最新の都市開発ニュース
みなとみらい21の臨港パークに開業した「横浜ティンバーワーフ」!!まるでバスケットのようなトラス状の木質ハイブリッド構造を採用した外観デザインが特徴的!!
マリノアシティ福岡跡地に建設される「(仮称)三井アウトレットパーク 福岡」が着工!!九州最大規模となる約200店舗が出店するアウトレットモールが2027年春開業へ!!
飯田橋駅東口の北側エリアを新たに整備する「飯田橋駅東口新整備構想(検討案)」が公表!!駅前広場再生と親水空間を活かした新しい都市拠点づくりへ!!
多治見駅直結の新庁舎「多治見市役所新庁舎」の建築基本設計(案)が公表!!虎渓用水広場と連携した市民交流の拠点に!!
横浜・みなとみらいの歴史を歩く!!遊歩道「汽車道」で木製ボードウォーク改修工事進行中!!かつての臨港線の軌跡が姿を現す!!
羽田空港に隣接する「羽田空港跡地第1ゾーン都市計画公園事業」が2028年4月開園に向け遂に始動!!スポーツフィールドやロボット体験施設など複合機能を有する公園に!!
「名古屋港長期構想(中間案)」が公表!!名古屋港ポートアイランド地区における次世代エネルギー拠点と高性能コンテナ物流ターミナル形成に向けた広域開発構想も浮上!!
歴史的建造物と高層ビルが融合! 都市開発マニアが案内する「丸の内建築ツアー」 が丸の内LOVE WALKERに掲載!!第24回 東京駅から有楽町駅に架かる美しい煉瓦アーチ造りの「新永間市街線高架橋」は山手線と共に100年をつなぐが丸の内LOVE WALKERに掲載!!
サトーココノカドーのモデルとなった「イトーヨーカドー春日部店」跡地で大規模マンション計画浮上!!2棟構成、地上15階・総戸数460戸規模に!!
地下化された京王線調布駅直上で進められている「調布駅前広場整備」!!2025年度末完成を目指し、賑わいあふれる都市空間の構築が進む!!
みなとみらい大橋からKアリーナ横浜・高島水際線公園を結ぶ「高島水際線デッキ整備事業」!!残るスロープ部分を整備して2026年3月17日最終完成を目指す!!
豊橋駅前のスペースシャトル街区で再開発計画浮上!!駅東口目の前の約1.1haで計画が進む「豊橋駅東口駅前地区第一種市街地再開発事業」!!
岐阜県飛騨市・飛騨古川駅東に誕生する複合共創拠点「soranotani(ソラノタニ)」始動!!藤本壮介氏設計、飛騨の盆地をモチーフにした“お椀型建築”が象徴する共創の新拠点!!
旧長崎屋帯広店跡地で新たなまちなか拠点として開発が進められる「(仮称)帯広駅南口再開発プロジェクト」!!十勝最大級マンションのほかホテルや商業施設から構成される複合施設に!!
JR宇都宮線と東武伊勢崎線の乗換駅・久喜駅の西側一帯で3ブロックに分けたまちづくり構想「久喜駅西口周辺のまちづくり」!!賑わい創出や医療福祉・住宅・バスターミナルなどの新設構想が進む!!
つくば市最大規模の総戸数602戸の分譲マンションのほか商業施設や教育施設、事業施設などから構成される「(仮称)つくば学園南プロジェクト」!!産学官連携による新たな副都心づくりへ!!
東京駅の山手線に断崖絶壁が出現!!八重洲と丸の内を南側で結ぶ「東京駅南部東西自由通路/南通路周辺整備」2025年秋建設状況!!
栗橋駅東口一帯で新たなまちづくり構想「栗橋駅東口周辺のまちづくり」!!区画整理や都市計画道路・駅前広場などの構想が進む!!
2025年11月1日に山手線が環状運転開始100周年!!バルツァーの東京市街地鉄道網構想が元となり実現した都市内環状運転!!
妙高杉ノ原マウンテンリゾート開発 1期事業として建設される「シックスセンシズ妙高」!!妙高高原に隈研吾氏設計の木材や自然素材を多用したリゾートホテルに!!

中国・天津で建設中の世界最高層の“未完超高層ビル” 「高銀金融117ビル」が建設再開へ!!

長年「世界最高層の未完成ビル」として知られてきた「高銀金融117ビル(天津117大厦)」が、ついに建設を再開することが明らかになりました。このビルは2008年に着工し、2015年には上棟しましたが、資金難によりその後工事が停止していました。しかし、2025年4月30日に正式に工事が再開され、2027年4月の竣工を目指す計画とされており、施工許可の取得を受けて、再始動が現実のものとなりました。このプロジェクトは単なる超高層ビルの再建ではなく、中国の不動産業界の転機を象徴するものとして、国内外から大きな注目を集めています。

→高銀金融117は4月30日に工事を再開し、2027年に完成する予定です
→世界一高い未完成ビル「天津117ビル」が工事を再開し、白熱した議論を巻き起こす
→百度地図 高銀金融117

