町田市と小田急電鉄株式会社は、鶴川駅周辺の利便性と魅力向上を目指し、「鶴川駅駅舎改良工事及び南北自由通路整備事業」を進めています。この事業は、南北の移動をよりスムーズにする自由通路の新設と、駅そのものを橋上化することで、快適な利用環境の整備と地域の賑わい創出を図るものです。2023年6月から着工し、2027年度末の利用開始、2028年度の全体完成を目指しています。駅の再整備は、まちの玄関口としての機能を強化し、地域交流の促進や都市の発展にも寄与する重要な取り組みとなっています。
→町田市/小田急電鉄株式会社 町田市と小田急電鉄は、2023年度から鶴川駅
南北自由通路整備事業及び駅改良工事に協働で着手します~ 工事施行協定を締結しました ~
→小田急電鉄株式会社 2025年度 鉄道事業設備投資計画
→町田市 鶴川駅周辺の街づくり
鶴川駅南北自由通路整備事業・駅舎改良工事の概要
1. 事業の目的と背景
鶴川駅周辺の利便性向上とまちづくり推進を目的に、町田市と小田急電鉄が協働で「南北自由通路整備」と「駅舎改良工事」を実施。駅のバリアフリー化や回遊性の向上を図る。
2. 南北自由通路の整備
町田市が施行者となり、幅員10.5m・延長120mの鉄骨造自由通路を新設。2022年に事業認可を受け、2023年度から2028年度までの工期で整備を進行中。駅南北の行き来がスムーズになる。
3. 駅舎の改良工事
小田急電鉄が施行者として駅を橋上化。建築面積約880㎡の新駅舎を建設し、エレベーターやエスカレーターを設置してバリアフリー化。駅構内ではホーム補強工事も進められ、将来的なホームドア導入を見据える。
4. 地域交流拠点施設の整備
現在の北口改札跡地に、地域のにぎわい創出を担う「地域交流拠点施設」を新設予定。2023年5月には町田市・小田急電鉄・株式会社ゼルビアの3者で協定を締結し、整備の方向性を確認した。
5. これまでの取り組みと経緯
2016年に町田市と小田急が再整備推進協定を締結し、基本方針や基本協定を策定。2022年には都市計画道路事業の認可を取得し、再整備計画が本格化。2023年5月に工事施行協定を結び、本格着手。
6. 駅構内の変更点
駅舎橋上化に伴い、現在のホームを跨ぐ構造の改良を実施。空調付き待合室や自動販売機の一部は撤去され、改良スペースを確保。南北に駅前広場を整備し、バス路線の南北分割で交通混雑の緩和を狙う。
7. 完成目標と今後の展望
使用開始は2027年度末を予定。事業完了は2028年度内を見込む。鶴川駅は「東の玄関口」として、都市機能の向上や周辺の活性化を担う交通拠点としての整備が進められている。

鶴川駅の再整備は、駅とその周辺を一体的に改善し、地域に開かれた「まちの交流拠点」としての機能を高めることが目的です。特に南北自由通路の整備により、駅を挟んで分断されていた人や交通の流れが円滑になり、まち全体の回遊性が向上します。

また、新たに設けられる橋上駅舎には、空調完備の待合スペースや視認性の高いデザインが採用され、快適で分かりやすい駅づくりが進められます。駅舎そのものが「滞留空間」として、乗降客だけでなく地域住民も立ち寄れるような空間になることが目指されています。


町田市が整備を担う南北自由通路は、幅10.5メートル、全長120メートルにおよぶ鉄骨造の構造で、駅構内を南北につなぐ新たな動線となります。この通路は、バリアフリー対応のエレベーターやエスカレーターが完備されるほか、通路そのものがイベントや展示などにも活用できる設計となっており、単なる移動空間にとどまらない「情報発信・交流の場」としての機能を持たせています。事業期間は2023年度から2028年度までを予定しており、段階的に工事が進められます。


小田急電鉄が実施する駅舎改良では、既存の地上駅舎を橋上化し、改札やコンコースを含む駅施設の利便性を大きく向上させます。建築面積は約880㎡で、駅構内にはホームドアの整備に向けた基礎工事も進められています。また、北口改札跡地には地域交流の場として「地域交流拠点施設」が設置される予定で、FC町田ゼルビアとの連携による地域活性化の拠点としての役割が期待されています。さらに、2024年には北口広場が再整備され、将来的には南口にも新たな駅前広場が整備される計画です。


この事業の背景には、町田市と小田急電鉄の長年にわたる連携があります。2016年の再整備協定締結以降、基本方針の策定や覚書の交換を経て、2022年には基本協定書を交わし、2023年に施行協定が締結されました。2022年には都市計画道路事業としての認可も取得しており、行政と鉄道事業者が一体となって進めるモデル的なプロジェクトとして注目されています。今後も両者は駅周辺のまちづくりを共同で推進していく意向です。


鶴川駅は、小田急小田原線の中で日々約6万人が利用する地域の中核駅です。従来は北口側の駅舎を中心とした構造で、南北の移動には不便さがありましたが、今回の再整備により駅全体の使い勝手が飛躍的に向上する見込みです。

また、デザイン面でも自然と調和した開放的な造りが取り入れられ、鶴見川や丘陵地の風景を感じられる「まちの顔」としての駅づくりが進められます。単なる通過点ではなく、「下車して訪れたくなる駅」を目指し、今後ますます注目が集まりそうです。
最終更新日:2025年7月4日