東京都あきる野市において、都市基盤の整備と土地利用の高度化を目的とした「武蔵引田駅北口土地区画整理事業」が進行中です。本事業は、JR五日市線・武蔵引田駅の北口エリアに位置し、住・商・工・農の複合型市街地の形成を目指す複合型市街地への転換プロジェクトです。また、この地域の発展を象徴する動きとして、東京建物が手掛ける物流施設「T-LOGIあきる野」も竣工し、圏央道アクセスを活かした物流拠点として注目を集めています。
→あきる野市 武蔵引田駅北口土地区画整理事業の事業計画について
武蔵引田駅北口土地区画整理事業の概要
- 事業の背景と目的
あきる野市中心部の未整備地域を対象に、住宅・商業・産業・農業が調和した利便性の高い複合型市街地を形成するため、市主導で土地区画整理事業を実施。都市基盤を整え、駅周辺機能の強化と産業誘致を図る。 - 施行エリアと規模
JR五日市線・武蔵引田駅北側に広がる約19.5haの区域。市街化調整区域だった農地が大半を占める土地で、将来は計画人口1,000人程度の街づくりを想定。 - 整備内容と設計方針
良好な住環境確保のため低層住宅地を中心に、沿道に商業・業務地を配置。公園(4箇所・6,000㎡)や歩行者専用道路を整備し、交通・雨水処理・電線共同溝など都市インフラも強化。 - 事業スケジュール
事業認可は2016年(平成28年)、事業完了予定は2036年(平成38年)3月末。都市計画道路、下水・雨水施設などの整備を段階的に実施予定。 - T-LOGIあきる野の概要
東京建物が開発した大型物流施設「T-LOGIあきる野」は、2023年5月竣工。「T-LOGI」シリーズ第10弾で、延床面積は15,121坪。都心や圏央道に近く、交通利便性が高い立地。 - 物流施設の特長
2層構造の倉庫で両面トラックバース、天井高5.5m、床荷重1.5t/㎡など高機能仕様。BCP対策として非常用発電機や防災備蓄倉庫も設置。地域の雇用創出にも貢献。 - 地域への影響と展望
区画整理と物流施設の整備により、武蔵引田駅周辺は居住・商業・産業機能が融合した拠点へと変貌。地域経済の活性化と都市機能の充実が期待される。

この土地区画整理事業は、あきる野市が施行者となり、平成28年(2016年)3月に事業認可を受けて開始されました。対象区域は、引田・伊奈・阿岐野の一部を含む約19.5haで、2026年度末(平成38年3月)までの施行が予定されています。もともと農地が多かったこの地域を、住居・商業・産業・農地が共存する利便性の高い都市型エリアへ転換します。


計画では、良好な住環境を保つため低層・低密な住宅地を中心に配置し、駅前や主要幹線道路沿いには商業地、北西部には産業系業務地を整備します。公共施設として、都市計画道路・区画道路・歩行者専用道路の新設、公園4か所の整備(合計6,000㎡)、また雨水浸透施設などのインフラも整備される予定です。事業完了後には公共用地が5.7%から27.2%に拡大し、まちの利便性と安全性が大幅に向上します。


当該区域は、もともと市街化調整区域に指定されていたため、宅地化が進まず、インフラ未整備・農地中心という状況が続いていました。現在も多くが農地で、公共施設(公園・下水道など)の整備は不十分です。住民は約200人で人口密度は10人/ha。今後は計画人口約1,000人を想定し、駅周辺の利便施設整備と産業集積による地域活性化が期待されます。


2023年5月、東京建物が手掛ける物流施設「T-LOGIあきる野」が竣工しました。この施設は、圏央道・日の出ICから約1.6kmと好立地にあり、周辺の都市計画と調和する形で物流拠点としての機能を担います。T-LOGIシリーズは全国展開されており、これで10件目。地域雇用の創出や産業系複合市街地構想との相乗効果が見込まれています。

武蔵引田駅北口の再整備により、あきる野市は市の中心地としての機能をさらに強化する見通しです。圏央道と鉄道の結節点として交通利便性が高まり、今後は都市計画に基づくバランスの取れた土地活用が進むことで、住民の生活環境改善と地域産業の発展が期待されます。行政主導による土地区画整理と民間開発が連携する形で、持続可能なまちづくりが推進されています。
最終更新日:2025年6月19日