つくばみらい市では、常磐自動車道に新たに整備される「（仮称）つくばみらいスマートインターチェンジ（IC）」を契機に、周辺地域の魅力と潜在力を最大限に活かす新たなまちづくりを進めています。このエリアは東京都心から約40km圏に位置し、みらい平地区を中心に人口増加が続いており、今後も企業誘致や居住環境の向上に向けたポテンシャルの高い地域とされています。
市では、このスマートICの設置による交通利便性の向上を追い風に、「新産業・交流地域」として地域の将来的な成長を担う新たな拠点形成を目指し、地元地権者との連携のもと、組合施行による土地区画整理事業の導入を進めています。代表企業には鹿島建設株式会社、構成企業には丸紅株式会社、東急不動産株式会社、株式会社大洋が参画しており、民間の力を活かした開発が期待されています。
このまちづくりは、地域の課題を解決しつつ、世代を問わず人々が集い交流する空間を創出することで、地域経済や暮らしの質を高めることを目的としています。
（仮称）つくばみらいスマートIC周辺地区土地区画整理事業
- スマートIC設置を契機とした新たなまちづくりの推進
常磐自動車道に整備される（仮称）つくばみらいスマートICを起点に、地域の交通利便性を活かした開発を計画。人口増加中のみらい平地区を含む周辺エリアのポテンシャルを引き出し、未来志向のまちづくりを目指す。 - 民間と連携した組合施行による土地区画整理事業
地元地権者と協力し、鹿島建設・丸紅・東急不動産などが参画する民間主導型の整備手法で開発を推進。公民連携による効率的かつ魅力的な都市開発が期待されている。 - 自然環境との共存を図る景観形成
現地は田園風景が広がる地域で、自然と調和した空間づくりを重視。農業の魅力を活かした施設整備や、都市と農の共存による新しい景観形成が計画されている。 - 約57haに及ぶ広大な開発区域
古川・成瀬・加藤地区の一部を含む開発エリアは、市の中心機能や教育施設に近接し、生活利便性と行政機能を備えた拠点となることを想定。 - 3ゾーンに分けた機能的な土地利用構想
「賑わい・交流ゾーン」「新産業ビジネスゾーン」「次世代ロジゾーン」の3エリアで多機能な都市空間を創出。地域資源を活かしながら、雇用・産業・生活を支える機能をバランスよく配置。 - 都市計画マスタープランに基づく将来像の提示
市の都市計画において本区域は「新産業・交流地域」として明確に位置付け。防災、環境、地域資源の活用を軸とした、持続可能な地域社会の構築を目指している。 - 地域住民との協働による魅力あるまちづくり
農地や緑地の風景に親しむ住民と対話を重ねながら、安心・安全・誇りの持てる地域を形成。将来にわたり世代を超えて愛される場所を目指す。
開発予定地やその周辺は、現在は広大な農地が広がるのどかな田園地帯として知られています。季節によって様々な表情を見せるこの風景は、地域の自然資源や農業の魅力を象徴しており、開発においてもその価値を活かした空間づくりが求められています。
今後は、こうした環境を尊重しつつ、多世代が集まり活発に活動できるエリアへと段階的に転換されていく予定です。計画では、農業の付加価値を高めるための拠点施設や、交流の場となる複合施設の導入も想定されており、「新産業ビジネスゾーン」を中心として農地と都市的機能が調和した新たな都市景観の形成が期待されています。
施行面積は、つくばみらい市の古川・成瀬・加藤の一部を含む約57ヘクタールに及ぶ広大なエリアです。このエリアは、常磐自動車道や主要幹線道路に近接しており、将来的には広域的な交通ネットワークのハブとしても重要な役割を果たすことが見込まれています。
また、谷和原庁舎や小中学校とも隣接しており、行政機能や教育施設との連携による利便性の高いまちづくりも可能です。都市機能と生活機能が融合した、持続可能なエリア開発のモデルとしての実現が期待されており、市では地元地権者との協議を重ねながら、準備会や勉強会を通じて丁寧な準備を進めています。
土地利用構想では、地域の特性や立地条件を踏まえた3つのゾーンに分けて整備が検討されています。谷和原庁舎や学校などが近接する「賑わい・交流ゾーン」では、子どもから高齢者まで多世代が集い、文化・レクリエーション・地域イベントなどを通じた交流を育む拠点が整備される予定です。
「新産業ビジネスゾーン」では、周辺の農地と連携し、農産物の加工や研究開発、地場産業の振興など、地域資源を活かした産業拠点の形成を目指します。そして「次世代ロジゾーン」はスマートIC至近の立地を活かし、先進的物流施設などのインフラの整備が計画され、交通結節点としての機能も高められます。これらのゾーンの整備にあたっては、公募により選定された民間事業者の提案が活かされる仕組みとなっており、柔軟で魅力ある開発が可能となっています。
つくばみらい市では、都市計画マスタープランにおいて本エリアを「新産業・交流地域」と明確に位置付け、将来の市全体の発展を見据えたまちづくりビジョンの中核としています。これにより、単なる都市開発にとどまらず、広域的な“にぎわいの創出”が目指されています。
少子高齢化や農業従事者の減少、自然災害への備えといった現代社会が抱える課題に対し、防災性・環境保全・地域資源の活用を融合した複合的な対策が盛り込まれており、安心して暮らせる未来志向の地域づくりが期待されています。また、交通や商業、産業が有機的に連携することで、周辺都市とも調和しながら持続可能な広域連携の拠点となることを目指しています。
現在の現地には、住宅が点在する広々とした農地や緑地が広がっており、開放感のある景観が特徴です。地域住民にとっても馴染みの深いこの風景は、今後の開発においても単なる都市化ではなく、自然や暮らしの調和を重視した計画が求められています。
この風景が変わっていく過程では、住民との対話や合意形成が不可欠となりますが、同時に、地域資源としての“みどり”の価値を再評価し、防災性の高い空間づくりや都市農村交流の拠点として再構築するチャンスでもあります。地域の人々が誇りを持ち、世代を超えて愛される場所としての進化が期待されています。
最終更新日：2025年4月30日
