京都府は、向日市の向日町競輪場敷地にて、「京都アリーナ(仮称)」の整備・運営に向けた公募型プロポーザルを実施し、新たな多機能施設の建設を進めています。この施設は、日常的に府民が利用できる屋内スポーツ拠点としての役割に加え、国際大会やプロリーグの試合、さらには音楽ライブなどのエンターテインメントにも対応可能な、次世代型の大型アリーナとして計画されています。
さらに、災害時には避難所や防災拠点としても活用されるなど、地域の安全・安心にも貢献する設計です。総事業費は約348億円、事業手法にはDBFO(設計・建設・資金調達・運営)方式が採用され、2028年10月の開業を目指しています。府民の暮らしに根ざしながら、世界水準の機能を備えたアリーナとして、京都の新たな象徴となることが期待されます。
→京都府 京都アリーナ(仮称)の整備・運営等に係る公募型プロポーザルについて
京都アリーナ(仮称)の概要
- 京都アリーナ(仮称)の概要と開業計画
京都府向日市の向日町競輪場敷地に建設される多機能アリーナ。スポーツ・文化イベント・災害時の避難所機能を持ち、2028年10月の開業を目指す。総事業費は約348億円で、DBFO方式により整備・運営。 - 地域に開かれた日常利用空間
市民が日常的に集える屋外広場やスポーツカフェ、BMX利用空間などを整備。周辺住宅地への配慮として緑地帯も設けられ、地域住民の憩いと賑わいの拠点に。 - 国際水準の観戦・イベント機能
観客の視認性を重視した客席や、国内最大級のセンタービジョンなど最新設備を導入。国際大会やプロスポーツ、音楽イベントなど多様な用途に対応。客席数はスポーツ利用8,925席、コンサート利用9,328席。 - “和”のデザインと京都文化の体現
内装やVIPルームに京都らしい意匠や素材を用い、地域ごとの特色を反映。「5つのリング(わ)」というゾーニングで文化発信と交流を促進。 - 信頼性の高い企業連携体制
伊藤忠商事を代表企業とし、梓設計、大林組、電通など実績ある企業が設計・建設・運営に参画。地元企業の活用にも積極的で、地域経済にも貢献。 - 強固な防災拠点としての機能
指定避難所としての設備(耐震構造、非常用電源、断水対策など)を備え、サブアリーナにはふく射冷暖房も導入。日常と災害時の両立を図る設計。 - 来場者体験を高める空間演出とテクノロジー
先進的な映像・照明・音響システムにより、迫力あるイベント演出が可能。ラウンジや飲食エリアの工夫により、快適で魅力的な来場体験を提供。

京都アリーナは、従来の競輪場に代わり、地域の人々に開かれた空間として再生されます。向日町競輪場との一体的な敷地活用により、アリーナと競輪場を並行配置し、敷地南側には大規模なアプローチ広場を整備。日常的に市民が集う憩いの場としての「ミニバンク広場」や、BMX大会、地域イベントなどが開催可能な屋外スペースも整備されます。また、南西側の住宅街との間には緑地が設けられ、圧迫感を軽減しつつ住民の憩いの場を創出。スポーツ教室の実施やスポーツカフェ、コンビニ、キッチンカーの展開により、日常的に賑わう空間づくりが図られます。京都ハンナリーズとのタイアップも予定されており、スポーツと地域がつながる施設として活用されます。

京都アリーナは、スポーツ・音楽・イベントと多様なニーズに応える設計で、誰にとっても使いやすいユニバーサルな施設を目指しています。客席設計や音響・映像設備においては観客の目線を重視し、快適かつ感動的な観戦体験を提供。国内最大規模のセンタービジョンをはじめ、臨場感を高める演出や最先端の通信環境も整備される予定です。また、国際大会や有名アーティストの誘致に向け、実績ある運営体制が構築されており、観客動線・選手動線・VIP動線などを分離した明快なゾーニングにより、大規模なイベント開催にも柔軟に対応可能です。ボウルデザインは興行ごとに最適な形状に対応し、高稼働率と収益性の両立を実現します。

施設の設計には「京都らしさ」と「和」の要素が随所に取り入れられます。例えばVIPルームには、「もうひとつの京都」をテーマに「海の京都」「森の京都」「竹の里・乙訓」など地域別の特色を持たせたデザインを採用。さらに、地元企業や職人の技術を活かした内装や素材を用いることで、アリーナ自体が京都の文化発信拠点としての機能を果たします。アリーナを中心に競輪場を含めた敷地全体を「5つのリング(わ)」としてゾーニングし、それぞれのエリアが地域住民や来場者の交流拠点となるよう計画されています。このアリーナは、単なるイベント施設ではなく、地域に根差した京都のシンボルとして位置づけられています。


本プロジェクトには、スポーツ施設・エンターテインメント施設の整備・運営で豊富な実績を持つ企業が多数参画。代表企業である伊藤忠商事のもと、設計には梓設計(沖縄アリーナ等)、施工には大林組(神戸アリーナ等)、運営には電通(有明アリーナ等)が参加し、維持管理にはハリマビステム、ファイナンス面ではNTT・TCリースや京都銀行などが連携します。これらの企業のノウハウが結集され、観客や主催者にとっても使い勝手がよく、収益性の高いアリーナを実現。施設の整備・維持管理においては、地元企業の積極的活用も図られており、長期的に地域と共に歩む体制が築かれます。

アリーナ内には最新の映像・音響・照明設備が導入され、スポーツやライブイベントなどにおいて多様な演出が可能です。センタービジョンやインナービジョン、リボンビジョンといった多層的なビジュアル設備により、観客に迫力ある体験を提供。イベントに応じて演出を柔軟に変更できる映像制御装置も搭載され、照明・サイネージ・音響を一体的に演出できます。さらに、VIPエリアやラウンジは来場者に特別な体験を提供し、飲食エリアの分散配置によって混雑を緩和。どの席からでもアクセスしやすく、観戦中も快適に飲食が楽しめる設計とされており、「何度も訪れたくなるアリーナ」としての魅力を高めています。
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最終更新日:2025年5月21日