高銀金融117ビル(天津117大厦)の概要
  1. 10年ぶりの建設再開の決定
     建築工程施工許可の取得と、2025年4月30日の工事再開
  2. 建設再開に関わる主要企業
     調査・設計・施工・監理を担う中国国内の大手建設関連企業の参画
  3. 高銀金融117ビルの基本情報
     地上117階・高さ597m・複合用途を持つ超高層ビル計画
  4. 象徴的な設計と世界的な注目
     P&T、ECADI、Arupによる設計と構造デザインの特徴
  5. 高銀地産の経営難と破産手続き
     長期の資金繰り悪化と2025年1月の破産清算受理
  6. 開発中断による周辺地域の低迷
     未完成の住宅地や周辺開発の停滞と不動産価格の下落
  7. 市民の反応と今後の注目点
     採算性や需要への懸念と、再生象徴としての期待感

高銀金融117ビルは、2025年4月に正式に「建築工程施工許可(残余工程)」を取得し、10年近い中断を経て工事が再開されることになりました。施工の再開は4月30日、完成は2027年4月を予定しています。これまでにも度々「再開の噂」が取り沙汰されてきましたが、今回は正式な許可を得たことで、実現への信頼性が大きく高まりました。

施工許可証には、再開に関与する主要な建設会社や設計会社が明記されています。調査は「北京市勘察設計研究院有限公司」、設計は「華東建築設計研究院有限公司」、施工は「中国建設第三工程局集団有限公司」、そして監理は「上海市建設工程監理諮詢有限公司」がそれぞれ担当します。いずれも中国国内で豊富な実績を持つ企業であり、今回の再開工事への信頼を支える存在となっています。

高銀金融117ビル(Goldin Finance 117)は「中国117大厦」とも呼ばれ、天津市西青区に位置しています。地上117階、全高はおよそ597メートルに達し、中国で3番目、世界でも有数の高さを誇る超高層ビルです。オフィスやホテル、住宅、商業施設、観光施設などが一体となった複合施設として計画されています。

設計は香港の名門建築事務所「パーマー&ターナーグループ(P&T Group)」と、上海の「ECADI(東中設計院)」が手がけ、構造設計には世界的なエンジニアリング企業「Arup」が関わっています。延べ床面積はおよそ37万平方メートル(約400万平方フィート)にのぼり、当初は2014年、もしくは2017年の竣工を予定していました。

この巨大な建設計画を推進してきたのは、香港を拠点とする不動産企業「高銀地産控股有限公司(Goldin Properties)」です。同社はかつて「広益国際集団」の名称で香港証券取引所に上場しており、香港や中国本土で多数の不動産開発を手がけてきました。

高銀金融117ビルは同社の象徴的プロジェクトとされており、当初の投資額は90億〜100億ドル(約700億元)と見込まれていました。しかし、開発の途中で資金繰りが悪化し、工事の中断が繰り返されるようになりました。2015年以降、工事は完全に停止し、複数の債権者との法的な紛争も発生しました。高銀地産は建物や周辺資産の売却によって資金確保を試みましたが、困難が続きました。そして2025年1月、天津第2中級人民法院は同社の破産清算を正式に受理し、再建を目指すための清算チームが任命されました。

高銀金融117ビルの高さは597メートル、地上117階・地下4階におよび、中国国内でも有数の規模を誇ります。この巨大な建造物を支えるためには、高度な構造技術と厳格な安全基準が求められました。

構造設計を担当したのは、世界的なエンジニアリング企業「アラップ(Arup)」で、同社は超高層ビルの設計において豊富な経験と実績を持っています。117ビルの構造形式には「メガフレーム構造(Mega Frame Structure)」が採用されており、鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせた混合構造(Composite Structure)によって、地震や強風などの外力に対して高い耐性を備えています。

ビルの外周には巨大な柱(メガカラム)と巨大な斜めブレースが配されており、これらが建物全体の垂直荷重と横方向の力を分担して支えています。また、中央部には鋼板せん断壁として機能する巨大なコア(中核構造)を配置し、エレベーターや非常階段、配管設備などを集中させることで、機能性と安全性を両立させています。

かつての計画では、117ビルには世界最高の屋内展望台や空中プールなどが設けられる予定でした。また、隣接地には「富国高銀豪宅」や馬術競技場を中心とした高級住宅街、国際クラスのホテルや商業施設などを含む、都市全体を再構築するような大規模開発が構想されていました。

しかし、工事の中断と経済情勢の変化によって、周辺エリアは荒廃した印象を与えるようになりました。「富国高銀」と呼ばれる住宅地も販売が進まず、2020年以降は不動産価格の下落が続きました。この10年で中国の不動産市場は大きく変化し、かつてのような超高級開発に対する期待感は薄れてきています。

建設再開の報道を受けて、特に天津市の市民の間では賛否両論が巻き起こっています。「完成しても入居者が集まらないのではないか」「採算が取れるのか」といった懸念の声も少なくありません。かつては“挫折の象徴”として語られていた117ビルが、今後“再生の象徴”となるかどうかは、中国の不動産市場や都市計画の流れに大きく左右されることでしょう。

経済の先行きが不透明な中で再始動するこのプロジェクトは、中国不動産業界における一つの試金石となり得ます。かつて夢の象徴だった超高層ビルに、ふたたび命が吹き込まれようとしています。117という数字に、再び希望が託される日が近づいてきました。

最終更新日:2025年5月22日

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