令和7年度第2回「小牧駅前広場等整備基本計画に関する有識者会議」が、2025年12月25日に開催されました。本会議では、平成30年に策定された「小牧駅前広場等整備基本構想」を基礎に、社会環境の変化や市民ニーズを踏まえながら、名鉄小牧駅を中心とした駅前広場および周辺空間の再編・高度化に向けた検討が進められています。
小牧駅周辺は、市の「中心拠点」として公共交通の結節機能、にぎわい創出、歩行者中心の空間形成が求められるエリアであり、人口動態の変化や高齢化、商業環境の低迷といった課題への対応も不可欠です。今回の有識者会議は、これらの背景を踏まえ、将来を見据えた駅前空間のあり方を具体化していく重要なステップと位置づけられます。
今回公表された2つの案のうち、1つ目の案では、ホテルや宴会場、テナント、駐車場から構成される「名鉄小牧駅ビル」を存続させる計画としています。その上で、駅の東側にバスロータリー、都市公園、駐輪場を配置し、西側には都市公園および一般車・タクシーのロータリーを整備する構成となっています。
一方、2つ目の案では、「名鉄小牧駅ビル」を解体し、南東側に民間のホテルと市の多目的ホールを併設した複合施設を新たに建設する計画です。あわせて、南西側には都市公園を配置し、北側にはロータリーや駐輪場を整備する内容となっています。
→小牧市 令和7年度第2回小牧駅前広場等整備基本計画に関する有識者会議
→小牧市 小牧駅前広場等整備基本構想 ※平成30年3月公表
→建設通信新聞 小牧市/現ビル継続案を示す/駅前広場の基本計画検討
→建通新聞 小牧駅前広場等整備基本計画 25年度策定目指す
小牧駅前広場等整備の検討の概要
1.有識者会議開催の概要
令和7年度第2回有識者会議を2025年12月25日に開催。
小牧駅前広場等整備基本計画の検討を進める場としての位置づけ。
2.基本構想と上位計画との関係
第6次小牧市総合計画や都市計画マスタープランとの整合。
名鉄小牧駅周辺を中心拠点とする都市構造の形成方針。
3.駅周辺を取り巻く環境変化
ピーチライナー撤去や公共施設整備方針決定による転換期。
人口動態の変化や高齢化進行を背景とした駅前再編の必要性。
4.交通結節点としての課題
一般車送迎や路上駐停車による動線錯綜と安全性の問題。
公共交通と歩行者の円滑な接続を目指す広場再構築の必要性。
5.2案に示された駅前再編の考え方
名鉄小牧駅ビルを存続させ東西に広場機能を分散配置する案と、駅ビルを解体し複合施設と公園・ロータリーを再構成する案の提示。
駅前機能の再編手法の違いによる、交通結節点強化とにぎわい創出の方向性。
6.駅前広場に求められる役割
通過空間から滞在空間への機能転換。
高齢者や子どもを含む誰もが利用しやすい公共空間の形成。
7.今後の整備に向けた展望
交通利便性向上とにぎわい創出の両立を図る計画検討。
小牧市の顔となる中心市街地再生プロジェクトとしての期待。

小牧駅前広場等整備基本構想は、第6次小牧市総合計画や都市計画マスタープラン、立地適正化計画など、市の上位計画と整合を図りながら策定されたものです。名鉄小牧駅周辺は、広域的な都市機能の集積を担う「中心拠点」とされ、公共交通ネットワークの核として重要な役割を果たすことが期待されています。
本構想は、単なる駅前広場の再整備にとどまらず、都市機能誘導、交通結節点の強化、中心市街地の魅力向上を一体的に進めるための基本的な考え方を示しています。

構想策定以降、小牧駅周辺では大きな環境変化が生じています。ピーチライナーの全線撤去方針、新図書館やこども未来館の整備方針決定などにより、駅周辺の土地利用や人の流れは転換期を迎えています。

また、駅勢圏人口は増加傾向にある一方、高齢化の進行が顕著であり、誰もが安心して利用できる公共空間の整備が求められています。商業面では事業所数や売上の減少が続き、駅前のにぎわい創出が大きな課題となっています。

交通実態調査からは、駅前広場における一般車の乗降、路上駐停車、バス・タクシー動線の使いづらさが明らかになっています。特に送迎需要(キス・アンド・ライド)への対応不足や、歩行者動線との錯綜は、安全性・快適性の面で課題とされています。今後の整備では、鉄道・バス・タクシー・自転車・徒歩がスムーズにつながる交通結節点としての再構築が重要となり、バリアフリー化や分かりやすい動線計画が求められます。

市民アンケート調査では、「車での駅前広場の利用のしやすさ」「高齢者や子どもに配慮した通行環境」「駅周辺の治安」「街並みの景観」といった項目で満足度が低く、重要度が高い結果が示されました。
また、駅前にカフェや飲食店、待ち合わせしやすい場所が少ないことへの不満や、夜間の暗さ・人通りの少なさへの不安など、駅前空間の質に対する切実な声も多く寄せられています。駅前広場は「通過する場所」から「滞在したくなる場所」へと転換することが求められています。


今回の有識者会議では、こうした現状分析や市民意見を踏まえ、駅前広場等整備基本計画の具体化に向けた検討が進められました。今後は、公共交通の利便性向上とにぎわい創出を両立させる空間デザイン、民間活力の活用、イベント利用も見据えた柔軟な広場整備などが重要なテーマとなります。
小牧駅前広場等整備は、小牧市の「顔」を再構築するプロジェクトであり、中心市街地全体の活性化に波及する取り組みとして、今後の議論と計画の深化が注目されます。
最終更新日:2026年1月6日