2025年2月18日に開催された第15回 副首都推進本部(大阪府市)会議にて公表された「夢洲第2期区域マスタープラン Ver.1.0(案)」は、大阪の未来都市構想の一環として、持続可能で国際競争力のある都市開発を推進するための基本指針を示すものです。環境に配慮したスマートシティの実現を目指し、最先端の技術を活用した都市基盤の整備、国際交流を促進する多目的エリアの創出、さらには防災・減災の観点を取り入れた強靭な都市づくりを進めていくものとされています。
公表されたマスタープランでは、夢洲第2期区域を「国際交流・ビジネス拠点」「観光・エンターテインメントゾーン」「次世代モビリティと環境共生エリア」「先端技術・イノベーション地区」など、複数のテーマに分け、それぞれの役割を明確に定義します。これにより、国内外からの投資を呼び込み、地域経済の活性化を図るとともに、持続可能な成長を実現する都市モデルを構築していきます。
また、都市設計においては、環境負荷の低減を重視し、再生可能エネルギーの導入やスマートグリッドの活用を促進するとともに、エネルギー効率の高い建築物の整備を進めます。さらに、カーボンニュートラルを実現するため、公共交通機関の高度化や次世代モビリティの導入、緑地の確保などを通じて、持続可能な都市環境を構築します。
加えて、インフラ整備の面では、災害に強い都市基盤の構築を目指し、高潮や地震に対する耐性を強化した設計を取り入れます。特に、防災拠点の整備や、エネルギーの分散化による災害時のレジリエンス向上が重要視されています。この夢洲第2期区域の開発は、2025年の大阪・関西万博の開催後を見据え、長期的な視点で段階的に進められる予定です。今後、国内外の多様なステークホルダーと連携しながら、地域社会に貢献する持続可能な都市モデルの実現を目指します。
夢洲第2期区域マスタープラン Ver.1.0(案)の概要
- 夢洲の開発計画と目的
大阪府・大阪市は、経済界とともに策定した「夢洲まちづくり構想」(2017年)と「夢洲まちづくり基本方針」(2019年)に基づき、夢洲を国際観光拠点として開発。特に、IR(統合型リゾート)の整備と大阪・関西万博の開催を軸に、都市機能の強化を進めている。 - 第1期区域と第2期区域の役割
第1期区域では、IRを中心としたまちづくりを進め、多様なエンターテイメント施設や国際会議場を整備。第2期区域では、万博の理念を継承し、観光・レクリエーション施設の導入や、産業・研究機関と連携したスマートシティの形成を目指す。 - インフラ整備と交通アクセス
2025年1月にOsaka Metro中央線が夢洲まで延伸し、都心からのアクセスが向上。北ルートの鉄道整備についても検討が進められている。観光外周道路や港湾インフラの整備も進行中。 - 大阪・関西万博の影響
2025年4月から10月にかけて開催される大阪・関西万博には国内外から多数の来訪者が見込まれており、その跡地となる第2期区域の開発計画(マスタープラン)策定が進められている。 - 民間提案と開発事業者募集
2024年9月に民間提案を募集し、2025年1月に優秀提案2件を決定。これをもとに、まちづくりの基本方針を策定し、2025年度後半に開発事業者の募集を開始する予定。 - 夢洲の国際観光拠点化
IRや万博の影響を活かし、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)や海遊館と連携した観光エリアの形成を推進。クルーズ船やフェリーの発着拠点としての機能強化も図る。 - 大阪の成長戦略との連携
夢洲の開発は、大阪の成長・発展を先導するプロジェクトとして位置付けられ、臨海部や都市部との連携を強化し、持続可能な都市開発を推進する。

