平方メートルの延べ面積となる。ビル内にはバスターミナル、商業施設、オフィス、ホテルなどが含まれる。 - 都市計画変更:
再開発に伴い、周辺の都市計画が変更される。特に、江戸町道ノ尾線の道路部分の変更や、新たなバス停車帯の設置が予定されている。 - 再開発区域:
対象区域は約0.9ヘクタールで、A街区(約3800平方メートル)とB街区(約1200平方メートル)が含まれる。A街区にはバスターミナル、商業施設、宿泊施設が予定され、B街区には商業施設と駐車場が計画されている。 - 道路の改善:
A街区に隣接する江戸町道ノ尾線の車道が拡幅され、バス専用の停車帯(バスベイ)が新設される予定。 - 住民説明会:
2025年2月13日、長崎県と市が住民向けに都市計画案について説明会を開催。住民からの意見も受け付けており、今後の審議を経て都市計画決定が予定されている。 - 完成までの期間:
再開発事業は、都市計画決定後、組合設立や建設工事を経て、ビルの完成までに約5~6年かかる見込み。

今回の再開発は、長崎交通産業ビルを含むA街区(約3,800平方メートル)と、その南東側に位置するB街区(約1,200平方メートル)を対象に行われます。A街区では、バスターミナル機能の強化に加え、商業施設やオフィス、ホテルを組み込んだ大規模な複合ビル(延べ約16,700平方メートル)を建設予定です。これにより、観光客や通勤客の利便性が向上し、駅前の活気がさらに高まることが期待されます。
一方、B街区には、商業施設と駐車場を備えたビル(延べ約4,200平方メートル)が建設され、A街区と一体的に利用される計画です。両棟の建物は連絡通路で接続される予定で、利用者の移動のしやすさも考慮されています。今回の再開発により、老朽化した建物が刷新され、長崎駅前エリアの都市機能が大きく向上することが期待されています。
再開発と並行して、A街区に面する江戸町道ノ尾線(国道202号)の車道拡幅も計画されています。新たに幅約3メートル、延長約85メートルのバス停車帯(バスベイ)が整備され、バスの発着がよりスムーズに行われるようになります。これまで、長崎交通産業ビル前の国道では、通勤ラッシュ時にバスが連なり、混雑が発生していました。また、現在は降車専用のバス停しかなく、観光客にとって乗車場所が分かりにくいという課題が指摘されていました。
今回の道路拡幅とバス停車帯の整備により、渋滞の緩和だけでなく、観光客や地元住民にとっての利便性向上が期待されます。加えて、バリアフリー対応の強化や、路面電車などとの乗り継ぎ利便性の向上も見込まれており、長崎駅前の交通結節点としての機能が大きく向上することになります。今後、都市計画案の縦覧や審議会を経て、正式な都市計画決定が進められ、本格的な再開発がスタートする予定です。
最終更新日:2025年2月19日