西普天間住宅地区土地区画整理事業は、沖縄県宜野湾市の北東部に位置する約50.7haの旧米軍住宅地跡において進められている大規模な都市整備プロジェクトです。平成27年(2015年)3月末に米軍から返還された後、「琉球大学病院」を中心とした沖縄健康医療拠点の形成を主軸としながら、住宅地、公園、基幹道路の整備を進め、持続可能で住みやすい都市環境を創出することを目的としています。
当該事業では、都市機能の向上とともに、地域住民の生活の質の向上も図られる計画となっています。特に、医療や研究機関の誘致を通じて、沖縄県全体の医療・福祉の充実にも寄与することが期待されています。また、交通インフラの整備を進めることで、周辺地域とのアクセス性を向上させ、新たな経済圏を形成することも目指されています。
環境影響評価の事後調査業務委託について、公募型プロポーザル方式による選定が行われました。今回の選定においては、環境保全の観点を重視した提案内容が求められ、審査の結果、「一般財団法人沖縄県環境科学センター」が受託候補者として選定されたことが2025年3月13日に公表されました。
→宜野湾市 「令和7年度西普天間住宅地区土地区画整理事業に係る環境影響評価事後調査業務委託」公募型プロポーザル選定結果について
→宜野湾市 西普天間住宅地区トップページ
西普天間住宅地区土地区画整理事業
- 事業概要
旧米軍住宅地(約50.7ha)の返還跡地を再開発し、都市機能を整備。
沖縄健康医療拠点を中心に、住宅、公園、道路を計画。 - 土地利用計画
住宅地、医療・研究施設、公園・緑地、墓地の4つのゾーンで構成。
住宅ゾーンには約1,124人が居住予定。 - 道路・交通ネットワーク
幹線道路「西普天間線」(幅員20m)を中心に整備。
県道81号線と接続し、利便性を向上。 - 沖縄健康医療拠点
琉球大学医学部・大学病院を中心とした医療・研究施設を配置。
沖縄の医療・健康産業の発展を促進。 - 環境・文化財への配慮
湧水や文化財を保護し、緑地を整備。
持続可能なまちづくりを推進。 - 普天間基地跡地との連携
南側の普天間基地跡地利用計画と調和し、地域の発展を促進。
普天間基地跡地の都市拠点や振興拠点の整備を視野に入れる。 - 環境影響評価の実施
令和7年度の環境影響評価事後調査を「沖縄県環境科学センター」が担当。
令和7年4月~令和8年3月に調査実施予定。

返還前は米軍住宅地として利用され、米軍関係者向けの住宅や関連施設が多く存在していました。現在は土地の整地が完了し、今後の都市開発が本格化する段階に入っています。区域の中心には、沖縄健康医療拠点の形成が据えられており、それを取り巻く形で住宅地や公園などが整備される予定です。
都市計画の方針としては、快適な住環境を提供しながら、利便性の高い都市基盤を築くことが求められています。緑地や公共施設の充実を図ることで、単なる住宅地開発にとどまらず、健康的で持続可能な都市の実現を目指しています。さらに、エリア内には歴史的・文化的資源も点在しており、それらを活用した観光資源の創出や、地域コミュニティの活性化にも寄与する計画となっています。

土地区画整理事業では、幹線道路「西普天間線」(幅員20m)を中心に、地域内の交通ネットワークを強化するための補助道路や歩道の整備が進められます。特に、自動車だけでなく歩行者や自転車の利用を考慮した設計となっており、安全性と利便性の向上が重視されています。住宅地ゾーンの計画では、地域の人口増加を見越し、バランスの取れた街区設計が行われます。
また、沖縄健康医療拠点ゾーンでは、医療施設や研究機関が集積し、地域の医療水準を向上させる役割を担います。さらに、公園・緑地ゾーンでは、住民が日常的に利用できる広場や遊歩道が整備されるほか、地域の文化財や自然環境を活かした景観づくりが進められます。墓地ゾーンにおいても、既存の歴史的背景を尊重しながら、適切な配置と整備が行われる予定です。

本地区のゾーニングは、大きく四つのエリアに分類されています。まず、沖縄健康医療拠点ゾーンでは、琉球大学医学部・大学病院を中心とした医療・研究機関が集積し、地域の医療水準向上を目指した施設群が整備されます。次に、住宅地ゾーンでは、約1,124人の居住を想定した計画が進められ、住宅だけでなく、公園や教育機関も整備される予定です。
公園・緑地ゾーンでは、地域住民がリラックスできる空間としての公園が設けられ、湧水などの文化財にも配慮した自然環境の保護が行われます。そして、墓地ゾーンでは、地域の歴史や文化を尊重し、既存の墓地の適切な再配置が計画されています。これらのエリアが一体となることで、快適でバランスの取れた都市空間が形成されることが期待されています。

GoogleEarthの空撮画像からは、南側に県道81号線が接しており、開発途中の広大な土地が広がっています。この土地は、今後の土地区画整理の対象となっており、計画的な造成が進められています。また、周辺の既存市街地との接続性を向上させるための道路整備計画も検討されており、都市機能の強化が期待されています。

西普天間住宅地区土地区画整理事業の南側一帯では、普天間基地の跡地利用計画が進行中であり、西普天間住宅地区と連携した都市開発が進められる構想があります。将来的には、都市拠点施設、振興拠点、住宅地などの整備が計画されており、宜野湾市全体の発展に貢献することが期待されています。
特に、経済活性化を目的とした都市拠点エリアの整備や、公共施設の充実が重要なポイントとされており、地域住民の利便性向上に寄与するものと考えられます。また、普天間基地跡地の利用計画は、沖縄県全体の経済発展や地域振興にも大きな影響を与えるため、今後の動向が注目されています。
最終更新日:2025年3月20日