沖縄県では、スポーツを核とした地域活性化と観光振興を目指し、「サッカースタジアム整備等推進事業」を進めています。本事業は、那覇市の奥武山(おうのやま)公園内にJリーグ規格のサッカースタジアムを整備し、2031年度の供用開始を目指すものです。新スタジアムは、当初は1万人規模の観客席を備え、段階的に2万人規模まで拡張可能とする設計が検討されています。
単なるスポーツ施設の整備にとどまらず、本事業は「スポーツアイランド沖縄」の実現に資する中核プロジェクトとして、競技スポーツと生涯スポーツの両面から振興を図ります。また、県民の健康増進、人材育成、地域のにぎわい創出、DX推進といった波及的な効果も期待されています。試合のある日だけでなく、試合のない日にも多くの人々が訪れ、地域の新たな交流拠点となるスタジアムづくりが進められています。
サッカースタジアム整備等推進事業の概要
1. スポーツを軸とした地域活性化
沖縄県による、スポーツを通じた地域活性化と観光振興の推進施策。
2. スタジアムの整備場所とスケジュール
那覇市奥武山公園内に整備予定のJリーグ規格スタジアムと、2031年度の供用開始計画。
3. 初期規模と拡張性
当初1万人規模から段階的に2万人規模へと拡張可能なスタジアム設計。
4. スポーツアイランド沖縄の中核施設
県が掲げる「スポーツアイランド沖縄」構想の中核を担う施設整備。
5. 県民の健康・教育への寄与
競技や観戦の場にとどまらない、健康づくりや青少年育成、生涯スポーツへの貢献。
6. 地域に開かれた公共空間
試合日以外もにぎわいを創出する、交流・体験型のスタジアム整備。
7. 波及効果の多面性
スポーツ産業、観光、雇用、地域経済などへの多方面にわたる波及効果。

スタジアムの整備予定地となっている奥武山公園は、那覇市の中心部に位置し、約29.8ヘクタールという広大な敷地を持つ都市型公園です。この中の約6.2ヘクタールがスタジアム整備の事業対象地となっており、既存の陸上競技場や補助競技場、芝生広場、第1駐車場の南側区画などを活用して整備が進められます。
アクセスの良さや都市部に位置する利便性を活かし、競技場としての機能だけでなく、地域住民や観光客が日常的に立ち寄れる公共空間としての側面も重視されます。2025年7月には住民説明会が開催され、計画の概要や今後の展望について県民との意見交換も始まりました。今後、設計段階や運営方針にも地域の声を反映させながら、開かれたスタジアム整備が目指されています。

沖縄県が掲げる「スポーツアイランド沖縄」は、スポーツを通じて観光、教育、国際交流、人材育成など多方面にわたる地域振興を目指す取り組みです。本スタジアム整備事業はその中核を担うものであり、競技スポーツの拠点整備を通じて国際大会やプロスポーツの誘致、さらには地域に根差したスポーツ文化の醸成が図られます。
スタジアムはスポーツコンベンションの誘致拠点としても活用され、観光の新たな選択肢を提供する都市型リゾートとしての役割も期待されています。また、スポーツアカデミーとの連携や子ども向けイベントの開催などにより、未来を担う人材の育成にも貢献。試合以外の体験型イベントや文化交流も展開され、多様な利用者がスポーツに親しめる空間が創出されます。

サッカースタジアムの整備は、単に競技を行う場を提供するだけではありません。沖縄県は本施設を、スポーツ振興・観光振興・地域経済の活性化など、複合的な波及効果を持つ施設として位置づけています。例えば、観戦機会の拡充やプロスポーツの誘致によってスポーツ産業が成長するだけでなく、イベント開催に伴う宿泊・飲食・交通など関連産業の活性化も期待されます。
また、スタジアムは子どもたちのスポーツ体験の場ともなり、夢を育む環境として機能します。高い競技環境が整備されることで、競技レベルの向上や人材育成にも直結。日常的な健康増進や、地域社会への貢献といった公的な意義も高く、スタジアムがもたらす公共サービスは多岐にわたります。

スタジアム整備において掲げられた基本方針は、「つくる/はぐくむ」「あつまり、ともに、つながる」「誰もがアクセスできる」という3つの視点に集約されます。これは、スポーツ施設を競技者・観戦者・地域住民がともに共有する場所として位置づけ、公共性と多機能性を兼ね備えるという考え方に基づいています。
文部科学省の「第3期スポーツ基本計画」や沖縄県の観光振興計画など、上位計画とも整合性を図りながら、複合施設としての活用や地域経済への波及効果、観光コンテンツとしての魅力創出などを含めた施設設計が進められています。スタジアムは単なる競技場ではなく、「にぎわいを生み出す公共空間」として整備されるのが特徴です。


本スタジアムは、以下の3つの利用者視点で設計されています。「使う」=競技施設としての機能、「楽しむ」=観戦や体験型のエンタメ空間としての機能、そして「賑わう」=試合のない日も訪れることができる日常的な交流拠点としての機能です。
これにより、競技者だけでなく、観戦するファン、地域住民、観光客、子どもたちなど多様な層が交わる場所が生まれます。例えば、スタジアム内には飲食店やイベントスペース、室内ウォームアップエリア、会議室なども整備され、ロッカールームや観客席は一般開放される場面も想定。観戦と同時に、街の魅力と文化を体験できる空間となることが意図されています。
スタジアムは、1万人規模の観客席を備えた当初整備からスタートし、将来的には屋根付きサイドスタンドの増設などにより、最大2万人規模まで拡張できる段階的整備が計画されています。このアプローチにより、初期建設費および維持管理費の圧縮が図られ、長期的なライフサイクルコストの最適化が見込まれています。
さらに、この段階的整備の過程では、地域住民や県民の意見を積極的に取り入れながら、設計や運営方針を柔軟に調整していく方針です。こうした対話型プロセスにより、持続可能で地域に根差したスタジアム運営が期待されています。県内初となる全観客席屋根付きのフットボールスタジアムとして、快適かつ高臨場感な観戦体験を提供しながら、沖縄県の未来に寄与する拠点が創出されようとしています。
最終更新日:2025年8月2日