夢洲は、大阪港に浮かぶ埋立地で、約390haの広さを誇ります。第1期区域では統合型リゾート(IR)「大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業」の整備が進められており、第2期区域ではIRと連携しながら万博の理念を継承したまちづくりが計画されています。
また、夢洲の開発では、区域ごとに異なるテーマを設定し、訪れる人々が多様な体験を享受できるよう設計されます。例えば、第1期区域ではカジノやエンターテインメント施設を含むIRが中心となるのに対し、第2期区域では文化・芸術・スポーツを核としたまちづくりが行われる予定です。さらに、第3期区域では長期滞在型リゾートとしての機能を強化し、ホテルやレジデンスの整備を進めることで、国内外からの居住者の受け入れを促進します。


2025年1月にOsaka Metro中央線が夢洲まで延伸し、都心部からの地下鉄アクセスが可能になりました。また、北側からの鉄道アクセスについても検討が進められています。さらに、夢洲周辺には関西国際空港やユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)などの施設があり、観光・交通の拠点となることが期待されています。
今後のアクセス改善策として、新たな交通手段の導入も議論されています。具体的には、夢洲と関西国際空港を結ぶ高速船の運航や、自動運転バスの導入が検討されており、これにより夢洲への移動が一層スムーズになることが期待されています。また、環境負荷を軽減するための次世代型モビリティの活用も計画されており、エコな都市交通インフラの整備が進められています。

第2期区域では、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を継承し、最先端技術の実証や都市データ活用、スマートシティの構築が計画されています。加えて、大阪が強みを持つ健康・医療分野の研究成果を活かし、観光と融合した都市空間が形成されます。
このレガシーを継続させるために、万博で活用された革新的な技術やインフラをそのまま都市機能の一部として統合することが検討されています。例えば、AIを活用した都市管理システムや、バイオ技術を活かした環境対策が導入される予定です。さらに、持続可能なエネルギー利用として、水素エネルギーや太陽光発電を活用した施設の整備が進められ、エコフレンドリーな都市開発が推進されます。

夢洲は「SMART RESORT CITY」をコンセプトに、リゾートと都市機能を融合した空間を目指します。第1期区域ではIRを中心としたエンターテインメント施設を整備し、第2期区域では国際観光拠点にふさわしいレクリエーション機能を導入し、第3期区域では長期滞在型のリゾート都市を形成する方針です。
特に、第2期区域では、訪れる人々が五感で楽しめる空間デザインが取り入れられます。例えば、ナイトタイムエンターテインメントの充実や、アートとテクノロジーが融合した体験型施設の設置が検討されています。また、観光客だけでなく、地元住民も楽しめるような公園や広場の整備も進められ、コミュニティの活性化が図られます。

第2期区域は、エンターテインメント・レクリエーション機能を中心に、研究施設やスマートシティ技術の導入を進めます。IRとの連携を強化し、大規模イベントや国際会議の開催が可能な空間も整備予定です。
このエリアでは、商業施設やレストラン、宿泊施設も充実させることで、観光客の滞在時間の延長を図ります。さらに、国際的なビジネス交流の場としての機能を強化するため、先進的なカンファレンス施設の導入も検討されています。これにより、夢洲がアジアを代表するビジネス・観光拠点となることが期待されています。

万博のシンボルとなる「大屋根リング」の建設が進んでおり、万博終了後も夢洲の都市空間の一部として活用される計画です。これにより、夢洲は国際的な観光・文化交流の拠点として発展していきます。
また、大屋根リングの下には、様々な文化イベントやスポーツイベントを開催できる空間が設けられる予定です。これにより、年間を通じて多様なアクティビティが行われることが期待され、観光客の誘致だけでなく、地元住民の利用促進にも寄与します。大屋根リングは、単なる建築物ではなく、未来都市のシンボルとしての役割を担い、夢洲の魅力をさらに高める存在となるでしょう。
2025年1月9日には、「夢洲第2期区域マスタープランの策定に向けた民間提案募集」における優秀提案を決定したことを公表しており、進捗スピードが非常に早く、今後の開発への期待が高まりますね!!
最終更新日:2025年2月19日