JR北海道苗穂工場跡地では、札幌市が「地域産業クラスター計画」の原案を策定し、約20haに及ぶ広大な跡地を活用した新たな大規模都市開発の検討が進められています。計画では、災害や豪雪に強いオフィス区域を整備し、企業本社やバックアップ拠点、半導体・GX分野の高度人材を受け入れる住居、スポーツ施設を含む文化拠点などを一体的に整備する構想が盛り込まれました。
2036年までに苗穂地区全体で約9,000億円の官民投資を見込んでおり、これまで進められてきた苗穂駅の橋上化や自由通路、駅前再開発に続く“第2ステージ”のまちづくりとして注目されています。札幌駅東側の新たなビジネス・居住・交流拠点の形成に向け、大規模な都市更新が動き始めようとしています。
JR北海道苗穂工場跡地 大規模再開発構想の概要
1.苗穂工場跡地で地域産業クラスター計画始動
JR北海道苗穂工場跡地約20haを活用した大規模再開発の検討。 札幌市とJR北海道が連携して進める新たな都市拠点構想。
2.災害・豪雪に強いオフィス区域を形成
企業本社やBCP対応のバックアップ拠点を誘致する業務機能。 雪や災害に強い次世代ビジネスエリアの創出。
3.脱炭素・GX・半導体人材が集まる街へ
次世代エネルギー循環システムと高度人材向け住環境を整備。 成長産業を支える産業・居住一体型クラスター形成。
4.文化・スポーツ施設を備えた交流拠点整備
スポーツ施設や文化機能を導入し、多世代が集う拠点を整備。 業務・居住・交流が融合する複合市街地の実現。
5.2036年までに約9,000億円の官民投資
地域未来戦略に基づき国の支援を受ける大型都市開発計画。 苗穂地区全体へ波及する北海道屈指の投資プロジェクト。
6.20年以上続く苗穂駅周辺まちづくりの成果
橋上駅舎、自由通路、駅前広場、苗穂駅連絡通を順次整備。 南北分断の解消と回遊性向上を実現した都市基盤整備。
7.駅前再開発で住宅・商業・業務機能が集積
プレミストタワーズやザ・グランアルトなど複数の再開発が完成。 札幌駅東側を代表する新たな複合都市拠点への発展。

札幌市は、JR北海道苗穂工場の移転を前提とした約20haの跡地について、「地域産業クラスター計画」の原案を策定しました。国の地域未来戦略に基づく計画として国へ提出し、財政支援を受けながら官民連携による大規模開発を目指すものとしています。
計画の中心となるのは、災害や雪に強いオフィス区域の整備です。企業の本社機能やBCP(事業継続計画)のバックアップ拠点を誘致することで、札幌都心を補完する新たな業務集積地となる新都心の形成が期待されています。また、スポーツ施設を含む文化拠点や高度人材向け住宅なども計画に位置付けられています。


地域産業クラスター計画では、単なる再開発ではなく、成長産業を支える都市基盤づくりが大きな特徴となっています。脱炭素社会を見据えた次世代エネルギー循環システムの導入や、半導体・GX分野の専門人材が暮らしやすい住環境の整備など、産業政策と都市政策を一体化した構想となっています。

さらに、新幹線駅方面と苗穂地区を結ぶ全天候型歩行ネットワークの構想も盛り込まれており、積雪寒冷地である札幌ならではの快適な回遊性向上も目指します。2036年までに約9,000億円の官民投資を見込む北海道屈指の大規模都市開発プロジェクトです。


苗穂駅周辺は札幌駅から約2~3kmという都心近接地でありながら、長年にわたりJR線による南北分断や踏切、狭い道路、駅のバリアフリー未対応などの課題を抱えていました。1991年の地域住民による北口設置要望を契機にまちづくりが始まり、2001年には住民・企業・行政が参加する「苗穂駅周辺まちづくり協議会」が設立されました。


2006年策定の「苗穂駅周辺地区まちづくり計画」では、苗穂駅の橋上化・自由通路整備・駅前広場・道路整備・民間再開発を一体的に推進する方針が示されました。その後、2018年には新しい橋上駅舎と南北自由通路が開業し、2020年には南北駅前広場が全面供用、2023年には中央区と東区を結ぶ「苗穂駅連絡通」が全線開通し、長年の地区分断が大きく改善されています。


苗穂駅周辺では、駅の整備と並行して大規模な民間再開発も進められてきました。南口では北3東11周辺地区第一種市街地再開発事業により、「プレミストタワーズ札幌苗穂 ブライトゲート」(27階・203戸)と「アクアゲート」(25階・204戸)、シニア向け住宅「イニシアグラン札幌苗穂」、商業・医療施設を備えた複合施設「苗穂ヒラクス」が建設されました。駅直結の空中歩廊やアトリウム、広場も整備され、生活利便性と回遊性が大きく向上しています。


北口では、JR北海道社員研修センター跡地に「ザ・グランアルト札幌 苗穂ステーションタワー」(27階・300戸)が誕生し、商業棟や3つの広場を備える駅前複合開発が完成しました。さらに空中歩廊によってアリオ札幌とも接続されており、苗穂駅周辺は住宅・商業・業務機能が集積する札幌駅東側の新たな都市拠点へと発展を続けています。
最終更新日:2026年9月24日