愛知県豊橋市で進められている「豊橋駅東口駅前地区第一種市街地再開発事業」が、事業協力者の募集を開始しました。事業コンサルタントは株式会社アール・アイ・エーが務めており、再開発準備組合は2026年3月上旬にヒアリング審査を実施、事業協力候補者を選定する予定です。
本事業は、JR・名鉄・豊鉄が乗り入れる豊橋駅東口に面する約1.1ヘクタールを対象とし、再開発区域に位置している東口周辺の東口重点整備エリアでは商業・業務・住宅などを一体的に導入、整備する構想が進められています。豊橋市が推進する「豊橋駅周辺地区市街地総合再生基本計画」の重点エリアとして位置づけられており、駅前空間の再整備を通じて東三河の玄関口としての機能をさらに高めることを目的としています。駅前の再生は、地域の経済・観光・暮らしを支える象徴的なプロジェクトとして、市民の関心も高まっています。
→建設通信新聞 豊橋駅東口駅前再開発/事業協力者を募集/準備組合、11月19日まで受付
→豊橋市 豊橋駅周辺地区市街地総合再生基本計画
豊橋駅東口駅前地区第一種市街地再開発事業の概要
1. 豊橋駅東口再開発の事業開始
豊橋駅東口駅前地区第一種市街地再開発事業が事業協力者の募集を開始。
駅前空間の再整備による都市機能の再生と賑わい創出。
2. 募集期間と実施体制
事業コンサルタントのアール・アイ・エーが要項を配布し、11月19日まで受付。
2026年3月上旬にヒアリング審査を実施予定。
3. 計画地の規模と位置
JR・名鉄・豊鉄が乗り入れる豊橋駅東口に面した約1.1ヘクタールの区域。
東口周辺は商業・業務・住宅が混在する複数の複合的な再開発を構想。
4. 都市計画上の位置づけ
豊橋市が策定した「豊橋駅周辺地区市街地総合再生基本計画」の重点エリア。
東三河の拠点として機能強化を図る都市構想。
5. 再開発の目的と狙い
老朽建物の更新と土地の高度利用によるまちなか再生。
商業・居住・サービスが融合した新しい駅前空間の形成。
6. 市民の期待と地域的意義
地域経済と観光を支える象徴的なプロジェクト。
東三河全体の活性化に寄与する広域的拠点整備。
7. 今後の展望と将来像
民間と行政が連携し進める持続可能な都市づくり。
東三河の玄関口にふさわしい都市空間の創出。
豊橋駅東口駅前地区再開発準備組合は、11月5日より「豊橋駅東口駅前地区第一種市街地再開発事業」の事業協力者募集を正式に開始しました。提案書では、都市機能の構成や土地利用の方向性、施設計画、事業スキーム、収支計画、そして地域との共生を視野に入れたエリアマネジメント方針など、幅広い観点からの構想力が求められます。2026年3月上旬にはヒアリング審査を実施し、その後、事業協力候補者を正式決定する予定です。単なる建築計画ではなく、「駅前という公共空間をどう再定義するか」というまちづくり視点が問われる募集となっています。
対象となるのは、豊橋市広小路一丁目および駅前大通一丁目の一部で、豊橋駅東口を出てすぐの約1.1ヘクタールの範囲です。区域内には豊栄ビルやヤマサ製菓ビルなどの老朽化した建物群が建ち並び、飲食店や物販店、娯楽施設などが混在しています。かつて多くの人でにぎわったパチンコ店「USA」の跡地には、宇宙船のようなスペースシャトル型モニュメントが残され、今も再開発前の象徴的な光景を形づくっています。
また、駅東口のペデストリアンデッキが区域目前まで延びており、鉄道・バス・路面電車などの交通結節点として極めて高い利便性を備えています。こうした立地特性を生かし、再開発後には商業・業務・居住を融合した複合施設の建設が想定され、駅前のにぎわい再生と都市景観の向上が期待されています。
豊橋駅は東海道新幹線・東海道本線・名鉄本線・豊橋鉄道渥美線・市内線が交わる、東三河地域最大の交通結節点です。市はこのエリアを「豊橋駅周辺地区市街地総合再生基本計画」に基づき、東西の二つの重点整備ゾーンに区分しています。東口側は商業・業務・サービス機能の導入を軸とした「民間再開発促進ゾーン」とされ、土地の高度利用と機能更新を重点的に推進しています。
また、歩行者回遊性を高めるデッキネットワークや広場空間の整備、環境共生・防災機能の強化などもテーマとなっており、「歩いて楽しめる・働ける・暮らせる」コンパクトシティの実現を目指しています。駅前空間を再構築することにより、豊橋都心の顔づくりが大きく進む見通しです。
近年の豊橋駅周辺では、官民連携による再開発事業が相次いで進行しています。代表例として2024年春に完成した「emCAMPUS（エムキャンパス）」は、地上24階建ての複合タワーで、商業・住宅・オフィスが一体化した新しい都心拠点です。また、広小路一丁目北地区第一種市街地再開発事業も完了し、駅前大通沿いの景観が一新されました。
これら既存の開発と今回の東口駅前地区が連携することで、豊橋駅の東西を結ぶ都市軸の連続性がさらに高まり、にぎわいと回遊性の向上が見込まれます。東三河エリアの中心都市として、豊橋が再び「人の集まるまち」へと変貌する流れが着実に進行しています。
豊橋市は「中心市街地活性化基本計画」や「立地適正化計画」に基づき、駅周辺を都市機能誘導区域として明確に位置づけています。行政は市内の再開発準備組合に対し、勉強会の開催、法制度に関する助言、補助金による支援など、段階的なサポートを行っています。さらに、再開発後のエリアマネジメントにも注力し、公共空間を活用したイベント開催や地域コミュニティ形成を後押しする仕組みづくりも進めています。
豊橋市が目指すのは、単に建物を更新することではなく、地域経済を循環させる“持続可能な都心の再生”です。行政・権利者・民間事業者の三者がそれぞれの視点を持ち寄り、協働してプロジェクトを進めることが成功の鍵となります。
豊橋駅東口駅前地区の再開発は、東三河地域全体の都市再生を象徴するプロジェクトです。鉄道・バス・路面電車が集まる交通結節点という立地を生かし、駅・街・人が一体化した「ウォーカブルなまちなか」を形成することが狙いです。
今後はペデストリアンデッキの延伸や広場整備を含む公共空間の再編、そして地域資源を活かした商業・観光拠点の創出が期待されます。再開発が完了すれば、東三河の玄関口としての豊橋駅のブランド価値は大きく向上し、市民にとっても訪問者にとっても魅力的な都市空間が生まれるでしょう。市民・事業者・行政が一体となり、駅前から始まる豊橋の新しい都市ストーリーがいよいよ動き出しています。
最終更新日：2025年11月5日