三重県松阪市は、コロナ禍などにより停滞していた松阪駅西地区の複合施設整備事業を本格的に再開することを発表しました。この再開により、2025年度内に事業者の選定を行うことが目指されています。松阪市では、駅西地区の活性化を図るために、商業施設や行政機能、市民活動の拠点を一体的に整備する計画を進めています。これにより、松阪駅を中心とした中心市街地の発展が期待されます。
松阪市は、松阪駅を中心とした約170haの中心市街地を対象にした「『豪商のまち松阪』中心市街地土地利用計画」を平成29年5月に策定しました。この計画では、駅西地区に集客性のある商業施設を誘致し、行政窓口機能の充実を図るとともに、市民が生活の質を向上させ、地域貢献のために活動できる市民活動の場を整備することが目指されています。特に駅西地区にある市有地を活用し、松阪市の玄関口としてふさわしいにぎわいを創出するため、複合施設の整備が位置づけられています。
→松阪市 松阪駅西地区複合施設
→建設通信新聞 25年度内に事業者選定/駅西複合施設整備を再開/松阪市
→国土交通省 官民連携事業の推進のための地方ブロックプラットフォーム「サウンディング」
松阪駅西地区複合施設整備事業の概要
- 事業再始動
新型コロナウイルスの影響で一時中断していた松阪駅西地区複合施設整備の再開と、2025年度内の事業者選定方針の提示 - 中心市街地の再生事業
『豪商のまち松阪』中心市街地土地利用計画の駅西地区に立地 - 土地利用計画との連動
平成29年策定の「中心市街地土地利用計画」に基づく中核事業としての位置付け - 施設の多機能性
市民活動拠点、商業機能、公共サービス機能を備える複合施設の整備 - 地域の玄関口としての役割
松阪市の「顔」としての機能と、観光・来訪者向け情報発信拠点の整備 - 今後のスケジュール
2025年度内の事業者選定を起点とする整備スケジュールの本格始動 - 地域全体への波及効果
駅周辺から中心市街地全体へのにぎわい創出と経済・文化の活性化

松阪駅西地区の複合施設整備計画地は、松阪市の中心市街地に位置し、交通の便が非常に良好なエリアです。この地域は、松阪駅から徒歩圏内にあり、鉄道やバスなどの公共交通機関が交差する地点でもあります。空撮画像に示されるように、広大な敷地には、公共施設や商業施設、さらには市民活動拠点となる施設が配置される予定です。これらの施設は、松阪市の玄関口として地域住民のみならず、観光客にも利用されることが期待されています。特に、施設内外に情報発信機能を持たせ、松阪市内や周辺観光地を訪れる人々にとって便利で魅力的なスポットとなることを目指します。また、周辺の商店街や観光名所と連携し、中心市街地全体の活性化にも貢献することが期待されます。

位置図に示された松阪駅西地区は、市の中心に位置し、鉄道やバスなどの交通網が集まる便利なロケーションです。駅西地区は、松阪市内でも特に発展が望まれるエリアであり、これを中心に商業施設や公共施設を整備することで、地域全体の魅力が高まると考えられています。位置図で確認できるように、施設は松阪駅から徒歩圏内に広がり、周辺の住宅地や商業施設との接続が重要なポイントです。この計画では、松阪駅からのアクセスを重視し、歩行者ネットワークや交通インフラの整備が進められます。地域住民だけでなく、観光客やビジネスマンにも利用される施設となり、松阪市の経済的発展に寄与することが期待されます。

松阪駅西地区複合施設基本構想に基づく複合施設は、地域のニーズを反映した多機能型の施設となる予定です。施設は、行政窓口機能、市民活動拠点、商業施設、駐車場などが一体となり、各ゾーンが有機的に連携することで、施設全体の稼働率を高め、地域のにぎわいを生み出すことが目的です。機能イメージとして、滞在ゾーンが中心となり、訪れる人々がゆっくりとくつろげるスペースが提供されるほか、情報発信機能を持たせ、施設内で行われるイベントや周辺の観光名所情報を広めることができるように設計されています。商業施設としては、ホテルやショップ、飲食店が誘致され、来訪者にとって利便性の高い空間を提供することを目指しています。施設内外の動線がつながり、多様な人々が自然に交流できる環境を作ることが重要なポイントとなっています。

「豪商のまち松阪」中心市街地土地利用計画は、松阪駅を中心とした約170ヘクタールの区域を対象に、20年後を見据えた都市機能の再構築と、公共施設の配置を中心とした土地利用の方向性を示す計画です。地域住民のニーズを反映しながら、都市計画マスタープランなどの上位計画との整合性を図り、中南勢地域の広域拠点および松阪市の中心部としての役割強化を目指しています。
本計画では、歴史文化ゾーンや駅拠点ゾーン、商店街ゾーンなど7つの機能ゾーンと2つの交通軸を設定しています。これにより、歴史資産の保全・活用、駅周辺の高度利用、にぎわいの創出、沿道サービス施設の誘導、居住環境の整備、水辺景観の創出、交通ネットワークの強化といった、多様な都市機能の調和的な発展を図ります。
特に松阪駅西地区では、商業施設や行政窓口、市民活動拠点などを備えた複合施設を整備することにより、日常生活と地域貢献活動の場としての機能強化を目指します。カリヨンビルの活用や三交百貨店跡地、土地開発公社所有地の有効活用を通じて、民間との連携によるまちづくりを推進していきます。

松阪駅西地区複合施設整備計画地は、現在、約200台の四輪車、約70台の自動二輪車等を収容する駐車場として活用されています。この場所は、商業施設や公共施設が集まるエリアとして、地域にとって非常に重要な拠点であることから、以前も再開発計画が進んでいたことがありました。以前の計画では、地上21階、高さ78mのタワーマンションやホテル、福祉総合センターなどから構成される複合施設でしたが、資材の高騰や、組合との信頼関係が保てないなどの理由で2008年に断念していました。
松阪駅西地区複合施設整備の整備計画が進むことで、周辺地域の発展に大きく寄与することが期待されており、地域住民の生活の質を向上させるための施設が整備されます。特に、商業施設や市民活動拠点が中心となり、市民自らが参加するイベントや活動が行われる場所となることが予定されています。また、周辺の景観や地域文化を取り入れた施設設計が進められ、松阪市らしさを感じられる空間が提供されることになります。この施設が完成すると、地域のにぎわいが増し、観光客や地元住民が共に利用できる新たな交流の場となることが期待されています。
最終更新日:2025年4月22日