日本福祉大学は、2025年4月8日に東海キャンパス拡張工事の安全祈願祭を開きました。東海キャンパス拡張工事は、2025年5月15日に着工する計画で、次世代に向けた新たな学びの拠点づくりを本格的にスタートしました。
この拡張事業は、地域と連携しながら実践的な学びを深化させる「ふくしの総合大学」としての使命を体現するものであり、多様な価値観や専門性が交わる“共創のキャンパス”を目指す大規模プロジェクトです。設計・施工を担当するのは、名古屋市中区に本社を構える株式会社鴻池組。工期は2026年11月までを予定し、翌2027年4月には新棟の供用開始が予定されています。
建設地は、名鉄太田川駅に近接する「東海太田川駅西土地区画整理事業」区域内で、現在の東海キャンパスに隣接する好立地に位置しています。敷地面積は約25,700㎡、建物は延床面積約13,500㎡、地上3階建ての構造で、教室や研究室に加えて、多目的ラウンジ(コモンズ)、大屋根付き広場、シェアオフィスなど、学びと社会が交わる多彩な施設が整備されます。
また、美浜キャンパスにある社会福祉学部(定員1,680人)がこの新棟に移転し、現在の東海キャンパスにある3学部1研究科と合わせ、総勢約3,400人が学ぶ大規模な教育・研究拠点へと生まれ変わります。学部の垣根を越えた連携と、新たな知・価値の創造を可能にするこの拡張工事は、日本福祉大学が掲げる「Well-being for All」の実現に向けた、力強い布石となります。
→日本福祉大学 東海キャンパス拡張事業
→建通新聞 【愛知】日本福祉大学東海キャンパス拡張工事
→東海市 東海太田川駅西土地区画整理事業
→東海太田川駅西土地区画整理組合
日本福祉大学東海キャンパス拡張工事の概要
- 事業の開始と目的
日本福祉大学は2025年4月10日、東海キャンパス拡張工事に着工し、次世代型の学びと共創を実現する新キャンパス整備を本格始動しました。 - 設計・施工と工期
設計・施工は株式会社鴻池組(名古屋市中区)が担当。工期は2026年11月までを予定し、2027年4月に新棟の供用開始を目指します。 - 立地と敷地面積
新キャンパスは名鉄太田川駅近くの「東海太田川駅西土地区画整理事業」区域内に位置し、敷地面積は約25,700㎡です。 - 建物の規模と構造
延床面積約13,500㎡、地上3階建ての鉄骨鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)で、多様な用途に対応できる施設構成が特徴です。 - 主な施設と機能
教室・研究室のほか、コモンズ(多目的ラウンジ)、大屋根付き広場、シェアオフィス、学生支援センターなど、学内外の交流を促す機能を充実させています。 - 学部再編と学生数の拡大
美浜キャンパスの社会福祉学部(定員1,680人)が移転し、東海キャンパスに集約。合計約3,400人が学ぶ大規模キャンパスとなります。 - ビジョンと社会的役割
「ふくしの総合大学」として学部横断的な連携を深め、地域・産官学とつながりながら、「Well-being for All」を実現する新たな価値創造の場を目指します。

新キャンパスの建設地は、名鉄常滑線・河和線「太田川駅」から徒歩数分の好立地に位置しており、名古屋駅からわずか16分というアクセスの良さを誇ります。さらに、岐阜・三重・静岡といった中部エリアの主要都市からもスムーズに通学・訪問が可能なため、学生や教職員だけでなく、地域住民や企業、行政関係者など、多様な人々が気軽に足を運べる「開かれた大学」としての役割が期待されます。
また、キャンパスの位置するエリアは「東海太田川駅西土地区画整理事業」によって再開発が進められており、周囲には住宅、商業施設、物流施設の建設が計画されているなど、都市としての機能も拡張中です。大学の新棟は、このまちづくりの中核的な存在として、学術文化の発信や地域交流の拠点として機能し、東海市全体のにぎわいと活性化にも大きく貢献していくことが期待されています。

