東武伊勢崎線(竹ノ塚駅付近)連続立体交差事業は、東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)の竹ノ塚駅付近約1.7km(足立区栗原四丁目~東伊興三丁目)を連続的に高架化した都市計画事業です。赤山街道をはじめとする区道2か所の、いわゆる「開かずの踏切」(伊勢崎線第37号踏切・第38号踏切)を除却し、慢性的な交通渋滞の解消と鉄道・道路双方の安全性向上が図られました。
あわせて都市計画道路や駅前広場を整備することで、鉄道により分断されていた東西市街地の一体化を実現。2011年に都市計画決定・事業認可を取得、2012年に着工し、2024年3月(2023年度末)に事業が完了、2025年2月末には西口駅前広場も完成しました。施行者は足立区で、特別区が主体となる連続立体交差事業の先駆的事例でもあります。
東武伊勢崎線(竹ノ塚駅付近)連続立体交差事業の概要
1.事業の目的と位置づけ
東武伊勢崎線の竹ノ塚駅付近約1.7kmを高架化する都市計画事業。
踏切除却と都市基盤整備を通じた安全性向上と市街地一体化の実現。
2.事業区間と構造形式
足立区栗原四丁目から東伊興三丁目に至る延長約1.7kmの区間。
高架式(嵩上式)および一部地表式による連続立体交差化。
3.開かずの踏切の解消
伊勢崎線第37号踏切および第38号踏切の除却。
慢性的渋滞の解消と歩行者・自転車を含む交通安全対策の強化。
4.事業化の経緯
2005年の踏切事故と地域署名活動を契機とする事業推進。
2011年都市計画決定、2012年着工、2024年3月完了の事業経過。
5.駅施設の再整備
ホーム延長約170m・幅員約9mの高架駅整備。
バリアフリー化と駅前広場整備による交通結節機能の向上。
6.施工体制と工事工程
4工区体制による段階的な上下線高架切替工事。
鋼矢板撤去等の課題を克服した長期的施工プロセス。
7.まちづくりへの波及効果
鉄道による東西分断の解消と都市計画道路の整備。
防災性向上と地域拠点性強化をもたらす都市再生事業の成果。

竹ノ塚駅前後の踏切は、列車本数の増加により遮断時間が長く、1日あたり約15時間以上閉まることもある「開かずの踏切」として地域課題となっていました。2004年度の踏切台帳では、第37号踏切の交通遮断量は6万台時/日超、ピーク時の遮断は約58分に及ぶなど、生活道路としての機能を大きく阻害していました。

2005年3月には第37号踏切で死傷事故が発生し、地域では高架化を求める機運が急速に高まりました。署名は短期間で20万人を超え、国への要請を経て採択基準が拡充。これを契機に、足立区が主体となって事業化へと進みました。踏切除却により、交通渋滞の解消、緊急車両の円滑通行、歩行者・自転車の安全確保が図られています。


東武伊勢崎線(竹ノ塚駅付近)連続立体交差事業は、都市高速鉄道である東武鉄道伊勢崎線を対象とした連続立体交差事業であり、施行者は足立区です。事業区間は約1.7kmにわたり、構造形式は高架式(嵩上式)を基本とし、一部に地表式を組み合わせた計画となっています。
対象となる竹ノ塚駅では、ホーム延長約170m、幅員約9mの規模で駅施設が整備され、駅全体が高架駅として再構築されました。本事業では、上下の急行線および緩行線を段階的に高架へ切り替える手法が採られ、最終的に全4線が高架化されています。


これにより、沿線に存在していた2か所の踏切が完全に除却され、交通渋滞や踏切事故の解消が図られました。あわせて、都市計画道路や駅前広場の再編も進められ、交通結節点としての機能が強化されています。さらに、エレベーターやエスカレーターの整備などバリアフリー化も推進され、安全性と利便性の向上が実現しました。


東武伊勢崎線(竹ノ塚駅付近)連続立体交差事業は、2011年3月に都市計画決定がなされ、同年12月に事業認可を取得したことをもって本格的に始動しました。2012年3月には東武鉄道と施工協定を締結し、同年11月には起工式が執り行われ、工事がスタートしています。
その後、工事は段階的に進められ、2016年5月には下り急行線の高架化が完了しました。続いて2020年9月に上り急行線が高架化され、さらに2022年3月には上下緩行線の高架化が完了し、これにより対象区間の全4線が高架へ切り替えられました。そして2024年3月、関連する整備を含めたすべての事業が完了しています。


当初は2021年3月の完了を予定していましたが、草加寄りの高架橋建設時に使用された鋼矢板約2000枚が線路内に埋設されていることが判明し、その撤去作業などに想定以上の時間を要しました。この影響により完了年度は延伸されることとなりましたが、それでも事故発生から約7年での着工は全国的にも異例のスピードであったと評価されています。


竹ノ塚駅は1900年開業の歴史ある駅で、現在は東武スカイツリーラインの駅(駅番号TS14)として1日平均6万7,699人(2024年度)が利用しています。高架化に伴い、駅は島式ホーム1面2線の高架駅へと生まれ変わりました。

改札・ホーム動線の再編、エレベーターやエスカレーター整備、多機能トイレ設置などバリアフリー化が進展。駅周辺では交通広場や道路整備も進み、バスターミナル機能の強化と歩行者空間の改善が図られました。鉄道による東西分断が解消されたことで、駅周辺の回遊性や商業ポテンシャルの向上も期待されています。

工事は4工区に分かれ、1工区は東急・東武JV、2工区は大成・東武JV、3工区は鹿島・東武谷内田・熊谷・東鉄JV、4工区は大林・東武・鉄建・戸田JVなどが担当しました。営業線直上での段階的切替という高度な施工条件のもと、安全確保を最優先に工事が進められました。


東武伊勢崎線(竹ノ塚駅付近)連続立体交差事業の完了により、慢性的な渋滞の解消、防災性の向上、救急・消防活動の円滑化が実現。さらに、都市計画道路整備と一体となったまちづくりが進展し、足立区北部の拠点性向上に大きく寄与しています。鉄道立体化を核とした都市再生の好例として、今後の区施行連続立体交差事業のモデルケースとなる取り組みです。
出典・引用元:足立区 東武伊勢崎線(竹ノ塚駅付近)連続立体交差事業(概要)
過去の記事∶2019年7月4日投稿 東武伊勢崎線(竹ノ塚駅付近)連続立体交差事業
最終更新日:2026年3月3日