最新の都市開発ニュース
東京都が飯田橋駅周辺における都市基盤の充実と強化を図る「飯田橋駅周辺基盤整備計画(案)」を公表!!
ドバイの「ジュベル・アリ競馬場」跡地を大規模に再開発!!広大な中央公園や歩いて暮らせる都市を実現へ!!
2026年アジア競技大会やアジアパラ競技大会のメイン会場となる「パロマ瑞穂スポーツパーク(瑞穂公園陸上競技場)」再整備事業!!
東急田園都市線 駒沢大学駅前にアウトモール型商業施設「(仮称)駒沢こもれびプロジェクト A棟」が2025年11月中旬にグランドオープンへ!!
名古屋鉄道2025年度設備投資計画において「名鉄瀬戸線喜多山駅付近高架化事業」の高架切替えを2025年実施予定であることを公表!!2025年5月時点建設状況!!
イオンモールが「(仮称)八王子インターチェンジ北」のB街区を着工!!隣接するA街区にはAIとロボットを駆使したネット専用スーパーのサービス提供施設も建設!!
東急電鉄目黒線・東横線・田園都市線で運行している通勤型車両「3000系」「5050系(8両編成)」「5000系」を大規模リニューアルへ!!
小田急多摩線延伸計画先の相模総合補給廠一部返還地「相模原駅北口地区土地利用計画骨子素案とまちづくりコンセプト」が公表!!民意を反映していたスタジアム構想は消滅か!?
国土交通省が「多摩都市モノレール 箱根ケ崎延伸計画」の運輸事業を特許!!2030年代半ばに開業を目指す!!
World’s Best Airport 2025で1位に選出されたシンガポールのチャンギ国際空港でターミナル5(T5)の建設工事が開始!!
名鉄豊田線・犬山線と相互直通先の名古屋市交通局鶴舞線に名鉄の新型車両「500系」を導入へ!!
京阪とJR・Osaka Metroが交わる京橋駅周辺が新たな国際的都市拠点へと生まれ変わる!!京橋駅周辺で土地区画整理事業や都市計画道路玉造筋線等を検討!!
ドバイに建設される世界で最も高い屋外インフィニティプールが設けられる超高層複合施設「トランプ・インターナショナル・ホテル&タワー・ドバイ」!!
西武新宿駅と新宿駅を接続する地下通路「新宿駅北東部地下通路線」が2025年度遂に動き出す!?地下歩行者ネットワークが拡大する新宿駅!!
元町・中華街駅の先で整備が進む「みなとみらい線車両留置場整備事業」!!地下50mまでの深さに10両×4本留置可能なトンネルを整備!!
「TOTTEI PARK(トッテイパーク)」プロジェクトが国土交通大臣により優良な民間都市再生整備事業計画に認定!!新施設「TOTTEI PARK 緑の丘」は2025年6月20日にグランドオープンへ!!
日本橋川を中心とした新たな水の都のまちづくり将来像を示した「日本橋川周辺のにぎわい創出に向けた基本方針(取組方針Ver.1)(案)」が公表!!
岡山市で計画が進む1万人規模の新アリーナ計画「岡山市多目的屋内施設(アリーナ)整備事業」!!新たなイメージや概算事業費などが公表!!
JR松山駅前に5,000席以上のアリーナ計画「松山市車両基地跡地広域交流拠点施設整備」!!
東海道新幹線が行き交う下で巨大な地下空間の工事が進む!!リニア中央新幹線品川駅2025年建設状況!!

中国・天津で建設中の世界最高層の“未完超高層ビル” 「高銀金融117ビル」が建設再開へ!!

長年「世界最高層の未完成ビル」として知られてきた「高銀金融117ビル(天津117大厦)」が、ついに建設を再開することが明らかになりました。このビルは2008年に着工し、2015年には上棟しましたが、資金難によりその後工事が停止していました。しかし、2025年4月30日に正式に工事が再開され、2027年4月の竣工を目指す計画とされており、施工許可の取得を受けて、再始動が現実のものとなりました。このプロジェクトは単なる超高層ビルの再建ではなく、中国の不動産業界の転機を象徴するものとして、国内外から大きな注目を集めています。

→高銀金融117は4月30日に工事を再開し、2027年に完成する予定です
→世界一高い未完成ビル「天津117ビル」が工事を再開し、白熱した議論を巻き起こす
→百度地図 高銀金融117

高銀金融117ビル(天津117大厦)の概要
  1. 10年ぶりの建設再開の決定
     建築工程施工許可の取得と、2025年4月30日の工事再開
  2. 建設再開に関わる主要企業
     調査・設計・施工・監理を担う中国国内の大手建設関連企業の参画
  3. 高銀金融117ビルの基本情報
     地上117階・高さ597m・複合用途を持つ超高層ビル計画
  4. 象徴的な設計と世界的な注目
     P&T、ECADI、Arupによる設計と構造デザインの特徴
  5. 高銀地産の経営難と破産手続き
     長期の資金繰り悪化と2025年1月の破産清算受理
  6. 開発中断による周辺地域の低迷
     未完成の住宅地や周辺開発の停滞と不動産価格の下落
  7. 市民の反応と今後の注目点
     採算性や需要への懸念と、再生象徴としての期待感