新キャンパスの建物は地上3階建てで、学修・研究・交流のすべてを支える機能が階層ごとにバランスよく配置されています。1階には、学生の多様な学びとライフスタイルをサポートする「Innovationコモンズ」「Projectコモンズ」などの多目的ラウンジに加え、カフェや学生支援センター、保健室、オープン教室、シェアオフィスなど、学外の人々とも自然に交わることができる空間が整備されます。
2階には、大教室、中教室、小教室などが並び、講義や発表、アクティブラーニングに柔軟に対応。ゆとりあるホワイエ空間は、学生同士の立ち話や即席のディスカッションなど、偶発的なコミュニケーションも生む設計となっています。3階は研究機能を中心に構成されており、「LABコモンズⅠ・Ⅱ」や研究センター、個別の研究室が配置され、学内外の研究者とのネットワークを広げ、実践的な探求活動が推進される場となります。

新キャンパスの内装・空間設計には、「誰かとともに創る」というコンセプトが採用されています。一人ひとりが快適に過ごせる個の空間を確保しつつも、自然と他者とつながり、刺激を受け合うことで新しいアイデアや価値が生まれる“共創”の空間を目指しています。ラウンジエリアでは、焚き火を囲むようなリラックスした「CAMP」スペース、靴を脱いでくつろげる「KOAGARI」、グループワークを活性化する「GROUP1」など、空間ごとに異なるテーマを設け、多様な過ごし方に応える設計が施されています。

さらに、「Hi-COUNTER」や「BOX席」「SEMINER-MINI」など、アクティブラーニングやプレゼンテーションに最適な設備も充実。オンラインとのハイブリッド活用を前提としたWi-Fi環境の整備や、全天候型の人工芝広場「DOME」など、外の空間も活動の一部として組み込まれています。このように、物理的な建物(ハード)に留まらず、ソフト面の運用や空間コーディネートを担う人材の育成にも注力し、長期的に価値を創出し続ける“未来型キャンパス”の姿がここに描かれています。
東海太田川駅西土地区画整理事業

名鉄太田川駅を中心に、東西に広がる約100haのエリアで、東海市の未来を担う大規模なまちづくりが進行しています。特に「東海太田川駅西土地区画整理事業」は、駅西側の約34.4haを対象に、都市の活力とにぎわいを創出する新しい中心市街地の形成を目指す重要なプロジェクトです。
このエリアでは、「産業物流」「広域交流」「学術文化」「高次都市機能」「住宅」といった5つのゾーンに区分し、それぞれの特性に応じた機能や施設の導入を計画しています。
3D都市モデルやICT技術を活用し、まち全体の機能とサービスを効率化・高度化させるスマートシティ構想も推進。市民や来訪者が安心・安全に暮らし、訪れ、交流できる都市空間の創出が期待されています。

また、地域全体で取り組む「テクテクTokai構想」のもと、「まち歩き」や「ものづくり体験」など、人と人、人とまちがつながる多彩な仕組みを導入。子どもから大人までが楽しめる、東海市の新たな魅力の発信拠点となることを目指しています。
本地区は、名鉄常滑線と河和線が交わる太田川駅の西側に位置し、駅から徒歩圏内にあることに加え、中部国際空港や名古屋駅へのアクセスも良好で、広域交通網のハブとして極めて高いポテンシャルを有しています。さらに、西知多道路の大田インターチェンジ(仮称)からも近く、将来的な交通利便性のさらなる向上が期待されています。

ゾーニングは、5つの機能別エリアで構成されており、「産業物流地区」では工業や研究開発、流通機能の集積を図り、「広域交流地区」では観光施設やイベント空間を通じて市の魅力を外部に発信します。また、「学術文化地区」には大学や文化施設、「高次都市機能地区」には住居と都市機能が調和した複合施設、「住宅地区」には快適で駅近な住環境の整備が進められています。
これらの複合機能が一体となり、暮らす・学ぶ・働く・楽しむといった都市の基本要素をバランスよく備えたまちへと発展していきます。住民だけでなく、来訪者にとっても魅力的で機能的な都市空間を実現するこのまちづくりは、東海市の「顔」として、将来にわたって発展し続けることが期待されています。
最終更新日:2025年4月11日