高銀金融117ビルは、2025年4月に正式に「建築工程施工許可(残余工程)」を取得し、10年近い中断を経て工事が再開されることになりました。施工の再開は4月30日、完成は2027年4月を予定しています。これまでにも度々「再開の噂」が取り沙汰されてきましたが、今回は正式な許可を得たことで、実現への信頼性が大きく高まりました。

施工許可証には、再開に関与する主要な建設会社や設計会社が明記されています。調査は「北京市勘察設計研究院有限公司」、設計は「華東建築設計研究院有限公司」、施工は「中国建設第三工程局集団有限公司」、そして監理は「上海市建設工程監理諮詢有限公司」がそれぞれ担当します。いずれも中国国内で豊富な実績を持つ企業であり、今回の再開工事への信頼を支える存在となっています。

高銀金融117ビル(Goldin Finance 117)は「中国117大厦」とも呼ばれ、天津市西青区に位置しています。地上117階、全高はおよそ597メートルに達し、中国で3番目、世界でも有数の高さを誇る超高層ビルです。オフィスやホテル、住宅、商業施設、観光施設などが一体となった複合施設として計画されています。

設計は香港の名門建築事務所「パーマー&ターナーグループ(P&T Group)」と、上海の「ECADI(東中設計院)」が手がけ、構造設計には世界的なエンジニアリング企業「Arup」が関わっています。延べ床面積はおよそ37万平方メートル(約400万平方フィート)にのぼり、当初は2014年、もしくは2017年の竣工を予定していました。

この巨大な建設計画を推進してきたのは、香港を拠点とする不動産企業「高銀地産控股有限公司(Goldin Properties)」です。同社はかつて「広益国際集団」の名称で香港証券取引所に上場しており、香港や中国本土で多数の不動産開発を手がけてきました。

高銀金融117ビルは同社の象徴的プロジェクトとされており、当初の投資額は90億〜100億ドル(約700億元)と見込まれていました。しかし、開発の途中で資金繰りが悪化し、工事の中断が繰り返されるようになりました。2015年以降、工事は完全に停止し、複数の債権者との法的な紛争も発生しました。高銀地産は建物や周辺資産の売却によって資金確保を試みましたが、困難が続きました。そして2025年1月、天津第2中級人民法院は同社の破産清算を正式に受理し、再建を目指すための清算チームが任命されました。

高銀金融117ビルの高さは597メートル、地上117階・地下4階におよび、中国国内でも有数の規模を誇ります。この巨大な建造物を支えるためには、高度な構造技術と厳格な安全基準が求められました。

構造設計を担当したのは、世界的なエンジニアリング企業「アラップ(Arup)」で、同社は超高層ビルの設計において豊富な経験と実績を持っています。117ビルの構造形式には「メガフレーム構造(Mega Frame Structure)」が採用されており、鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせた混合構造(Composite Structure)によって、地震や強風などの外力に対して高い耐性を備えています。

ビルの外周には巨大な柱(メガカラム)と巨大な斜めブレースが配されており、これらが建物全体の垂直荷重と横方向の力を分担して支えています。また、中央部には鋼板せん断壁として機能する巨大なコア(中核構造)を配置し、エレベーターや非常階段、配管設備などを集中させることで、機能性と安全性を両立させています。

かつての計画では、117ビルには世界最高の屋内展望台や空中プールなどが設けられる予定でした。また、隣接地には「富国高銀豪宅」や馬術競技場を中心とした高級住宅街、国際クラスのホテルや商業施設などを含む、都市全体を再構築するような大規模開発が構想されていました。

しかし、工事の中断と経済情勢の変化によって、周辺エリアは荒廃した印象を与えるようになりました。「富国高銀」と呼ばれる住宅地も販売が進まず、2020年以降は不動産価格の下落が続きました。この10年で中国の不動産市場は大きく変化し、かつてのような超高級開発に対する期待感は薄れてきています。

建設再開の報道を受けて、特に天津市の市民の間では賛否両論が巻き起こっています。「完成しても入居者が集まらないのではないか」「採算が取れるのか」といった懸念の声も少なくありません。かつては“挫折の象徴”として語られていた117ビルが、今後“再生の象徴”となるかどうかは、中国の不動産市場や都市計画の流れに大きく左右されることでしょう。

経済の先行きが不透明な中で再始動するこのプロジェクトは、中国不動産業界における一つの試金石となり得ます。かつて夢の象徴だった超高層ビルに、ふたたび命が吹き込まれようとしています。117という数字に、再び希望が託される日が近づいてきました。

最終更新日:2025年4月23日

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